ラウンジ

2009.10.07

『堀井雄二ミステリー三部作』インタビュー[部分]

スクウェア・エニックス本社入口
スクウェア・エニックス本社入口
 面白いミステリは小説だけでなく、ゲームの世界にもあるはず! 「ミステリーズ!」では、ミステリ・ゲームの世界も紹介してきます。
 今回はミステリ・ゲームの話をする際必ず登場する、伝説のゲーム『ポートピア連続殺人事件』および『オホーツクに消ゆ』『軽井沢誘拐案内』の携帯版アプリについて、藤本広貴プロデューサーにお話をうかがいに、スクウェア・エニックス本社にお邪魔してきました。

■『ポートピア連続殺人事件』『オホーツクに消ゆ』『軽井沢誘拐案内』について
――これらはどんなゲームなんでしょうか。
藤本プロデューサー(以下藤):ドラゴンクエストシリーズの生みの親である、堀井雄二氏によるアドベンチャーゲームです。過去にパソコン(PC)ゲーム、ファミコン(FC)ゲームとして発表されていたものを、携帯アプリとして移植しました。
『ポートピア連続殺人事件』は、1983年にエニックス(スクウェアと合併する前)がPCゲームで発表し、85年にFCへ移植しヒットした、この中で一番有名なゲームでしょう。アドベンチャーゲームの先駆けで、内容がとてもセンセーショナルです。プレイヤーが上司となって、部下にいろいろ指示しながら、金融会社の社長が殺された事件を捜査していく話なんですが、コマンド選択というシステムが、当時とても新しかったことでも話題になりました。あと、犯人がとても有名ですね(笑)
『オホーツクに消ゆ』はそれよりも知名度は落ちますが、かなり作り込まれています。こちらはもともとアスキー(現エンターブレイン)のPCゲームで、同じくFCに移植。東京で見つかった死体を調べていくと、北海道にたどり着き、その各地で起こる殺人事件に発展していく、というストーリーです。捜査を進めていく方法は『ポートピア』と一緒です。
『軽井沢誘拐案内』ですが、これだけはFCに移植されず、PC版のみの発売でした。こちらは、買い物に出かけたきり戻らない彼女の妹を捜して、進んでいきます。コマンド選択だけではなく、フィールド上での移動も加わった新しみがあります。前2作に比べてアダルトな要素が強いですね。

藤本プロデューサー
藤本広貴プロデューサー
――どういった経緯で携帯に移植することになったのでしょうか。
藤:2000年前後に携帯でゲームを遊ぶといったことが、徐々に普及してきたのですが、当時の携帯電話の容量や性能はそこまで良くありませんでした。そこで、操作性などなにか親和性の高いゲームはないか、ということで、まずは01年にアドベンチャーゲームの『ポートピア』と『オホーツク』を移植することにしました。再現できない部分もあったのですが、その分グラフィックにはこだわろう、と当時できる最高のものを用意しました。
――携帯のアプリもリメイクされていますよね。
藤:やはり携帯電話の性能がどんどんあがっていきますので、できることが増えますから。05年にリメイクした際には、ムービーや3Dサウンドを追加し、現在でも配信されている形になりました。このときは先行して『ポートピア』と『オホーツク』を配信して、半年ほどあとに、PC版以来初めて『軽井沢』を配信しました。
――特にこだわられた点はありますか。
藤:携帯ゲームが普及し始めた当初、携帯会社のサービスとして、パケット定額制というものがありませんでした。ゲームを進めるたびに接続を要求されるようなものだと、何十万円というとても高額な請求が来てしまい、通称「パケ死」と呼ばれる状態になってしまったんです。だから一度のダウンロードですべてをおさめる「落としきり」ということに、こだわりました。着うたフルなど、一曲300円程度の課金ですが、容量はとても大きいので、定額サービスに入っていないと、パケット代だけで何千円もかかってしまうんですよ。
 いまでこそ携帯の性能も容量もとてもあがって、ユーザーの方もパケット定額制に加入されているので、あまりゲームの容量を気にせずに作れるようになりましたが、シビアな問題でしたね。
 あともう一つ、ファミコン版より難しくならないように気をつけました。今の新作ゲームだと、何かがありそうな場所は、それとわかりやすいように光っていたりしますが、そういったことはせず、「ヒントコマンド」を追加したり、ある場所を探すと地図が手に入るようになっていたりします。

『ポートピア連続殺人事件』タイトル画面
『ポートピア連続殺人事件』タイトル画面
――移植を発表した際に、なにか反響はありましたか。
藤:「あのポートピアが!」といった感想がたくさん寄せられました。ユーザーの年齢層も、他のゲームと比べて少し高めでしたね。だいたい携帯ゲームのメインのユーザー層は20代中ごろから後半なんですが、『ポートピア』は30代の方が中心でした。昔ファミコン版で遊ばれていた方が、もう一度遊んでくれたのではないでしょうか。
――ちなみにどのくらいのダウンロード数があるのでしょうか。
藤:07年にサイトをリニューアルしてからで、すでに10万ダウンロードありますので、かなりのヒット作ですね。05年に配信開始してから最初の2年間は、もっとたくさんの方に遊んでいただけていたと思いますし。

*この記事は2009年10月10日発売の「ミステリーズ!vol.37」掲載の記事の抜粋です。もっとお読みになりたい方は、そちらをご覧ください。

■PROFILE
藤本広貴
1990年株式会社エニックス(現スクウェア・エニックス)入社。モバイルプロデューサー。


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(2009年10月5日)

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