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2010.04.05

PS2ゲーム『ペルソナ4』体験レポート[部分]

 面白いミステリは小説だけでなく、ゲームの世界にもあるはず! 「ミステリーズ!」では、ミステリ・ゲームの世界を紹介してゆきます。
 クリアまでに時間がかかるからRPGは苦手。そんな方にこそ体験してもらいたいのが『ペルソナ4』。地方都市で起こる奇怪な連続殺人事件、マヨナカテレビの噂に、明るい学園生活。様々な魅力に溢れた『P4』の世界をご紹介!
 今回の〈Webミステリーズ!〉では、PS2ゲーム「ペルソナ4」の体験レポートの一部をご紹介します。

『ペルソナ4』スタート画面
イメージカラーの黄色が鮮やか
主人公たちのシルエットが浮かぶ
■「ペルソナ」シリーズについて
 ロールプレイング・ゲーム(以下RPG)といえば剣と魔法を武器に敵を倒しに行く、国民的ヒット作「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」のようなゲームを想像されるかもしれません。
 そういったRPGはもちろんたくさん世に出ていますが、今回紹介する『ペルソナ4(以下P4)』を含む「ペルソナ」シリーズは、少し趣が違います。異変によって出現するようになった「悪魔」や「シャドウ」といった異形は登場するものの、現代日本の街や学校を舞台に、主人公たちが事態を解決に導くといったストーリーのため、ドラッグストアで薬を買って回復したり、武器や防具を購入するのがブティックであったり、かなり設定が現代風なのです。友情や恋愛、自分自身の葛藤など身近なテーマも親しみやすさの一端です。
「ペルソナ」シリーズを通じて登場するのが、シリーズタイトルにもなっている「ペルソナ能力」。ラテン語で「人」や「仮面」を意味する「ペルソナ」は、このゲームでは人の心の奥底にある「もう一人の自分」や、別人格が具現化した特殊能力を指します。その能力を使って異形のものたちと対峙していくのです。
 シリーズ第1作の『女神異聞録ペルソナ(以下ペルソナ)』(PSソフト、2009年PSPにリメイク)は自分探しをテーマにした青春RPG。2部構成で制作された第2作にあたる『ペルソナ2罪』『ペルソナ2罰』(以下ペルソナ2、ともにPSソフト)は、噂が現実になるという「噂操作システム」を導入し、因果応報・償い・運命をキーワードにしたオカルティックなRPG。キャラクターデザインやシステムが一新した第3作『ペルソナ3(以下P3)』(PS2ソフト、09年PSPにリメイク)は、一期一会がテーマの学園コミュニティーRPGとなっています。
 このシリーズでさらにゲームの魅力を高めているのが、そのスタイリッシュなデザインと耳に残るBGM。個人的には、流行するより前に発売されたものなのに、『ペルソナ』のキャラクターがルーズソックスを履いていたのにびっくりでした。
 興味が湧いた方はぜひ『ペルソナ』『ペルソナ2』『P3』も遊んでみてください。

ムービーより、死体登場シーン
ゲーム中何度も登場する死体の
ムービーはどれも衝撃的
■『ペルソナ4』ストーリー
 両親が仕事の都合で海外へ行くことになり、母方の叔父のところへ一年間預けられることになった主人公。物語は都会に住んでいた彼が、叔父のいる稲羽(いなば)市という地方都市へ向かうところから始まる。
 八十神(やそがみ)高校の2年に転入した主人公はクラスメートとの距離をはかりつつ、早くこの街に慣れようとしている。ジュネスという郊外型のショッピング施設が出来たことにより、地元の商店街が次々と規模を縮小していっている、どこにでもありそうな田舎町。のどかで、ゆったりと時間が流れているこの町を揺るがす事件が、突然勃発した。テレビのアンテナに女性の死体が引っかかっているのが発見されたのだ。
 元議員秘書との不倫で話題になっていた女子アナウンサーが殺され、奇怪な形でその死体が見つかった。めったに事件の起こらない稲羽市は沸き立った。報道に嫌気がさした不倫相手に殺されたのでは? いや、相手の奥さんに殺されたのだ! などと様々な憶測が飛び交うのに紛れて、不可思議な都市伝説も蔓延していた。曰く、雨の日の午前零時、なにもついていないテレビをのぞきこむと、「マヨナカテレビ」に誰かが映ると。
 半信半疑ながら、噂を確かめるべく雨の日の夜中に、電源のついていないテレビ画面をのぞきこむと、どこか見覚えのある女性のシルエットが浮かんだ。しかも触れようとすると、画面に手が吸い込まれそうになった! 一体なぜ!?
 翌日学校へ行くと、昨日の晩マヨナカテレビに映ったのは3年の先輩ではないか、と級友が言う。再びテレビを確認すると、友人の主張するように、どうやら本人らしい。何故そんなものに彼女が映っていたのか、どうして「マヨナカテレビ」が映るのか、疑問を抱えつつまた登校すると、今度は電柱に吊り下がった死体が見つかったと学校は大騒動になっていた。しかも被害者が、前回の女子アナ殺人事件の死体の第一発見者である、同じ高校の女子生徒、つまりマヨナカテレビで見た「先輩」だという。そういえば数日前から彼女の姿が見えないと噂されていたが、まさか死体で見つかるとは……。
 次々と起こる怪奇的連続殺人事件。警察の捜査もその異常性と、雨が続いた後の日に発生する濃い霧に阻まれ、一向にはかどらないらしい。そして事件に不安を覚え始めた主人公らの前から、また一人行方不明者が……。

 止まらなくなるので、この辺で。

教室での一幕
画像右上の天気マークが『P4』
ではとてもの重要になってくる
■連続殺人事件の捜査と学園生活
 ストーリー紹介が少し長くなってしまいました。連続誘拐殺人事件とその真相を探るべく動き出す主人公たち、という響きだけで面白そうですが、このゲームの魅力はそれだけではありません。
 自分たちの住む町で起こる事件を止めるために奮闘しようにも、高校生としての日常は待ってはくれないのです。つまり、プレイヤーは普通の学校生活を送りながら、空いた時間で事件の捜査をすることを余儀なくされます。部活動やアルバイトに精を出し、仲間と遊びに出かけて互いの絆を深めることも、このゲームを楽しくしている大きな要素です。
 たとえば推理小説を読んでいて、事件の捜査をしなければいけない学生の探偵が登場したとして、「来週から試験だから、ちょっと図書館で勉強してくる」という場面って、なかなか出会わないのではないでしょうか。もしくは「女の子と仲良くなりたいから事件の捜査は明日でいいや、今日はデート!」とか。こうして知識や絆を深めることで、事件捜査に有利に働くようになったりするので、罪悪感なく学園生活を満喫できるのもいいところ。
 殺人事件という暗くなりがちなものを扱っていながら、ゲーム全体のイメージが明るいのは、この日常生活の部分があるためなのではないでしょうか。

*この記事は2010年4月11日発売の「ミステリーズ!vol.40」掲載の記事の抜粋です。もっとお読みになりたい方は、そちらをご覧ください。

* * * *

『ペルソナ4』
対応ハード:PlayStation2
ジャンル:RPG
発売元:株式会社アトラス
希望小売価格:7,329円(税込)
CEROレーティング:B(12歳以上対象)
(c)ATLUS CO.,LTD. 1996,2008
ペルソナ4 web公式サイト:http://p4.atlusnet.jp
ペルソナ4 モバイルサイト:http://p4.atwd.jp

(2010年4月5日)


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