2021年の単行本刊行時に大きな反響を呼び、即重版となった話題作、榊林銘さん『あと十五秒で死ぬ』。ミステリ界に鮮烈な印象をもたらしたデビュー作が、この度待望の文庫となって登場します!

収録された四編は、どれも〈十五秒後に死ぬ〉というトリッキーな状況設定で起きる、不可思議な事件を描いています。

撃たれて死ぬ直前の「私」は、死神から余命十五秒を与えられる。この十五秒をどう使えば、犯人を告発できるのか? 反撃しようとする被害者と、それを阻止しようとする犯人の一風変わった攻防を描く、第12回ミステリーズ!新人賞佳作「十五秒」
本作は、日本推理作家協会の年刊アンソロジーに収録され、『世にも奇妙な物語』の原作となりました。
https://www.fujitv.co.jp/kimyo/topics65.html

犯人当てドラマの最終回、エンディング間際で登場人物が前触れもなく急死した。もう展開はわかりきっているとテレビの前を離れていた十五秒の間に、一体何が起こったのか? 過去のエピソードを手がかりに当ててみろと、姉から挑まれた弟の推理を描く「このあと衝撃の結末が」

仲睦まじく暮らしている母と幼い娘。しかし、娘が毎日見るようになった、「車の助手席で目覚めるところから始まり、母が『何か』を伝えた後、正面から大型トラックが突っ込んでくる」という十五秒間の悪夢が、穏やかな日々に影を落としていき……。ふたりの身に何が起こっているのかが明かされていく「不眠症」

十五秒間だけ首の着脱をしても死なないという、特殊体質の住民が暮らす赤兎島。毎年行われる大祭の翌日、首のない焼死体が見つかった! 被害者は誰か? 犯人は島内にいるのか? 事件の真相を追う男子高校生たちの探偵行を描いた、「首が取れても死なない僕らの首無殺人事件」

どの作品も、奇抜な発想と巧みな構成で描かれたミステリが楽しめます。また、書き下ろしのあとがきでは、「十五秒」の創作秘話を語っています。
解説は千街晶之さん。単行本版刊行時に多くの書評でご紹介いただいた千街さんに、各短編の魅力について、アマチュア時代の作品にまで言及し、解説いただきました。

インパクト抜群の四つの事件の真相を、あなたは見破れるでしょうか?
Q-TAさんによる、ビビッドでお洒落な装画が目印です!
一度読んだら忘れられない上に、誰かに内容を語りたくなる本書を、どうぞお見逃しなく!