国内ミステリ出張室

2016.12.02

第26回鮎川哲也賞・第13回ミステリーズ!新人賞贈呈式レポート


2016年10月28日、飯田橋のホテルメトロポリタン エドモント〈悠久の間〉にて、〈第二十六回鮎川哲也賞〉ならびに〈第13回ミステリーズ!新人賞〉の贈呈式が開かれました。当日は、多数の皆さまにご来席いただきました。
〈第26回鮎川哲也賞〉は、市川憂人氏「ジェリーフィッシュは凍らない」が受賞作に選ばれました。〈第13回ミステリーズ!新人賞〉は、受賞作なしとなりました。


〈第26回鮎川哲也賞〉の選考経過と選評を、選考委員を代表して北村薫先生が述べられました。 選考について「全会一致で決まった」と述べたうえで、「惜しくも、という作品にも、それぞれ美点があった」「候補作を読んだ段階から、『今年は確実に受賞作が出るな』と思えたのが、いちばん嬉しかった」と所感を述べました。
受賞作に関しては、「誰もが知る古典に挑戦して、如何に立ち向かっているか」「『何をやってくれるんだろう』と思わせる。非常に快作である」と高評をいただきました。結びに、「本格は書くのが難しいが、今回のようなことがあると、本格の未来は明るいぞと改めて思える」「そういう風に選考委員たちを思わせてくれて、これから多くの読者にも歓びを与えてくれるだろう受賞作に感謝したい」と、お祝いの言葉を送ってくださいました。

選評の後、受賞者の市川憂人氏が登壇されて、小社社長・長谷川晋一より賞状の授与が、そして選考委員の近藤史恵先生から正賞のコナン・ドイル像が手渡されました。
花束の贈呈は〈第24回鮎川哲也賞〉の受賞者・内山純先生が、更に北森鴻先生のご遺族よりお預かりした花束の贈呈は浅野里沙子先生がおこないました。花束を渡した後、浅野先生は「北森さんは鮎川哲也賞を受賞したことを誇りに思っていた。市川さんも受賞を誇りに、たくさんの素敵な物語も書いていってほしい」と、受賞者に励ましの言葉を述べました。

受賞の挨拶で、市川氏は「ミステリーズ!新人賞に応募していた頃、選考委員の方々にいただいた選評が励みになった」「次の作品を書く。その作品が書きあがったら、また次の作品を書く。一歩ずつ進んでいって、また別の景色が見えてくれば」と、今後の目標を語られました。

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続いて、〈第13回ミステリーズ!新人賞〉の選考経過と選評は、選考委員を代表して法月綸太郎先生が述べられました。
第10回ミステリーズ!新人賞の選考で市川氏の応募作を読んでいた法月先生は、はじめに市川氏にお祝いの言葉を仰ったうえで、「もう一歩、という作品が多かった」と今回の総評をされました。「例年より最終候補に挙がった作品がすくなかったが、それが今回の応募作全体の水準を反映しているように感じた」「本格ミステリまで絞らなくても、総じて謎解き小説として練り込みが弱かった」と厳しい評を述べて、最後に「選評を読んで『じゃあ、自分はこうしよう』と考えて、今日このような結果に辿り着いた市川さんが現にいらっしゃる。応募した方々は、選評を参考に更に良い作品を書いて、次に繋げてほしい」と締めくくりました。


乾杯の辞は、今年デビュー十周年を迎えて、第14回ミステリーズ!新人賞から選考に加わる大崎梢先生からお言葉をいただきました。その後は歓談に大いに花が咲き、盛会のうちに終わりました。

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第26回鮎川哲也賞・第13回ミステリーズ!新人賞の選評は『ミステリーズ!vol.79』に掲載されています。また、式の模様につきましては、You Tubeにて配信しています。 現在募集中の〈第28回鮎川哲也賞〉は2017年10月末日〆切、〈第14回ミステリーズ!新人賞〉は2017年3月末日〆切となります。 ミステリーズ!新人賞だけでなく鮎川哲也賞も、現在選考中の第27回から新たに加納朋子先生が選考に加わります。多数のご応募お待ちしております。


(2016年12月2日)



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