亡くなったお祖母ちゃんの遺品だったドイツ語の子供の本。神戸に住むお菓子づくりが得意な高校生かりんが、従兄の大学生慧(けい)に読んでもらったところ、そこに書かれていたのは……。
舞台は19世紀末ドイツ。密かに詩人を目指す文学少女ロッテは、亡き父が育ったというドレスデン郊外にあるヘンシェル女学校に転校してきた。
赤ずきん伝説が残る森、学校で囁かれる幽霊狼の噂、校内に隠されているという予言の書と宝物の言い伝え。
読み進むうちにかりんたちは物語と現実を結ぶ奇妙な糸に気づく。

第2回創元ファンタジイ新人賞優秀賞を受賞した『ぬばたまおろち、しらたまおろち』の著者がグリム童話を題材に描いた、神戸とドイツの不思議な絆の物語!

 どんな物語なのか、読んでみようかどうしようかと迷っている皆様、先読みしていただいたNetGalley会員の皆様のレビューをご紹介します。
 是非参考にしていただければと思います。

ネタバレ厳禁なので詳しくは書けませんが…誰かに話したいし誰かと語りたくなる、深くおもしろい作品でした!
ひとつずつ謎が解けていき、点と点が繋がって…そこに繋がっていたのか!と、最後までワクワクした気持ちが止まりませんでした。
作品の世界に入り込んでしまって、現実と物語の境目がわからなくなるような不思議な感覚を味わっています。
寄宿学校の少女達の冒険も楽しく、賢くて勇敢でお茶目な彼女達が大好きになりました。もっともっと彼女達の活躍が見たいです!!
素敵な作品をありがとうございました!
(書店関係者) 
 
19世紀末のドイツの寄宿制の女学校と、現代の日本が交互に登場します。現代日本パートは、19世紀の女学校であった出来事を翻訳する、という形での登場です。
大学での専攻がドイツ文学だったので、それも影響してこの作品を選びました。
とても面白い作品でした。
女学校ものと、謎解きものと、その他グリム童話の断片とが散りばめられ、まぶされた、世界観に浸りきれる物語です。
400ページをこえる大作ですが、それが気にならないほど、先を読み進めるのが楽しみでした。
著者の作品を読むのは、実はこれが初めてでしたが、他の作品も読んでみたくなりました。
(図書館関係者) 

内容紹介に惹かれて読ませていただきました。
時間が経つのを忘れるほど惹き込まれました。
ミステリーを推理する楽しさ、ファンタジーやSFのドキドキワクワク感、少しの恋愛要素や、戦争が生む悲しみ…などなど、たくさんのものが織り込まれていて、最後まで高揚感が止まらず、読み終えての感想は、「なんだか贅沢な時間だった…」というものでした。もしかして現実にあった事なのではと錯覚を覚えるほど。とにかく面白かったです。
学校図書館でもオススメして、ぜひ生徒さんにもこの感覚を味わってもらいたいです。
そしてドイツの文学、歴史、お菓子などの文化への興味にも繋がったらいいなと思いました。
著者の他の作品にも興味が湧いたので、そちらもぜひ読んでみたいと思います。
(図書館関係者) 

可愛い表紙にぴったりの、正統派の少女小説…だけど大人が読んでも十分満足できる小説です。謎あり友情ありサスペンスありで、しかもあっと驚く真実あり、読後感も優しく満足感たっぷりです。
子供の頃の、この世界に入り込みたいような気持ちを久しぶりに感じました。
(図書館関係者) 

ファンタジー、ドイツや日本の歴史・民話、お菓子の作り方etc……盛りだくさんで飽きのこない面白い話でした。ハラハラする瞬間や、胸が締め付けられるような悲しい描写もありましたが、希望が感じられる終わりかたで良い読後感が得られました。
(書店関係者)