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みなさま ごきげんよう。

友の会(※宝塚歌劇の公式ファンクラブ)会員が4名(通称:ヅカ部※社長命名、以下部員)在籍している東京創元社でございます。
部員Sはヅカ日誌も書いておりますので、ぜひ読んでみてください!

今日はポール・ギャリコ/矢川澄子訳『ほんものの魔法使』(創元推理文庫)復刊までのアレコレについて書いていきたいと思います。

~1月のある日~

部員H「ご相談がありまして……今年『ほんものの魔法使』が宝塚歌劇で舞台化されるんです。この機会にうちから復刊するのはどうでしょうか?」
編集F「そうなんだ! 私は宝塚に詳しくないからよくわからないけれど、前から文庫のラインナップに入れたいと思っていた作品だったし、企画を出してみようかな」
部員T「宝塚歌劇のファンは舞台の原作を予習する方が多いんです!」
部員K「ファンタジイの読者さんに加えて、今なら歌劇ファンの方も買ってくださるかもしれません!」
編集F「(なんか圧が強いぞ……)了解!」

こうして『ほんものの魔法使』復刊企画が動き出しました。

~2月のある日~

編集F「企画通ったよ~!」
ヅカ部「やった~!!」

社内で企画が通ってようやく、本国(アメリカ)の著作権者と交渉し、出版権を獲得するための手続きに移ります。
ポール・ギャリコの名作として知られる『ほんものの魔法使』ですが、復刊はタイミングがとても重要! 舞台化は強力な後押しになりました。

~4月のある日~

無事に権利の取得と契約が終わり、復刊作業を黙々と進めている中でのこと。

営業部「注文状況が好調なので初版部数を増やします」
ヅカ部「すごい!!」

刊行告知の際には、予想を上回る大反響をありがとうございました!!
噂によると、宝塚歌劇を愛する書店員の皆様からも応援のお声をいただいたとか。

~さらに数日後~

営業部「初版分がなくなりそうです。発売日前ですが重版します」
ヅカ部「これが朝美絢か……!」
   (出典:「スカイ・ステージ・​カレッジ 雪組トークライブ」より)

こうして発売日を迎え、全国の書店様に『ほんものの魔法使』が旅立っていきました。
復刊を待たれていた読者の皆様、この機会にいまも色褪せぬファンタジイの名作、ポール・ギャリコ『ほんものの魔法使』をぜひお楽しみいただけますように!

これを書いている5月12日から、宝塚歌劇では公演が再開されます。
日々宝塚歌劇からときめきと潤いをいただいている部員一同、関係者の皆様のご健康を心よりお祈りしています。

次回は(次回があるのか)宝塚歌劇に関連がある小社刊行作品(『紅はこべ』『銀河英雄伝説』など)をご紹介します!


ほんものの魔法使 (創元推理文庫 F キ 3-2)
ポール・ギャリコ
東京創元社
2021-05-10