あけましておめでとうございます。

今年刊行予定のSF・ファンタジイ作品ラインナップの一部をご案内いたします。読書計画の参考としていただければ幸いです。
ここに紹介した以外にも新作や名作の復刊・新訳など、東京創元社は今年も良質の作品をご紹介してまいります。
本年もご愛読のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

(タイトルは一部を除き仮題です)


創元日本SF叢書・単行本の国内SF注目作

■石川宗生『石川宗生の旅日記』(四六判上製)
2017年初夏。掲載予定の短編の原稿を携え、作家・石川宗生は日本を発った。中国、パキスタン、キルギスタン、ウズベキスタン、アゼルバイジャン、ジョージア、アルメニア、トルコ、ブルガリア、ギリシャ、マケドニア、セルビアを約半年かけて周遊。時には旅先で出会った仲間と、時には意気投合した女性と、また時にはイマジナリーフレンドを道連れに、現実と虚構を自由自在に旅して回る。空前絶後のセミ・フィクション旅行記。

■宮澤伊織『神々の歩法』(創元日本SF叢書 四六判仮フランス装)
西暦2030年、砂に埋もれ廃墟と化した紫禁城へ、米軍の戦争サイボーグ部隊の精鋭12名が突入した。神のごとき超人、エフゲニー・ウルマノフを倒すために――第6回創元SF短編賞受賞作から始まる連作集、書き下ろしを加えてついに刊行。

■空木春宵『感応グラン゠ギニョル』(創元日本SF叢書 四六判仮フランス装)
「繭の見る夢」で第2回創元SF短編賞佳作を受賞、『Genesis 白昼夢通信』収録の「地獄を縫い取る」が 『ベストSF2020』(竹書房)に収録されて話題となった空木春宵、待望の初作品集。
収録作品:感応グラン゠ギニョル(〈ミステリーズ!〉vol.96)/地獄を縫い取る (『Genesis 白昼夢通信』)/メタモルフォシスの龍 (『Genesis されど星は流れる』)/徒花物語(〈Webミステリーズ!〉2020年12月掲載)他

■秋田禎信『ノーマンズ・ソサエティー』(創元日本SF叢書 四六判仮フランス装)
記憶をリセットする技術が発達し、不都合があればすぐに以前の人格と記憶を捨て、新たな人間に生まれ変わることが常識となった、近未来の社会。なぜか何回リセットしても、お互いに関する記憶を夢で思い出してしまう少年《スコップ》と彼が恋する少女《小声》は、廃棄処置される直前、街の外から来た男・レールローダーの手引きで脱出する。しかし、ふたりに追っ手がかかる。なぜ、廃棄される子供にすぎないのに命を狙われるのか?彼らが見る夢の意味とは?《魔術士オーフェン》の著者が描く、SF長編。

■アンソロジー『Genesis 4』(四六判並製)
2018年12月、新しい書き下ろしSFアンソロジーシリーズとして産声を上げた《Genesis》。2021年版でも若手からベテランまで多彩な執筆陣が競演する。第12回創元SF短編賞受賞作を掲載予定。


創元海外SF叢書・単行本・創元SF文庫の海外SF注目作

■ピーター・ワッツ『6600万年の革命』(創元SF文庫、1月上旬刊)
The Freeze-Frame Revolution (2018) by Peter Watts/嶋田洋一 訳
地球を出発してから6500万年。恒星船〈エリオフォラ〉はもはや故郷の存続も定かではないまま、銀河系にワームホールゲート網を構築する任務を続けていた。乗組員サンデイは任務に忠実だったが、ある事件をきっかけに極秘の叛乱計画に加わる。それは数千年に一度しか冷凍睡眠から目覚めない彼女たちと、船の全てを制御するAIの、百万年にも及ぶ攻防だった。星雲賞受賞『ブラインドサイト』の著者が放つ傑作ハード宇宙SF。解説=渡邊利道


■『フレドリック・ブラウンSF短編全集4 最初のタイムマシン』(四六判上製、2月中旬刊)
From These Ashes (2000) by Fredric Brown/安原和見 訳
奇抜な着想、軽妙な語り口で、短編を書かせては随一の名手。1963年には『未来世界から来た男』で創元SF文庫の記念すべき第1弾を飾ったフレドリック・ブラウン。その多岐にわたる活躍の中から、111編のSF短編すべてを完全新訳で年代順に収めた全4巻の決定版全集。完結編となる第4巻には「回答」「猫恐怖症」など、ショートショートの傑作を中心に68編を収録。解題=牧眞司 解説=渡邊利道

