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カプコン東京支社入口 今回はシリーズ320万本を売り上げたゲーム「逆転裁判」と、2009年5月28日に発売になったばかりの最新作『逆転検事』について、制作スタッフの江城プロデューサーと山崎ディレクターにお話をうかがいに、カプコン東京支店にお邪魔してきました。
――お二人はどんなお仕事をされているのでしょうか。 ■「逆転裁判」シリーズについて 江城元秀プロデューサー 山:今回は、事件現場が舞台ですので、証言のムジュンではなく、たとえば証拠の偽装など、現場のムジュンを暴いていくというスタイルになります。「逆転裁判」の「尋問」の要素は、現場で怪しい人物と直接「対決」するという形で継承しています。さらに、ライバル検事ではなく、ライバル捜査官が登場し、彼らとどちらの推理が正しいかをめぐって対決することもあります。また、「ロジック」という新しいシステムでは、集めた情報の中からつながりのあるものを二つ選んでまとめていくことで論理的な推理を体験していただけるようになっていますよ。 江:「逆転裁判」より推理している感はより強いと思います。ほかにも複数人が画面にカットインして登場したり、ロングショットが追加されたりしていますね。捜査→対決→捜査→というジェットコースター的テンポの良さを体験してください。 山:実際やることは推理です。 江:「逆転」シリーズのキャラクターの説明等もきちんとありますので、はじめてシリーズをプレイされる方でも問題なく楽しんでいただけると思います。 山:逆にいままでのシリーズを楽しまれた方には、主人公の御剣と推理の過程をシンクロさせて、なりきってプレイするといった楽しみ方をしていただければ思います。 山�ア剛ディレクター 江:『逆転裁判3』のちょっとあとくらいです。御剣は『逆転裁判 蘇る逆転』の頃だと、有罪判決のためならなんでもやる! というキャラクターで、それだとゲームが成り立ちません(笑)ちょっとずつスタイルが変化して、真実の追究を! というスタンスに変わったあとのお話です。 ――『逆転検事』制作の契機について教えていただけますか? なぜ「逆転裁判」の新作ではなく、『逆転検事』になったのでしょうか。 江:ニンテンドーDS用『逆転裁判3 Best Price!』の制作が終盤にさしかかったころ、「逆転」シリーズの世界観を使って、新しい遊びを提案できないか、と思い立ったんです。だったら主人公は御剣検事だろう、と。制作スタッフを一新しつつ、『蘇る逆転』『逆転裁判4』の制作にかかわっている山崎をディレクターとしました。 山:法廷以外で検事、となるとやっぱり現場捜査。じゃあどんな話にしようかと考え始め、2007年9月ごろにチームを立ち上げました。 江:最初はファン向けに軽めのものを、と考えていたんですが、去年の「特別法廷2008 逆転裁判オーケストラコンサート」(「逆転裁判」のゲーム音楽のオーケストラコンサート)の場で『逆転検事』について制作発表をしたら、予想以上の反響でした。これはもっと厚みのあるものを作らなければ! と頑張りましたね。そのため、当初の予定からずいぶんボリュームが増えました。 ――特に苦労した点はありますか。 江:やっぱりシナリオですね。チームでミーティングをした結果をまとめて、こういう話にしようと決めたものを、山�アがトリックなどゲーム的な遊びを盛り込みつつ、シナリオにしていく。それをゲームに落としこんでいくのですが、シナリオで読んで面白くても、実際にゲーム機でプレイするとイマイチだったりするので、何度もリテイクがありました。 山:読んで面白いトリックと、ゲームで解いて面白いトリックは違いますし、「ミステリを読んでいる人間からすれば常識ですよ!」というものも、「いやいやわからないから!」とダメ出しをされることもありました。ほんとに最後の最後まで手を入れていましたね。 江:テキストの量も膨大です。 山:気になるところをタッチしてみて、「ハズレでした」では申し訳ない。アクションを起こしたら、笑いでもヒントでも、何か得する情報を……と一つ一つに仕込んでいったので、かなりの量ですね。 ――ちなみにお二人はどんなミステリがお好きですか。 江:『チームバチスタの栄光』が面白かったです。テンポの持って行き方も非常にゲーム的ですよね。僕はあまり読まないんで、ミステリについては山�アに任せています。 山:僕は綾辻行人さんの『十角館の殺人』からミステリを読み始めました。新本格の書き手が好きですね。叙述ものが特に。騙されたいという気持ちがあるので。具体的には、法月綸太郎さんの論理性や、京極夏彦さんの大きな「絵」を論理立てて描いてくれるところなどがとても魅力的です。 江:二人のこの差が、制作にあたって、いいバランスになっていたと思います。ミステリのお約束がわからないからこそ、ユーザー目線に立てた部分もありました。マニア同士だと難しくなりすぎたり、マニアックになりすぎたと思います。 ――どんなミステリ好きにオススメのゲームですか。 江:テキストだらけだと単調になりがちですけど、「調べる」というアクションと「ロジック」という推理をまとめる過程を入れることで、一粒で三度おいしい、飽きの来にくいものになっていると思います。推理小説を作者との対決と考える人には特にオススメですね。 山:ゲームというメディアに消極的な方もいるかもしれませんが、ストーリーに介入していくのを疑似体験するのは、小説にはできないことだと思います。 江:プレイもとても簡単なので、チャレンジと思ってやってみていただければ嬉しいです。 山:これは「逆転裁判」生みの親の巧舟が言っていたことなんですが、小説だと残りページがまだ半分あれば、「こいつが犯人ではないな」というのがわかってしまう。でもゲームだと終わりはわかりません。そういったハラハラも是非体験してみてください。 ――ありがとうございました。 *注 「逆転裁判」シリーズ *この記事は2009年6月11日発売の『ミステリーズ!vol.35』に掲載されたものです。 ■PROFILE * * * * ニンテンドーDSソフト『逆転検事』を抽選で3名様にプレゼントします! 【プレゼント応募要項】 ご希望のかたは、下の応募フォームよりお申し込みください。プレゼント選択のラジオボタンは「ニンテンドーDSソフト『逆転検事』プレゼント」をチェックしてください。ご応募多数の場合は抽選となります。当選発表は、商品の発送をもって代えさせていただきます。
■お申し込み締切 2009年7月31日(金) |
『逆転検事』 対応ハード:NINTENDO DS ジャンル:推理アドベンチャー 発売日:2009年5月28日 希望小売価格:通常版 5,040円(税込) LIMITED EDITION(限定版) 9,490円(税込)*「LIMITED EDITION」はカプコンオフィシャルショップ「e-CAPCOM」専売です。 CEROレーティング:B(12歳以上対象) ■『逆転検事』公式サイトはこちら http://www.capcom.co.jp/gyakutenkenji/ |
(2009年7月5日) |
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