桜が咲き、新学期や新年度を迎え、春の訪れを実感するようになった今日この頃。温かな春の日の読書のお伴にオススメしたい、『紙魚の手帖(しみのてちょう) vol.04 APRIL 2022』について紹介いたします!

まず、特集は「小説と映画でより深く楽しむ『流浪の月』の世界」。5月13日(金)より全国ロードショーされる、映画「流浪の月」公開記念の特集をお贈りします。

実際に映画をご覧になった凪良ゆうさん、主演を務めた家内更紗役の広瀬すずさん、佐伯文役の松坂桃李さんによる特別鼎談や、李相日監督が手掛けた映画「流浪の月」のシナリオ版抄録、単行本発売時に書店応援ペーパーとして書き下ろされた掌編を加筆修正した「未来の月へ」、4名の書店員による「エッセイ 『流浪の月』文庫化に寄せて」を掲載。
小説、映画、それぞれの媒体で描かれる『流浪の月』の世界を、ディープに掘り下げております。既読の方も未読の方も楽しめる内容ですので、映画公開に向けて原作と合わせて、じっくりとお楽しみください。

新連載は、〈青空の卵〉シリーズや『切れない糸』『何が困るかって』の坂木司さんが贈る、長編『きみのかたち』。コロナ禍に見舞われる現代を生きる少年たちが、どんな探偵行を繰り広げるか、どうぞお楽しみに。

特別企画は、 「『図書館でミステリー ミステリー作家(ルビ:3 (参上))』開催報告」。大阪府寝屋川市誕生70周年と、同市の中央図書館開館記念で開催された、有栖川有栖さん、綾辻行人さん、今村昌弘さんによる講演会の模様をお届けします。三者三様のミステリ観や読書トークを、ぜひご堪能ください。

また、小説も充実しています。国内作品は、連載では澤村伊智さんの自主映画制作をめぐる青春ミステリ第2回を掲載。そのほか読切では、乾石智子さんによる〈オーリエラントの魔道師〉シリーズ最新作、大島清昭さんによる実話怪談作家・呻木叫子が活躍するホラーミステリ、北山猛邦さんによる前代未聞の〝消失〟事件を描く本格ミステリ、君嶋彼方さんによる家族をめぐる短編、櫻田智也さんによる〈エリ沢泉〉シリーズ最新作(「エリ」は「魚」偏に「入」)、藤井太洋さんによる最新SF短編、柳川一さんによる第18回ミステリーズ!新人賞受賞作「三人書房」の後日談が登場。

翻訳作品の読切は、ジョーン・エイキンによる愛らしい掌編、ロバート・ロプレスティによる『日曜の午後はミステリ作家とお茶を』の名探偵シャンクスの推理譚を掲載。このように様々なジャンルの傑作をお届けします!

バラエティに富んだ内容でお贈りする『紙魚の手帖vol.04』を、どうぞよろしくお願いいたします!