■ジャック・キャンベル、アレステア・レナルズ他『パワードスーツSF傑作選 この地獄の片隅に』(創元SF文庫、3月上旬刊)
Armored (2012) edited by John Joseph Adams/中原尚哉 訳
パワードスーツ、パワードアーマー、人型歩行メカ――《彷徨える艦隊》のジャック・キャンベル、《啓示空間》のアレステア・レナルズら豪華執筆陣が、古今のSFを華やかに彩ってきたコンセプトをテーマに描く、書き下ろし全12編の傑作SFアンソロジー。加藤直之入魂のカバーイラストと扉絵12点も必見! 解説=岡部いさく

■『エリザベス・ハンド傑作選 マーズ・ヒルでの最後の夏』(創元海外SF叢書、4月刊)
Last Summer at Mars Hill and Other Stories by Elizabeth Hand/市田泉 訳
余命わずかな元スミソニアン博物館学芸員のため、幻の飛行機械の動画を再現しようとする友人たちが遭遇した奇跡(マコーリーのベレロフォンの初飛行)、大女優の血筋を引く6人兄弟の末弟と6人姉妹の末妹が屋敷の屋根裏で出会う不思議(イリリア)……ネビュラ賞や世界幻想文学大賞を受賞した作品ばかり4編を収めた、不世出の天才作家による抒情SF選集。収録作=「マーズ・ヒルでの最後の夏」「イリリア」「エコー」「マコーリーのベレロフォンの初飛行」

■N・K・ジェミシン『オベリスクの門』(創元SF文庫)
The Obelisk Gate (2016) by N. K. Jemisin/小野田和子 訳
【三年連続ヒューゴー賞受賞作、待望の第二部】「第五の季節」と呼ばれる破局的災害が数世紀ごとに訪れ、文明が滅ぶ歴史を繰り返してきた世界。この世界には、地球と通じる能力を持つゆえに差別される「ロガ」と呼ばれる人々がいた。
ロガのひとりであるエッスンと、その生き別れた娘ナッスンは、過去の超技術「オベリスク」を巡る戦いにその身を投じる。2017年ヒューゴー賞受賞作。



■ユーン・ハ・リー『レイヴンの奸計』(創元SF文庫)
Raven Stratagem (2017) by Yoon Ha Lee/赤尾秀子 訳
【ローカス賞受賞シリーズ、待望の第二部】隣国ハフンの本格的侵攻がついに始まった。ジェダオは、六連合の艦隊の一つを乗っ取り、ハフンと戦いはじめる。一方、六連合政府中枢では、ジェダオと極秘に手を結んでいた長官のひとりクジェンが謎の失踪を遂げる。
数学を用いて物理法則を超越する科学体系が普及し、異質な社会体制が確立した遠未来の星間国家を舞台に、敵味方入り乱れた虚々実々の駆け引きを描く宇宙SFシリーズの第2部。ヒューゴー賞候補作。


■J・P・ホーガン『異星の空の声』(創元SF文庫)
Echoes of an Alien Sky (2007) by J. P. Hogan/内田昌之 訳
失われた地球文明を調査している金星文明は、月の裏側で発見された謎の建造物を調べるため、科学調査団を地球に派遣した。はたしてこの建造物は何のために作られたのか? 金星に生命が発生するはるか以前に滅びた地球文明の謎とは? 『星を継ぐもの』の巨匠が2007年に著した傑作、待望の邦訳!


■キジ・ジョンスン『未知なる自由を夢に求めて』(創元SF文庫)
The Dream-Quest of Vellite Boe (2016) by Kij Johnson/三角和代 訳
猫の町ウルタールの女子カレッジ学生クラリーが、「覚醒する世界」からやってきた「夢見る人」と駆け落ちした。教授のヴェリットは彼女を追い、「覚醒する世界」につながる焔の神殿を目指して旅に出る。
『霧に橋を架ける』のキジ・ジョンスンが、H・P・ラヴクラフトの世界をベースに描く、まったく新しい現代ファンタジイ。ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞候補作。



■マーサ・ウェルズ『マーダーボット・ダイアリー ネットワーク・エフェクト』(創元SF文庫)
Network Effect (2019) by Martha Wells/中原尚哉 訳
〈弊機〉ことマーダーボットは、調査遠征でメンサー博士の娘を警護中、突如として正体不明の宇宙船から攻撃を受ける……大人気『マーダーボット・ダイアリー』につづく、第二弾にしてシリーズ初の長編。好評のあのキャラクターも再登場!


