ラウンジ

2018.03.30

校正課だより 新米校正者の趣味とお仕事

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人魚と金魚鉢
お久しぶりです。校正課Hです。
昨年12月更新の「手錠したまま肩車ってできるのでしょうか?」の記事を、『人魚と金魚鉢』著者の市井豊先生のブログで取り上げていただき(イチャイチャしててすみません)、さらに『人魚と金魚鉢』の解説で宇田川拓也先生に言及していただくという、思いも寄らぬ幸運を授かってしまいました。
市井先生、宇田川先生、ありがとうございました。
そして市井先生によると、肩車をする際に先輩の腕は前に回っている状態を想定されていたとのことですので、併せてご報告させていただきます。なるほど……!

さて、実は校閲の仕事では、あのように身体を動かして検証したり、あの校閲ドラマのように作中に出てくる場所を実際に訪れて確認する、という機会はほとんどないのです。登場人物の位置関係などは図を描いて確認できることが多いですし、文献で調べられることもありますし、あと、弊社の出版物はフィクションがほとんどということもあって、作中に出てくる場所が「行ける場所」とは限らないのです。二十世紀初頭のバルセロナ二十二世紀のニューヨーク、宇宙空間など……。

というわけで、ここ最近は写真でお見せできるような校正をする機会が残念ながら(?)なかったため、今回の記事では自分の趣味について語りたいと思います。

校正という仕事をしている時点でバレバレかもしれませんが、本が好きです。東京創元社の社内には本当に膨大な量の本を読んでいる先輩が多く、「趣味は読書」と発言するのを少しためらってしまう気持ちもあるのですが、やっぱり読書は好きなのです。

校正の勉強を始めてからはスクールの宿題をこなしたり、校正技能検定(あるのです、校正の検定試験)の勉強をしていた期間はなかなか趣味の読書を楽しむ余裕がなかったり、実務が始まってからは会社を出ても校正スイッチが入りっぱなしで物語に入り込めなかったりということもありましたが、ようやく今年に入った頃から、以前のように「気分転換に本を読む」ということができるようになってきた気がします。

それでは、好きな作品を具体的に挙げていきますね。

180208shijinsou_m.jpg まずは、『屍人荘の殺人』
こちらはゲラの段階で一部お手伝いをさせていただいたのですが、改めて通して読んでみたところ、とてもグッとくるポイントを見つけてしまいました。

作中屈指の衝撃的なシーン、302ページ。
――ここで比留子さんがどんな服装をしていたか、ご存じでしょうか?

ふふふ、ちゃんと書いてありますよ! 202ページに! 174ページの会話からわかる比留子さんの性格を考慮すると非常にグッとくるかと思うのですが、いかがでしょうか?
『屍人荘の殺人』をお持ちの方は、ぜひ確かめてみてくださいませ。202ページ以降に「着替えた」という表現はなく、とはいっても「着替えていない」という描写もないようなので若干個人的な解釈ですが、状況からしてそのままの服装である可能性が高いと思われます。

え? そんなところに萌えるなんて変態っぽい? だってしょうがないじゃないですか、気付いちゃったんですからー!

それに、私だって本当は謎解きの鮮やかさや明智さんと葉村君の関係についても熱く語りたいのですよ! 比留子さんの可愛さや切なさについても、もっといろいろ語りたいのですよ! でも、迂闊なことを語るとネタバレになっちゃうじゃないですかー!! ……と叫んでみても、着眼点が変態っぽいことに変わりはない気もするのですが、あの、とにかく『屍人荘の殺人』が大好きです。ついテンションが上がってしまいます。

kousei32.jpg テンションが上がってしまう作品といえば、こちら、〈妖怪の子預かります〉シリーズも外せません。出てくる妖怪の子どもたちが可愛い(特に月夜公の尻尾を支える三匹のねずみたちがお気に入りです。可愛い)のはもちろんのこと、主人公弥助とその養い親である千弥さんの親子愛がもう微笑ましくて微笑ましくて……! 新作が出るたびにわくわくしながら読んでおります! 次回はどんな事件が起こるのか、続きが気になって仕方ありません。

kousei4.jpg そして、同じく続きが気になるのが『ワニの町へ来たスパイ』。こちらは昨年1巻目が出たばかりなのですが、一読して脇役のおばあちゃん二人組、ガーティとアイダ・ベルが大好きになってしまいました!
おばあちゃんたち、とても素敵なんです。ガーティの作るお菓子は絶品で、アイダ・ベルはある武器を使う達人。私の中の「素敵おばあちゃんランキング」でお蔦さんと絶賛デッドヒートを繰り広げているところです。

以上、思いつくままに語らせていただきました。ちょっと原稿の締め切りギリギリのため、今回は自社の本の紹介だけになってしまいましたが、またの機会にお気に入りの他社の本についても熱く語りたく思っております。

(2018年3月30日)



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