単行本・創元推理文庫(F)のファンタジイ注目作

■廣嶋玲子『銀獣の集い』(四六判仮フランス装)
卵から生まれる美しくて忠実で不思議な生き物、銀獣をめぐる人々の物語「銀獣の集い」。罪をおかして無人島の灯台守にされた青年と、島に流れ着いた少女の心の交流を描く「咎人の灯台」。茨に囲まれた館にやさしい母と二人っきりで住む少女キア、たくさん甘やかされて幸せいっぱいだった暮らしを送っていたが、ある日子どもが描いたらしい一枚の絵を見つけたことで母親に秘密をもってしまう……「茨館の子供たち」。《銭天堂》《妖怪の子預かります》で大人気の著者による、美しくてダークな3編の物語を収録した短編集。

■乾石智子『久遠の島』(四六判仮フランス装)
大フォト連合王国の一角をなすエルズ王国には、かつて四百人の魔道師がその力を結集し作り上げたという魔法の島があった。〈久遠の島〉と呼ばれるそこでは、世界中のあらゆく書物を見ることができる。あるとき、ひとりの王子が島を訪れた。連合王国をなす小王国の、しかも継承権は低かったが、魅力的で、島を守るジャファ氏族の少年とも仲良くなった。だが、それが悲劇の始まりだった。《オーリエラントの魔道師》シリーズ最新作。

■菅野雪虫『海に咲く花』(四六判仮フランス装)
ある王国の田舎町に、高潔な学者が住んでいた。学者には母親のちがう息子が二人おり、兄は賢く弟は美しくて評判だった。あるとき、王国の第二王子が学者の評判を聞きつけ、自分の家庭教師にと招いた。王子は聡明で学者も喜んで教えたのだが、王子に父王に対する反乱を企んでいるとの疑いがかけられ、学者も捕らえられてしまう。幼い兄弟の運命はその日を境に一変する。《天山の巫女ソニン》シリーズで人気の著者の書き下ろし長編。

■白鷺あおい『セーラー衿と瑠璃紺の風〈大正浪漫 横濱魔女学校3〉』(創元推理文庫)
わたしは花見堂小春、日本で唯一の(多分)魔女養成学校である横濱女子仏語塾の三年生。聴講生の男子・千秋くんが、エル・ドラドオのものだという黄金の留め針を持ってきた。由来を探ろうと水晶玉をのぞいたら、そこに見えたのは密林にそびえるピラミッドと真っ黒な百合、黄金の青年像だった。さらにもう一度水晶玉をのぞいたとき、事態は大きく動きだした……。大正時代の横濱(と黄金郷)を舞台に魔女の卵たちが大活躍の三部作完結。

■佐藤さくら『見守るもの〈千蔵呪物目録3〉』(創元推理文庫)
珍しく体調を崩した朱鷺は、ひとり倒れているところを時藤蓮香という女性に助けられる。目を覚ました朱鷺は、蓮香が何かに呪われていることに気づく。時藤家には一族を守る石が伝わっており、石に選ばれた蓮香は、常に石の視線を感じ続けるせいで、人付き合いもできず、引きこもって暮らしていたのだ。一方、朱鷺の元を去った冬二は、獣医に保護されていた。呪物を求めて旅をする朱鷺と、獣の姿をした兄冬二の運命を描く、三部作完結。

■乾石智子『赤銅の魔女』『白銀の巫女』『青炎の剣士』《紐結びの魔道師》三部作 文庫化(創元推理文庫)
紐を結んで幸運を招いたかと思えば、人を惑わせもする。魔道帝国イスリルの魔道士軍団に襲われ、館を捨てて逃げた紐結びの魔道師リクエンシスと相棒のリコ、友人の剣士マーセンサスは、1500年前に滅んだオルン魔国をめぐる呪いを解こうとする赤銅色の神を持つ星読みの少女に出会う。招福の魔道師エンスと仲間たちの冒険を描く、《オーリエラントの魔道師》シリーズ初の三部作文庫化。


■『エドワード・ケアリー短編集』古屋美登里 訳(四六判上製)
本国で発表され、単行本未収録の8編+『望楼館追想』のスピンオフ短編「私の仕事の邪魔をする隣人たちに関する報告書」に著者書き下ろしの短編5編を加えた、日本オリジナル編集の短編集。著者による書き下ろしイラストも多数収録。世界で読めるのは日本だけ、《アイアマンガー》三部作、『おちび』の著者らしさがぎゅっと詰まった、ファン垂涎の作品集。

■ジョン・コナリー『キャクストン私設図書館』(四六判並製)
Night Music - Nocturnes Volume 2 (2015) by John Connolly より抜粋/田内志文 訳
読書好きのバージャー氏が発見した〈キャクストン私設図書館&書物保管庫〉。そこは初版本や手稿本が集められた図書館であり、アンナ・カレーニナ、ホームズ、ハムレットなど、有名になりすぎたために実体化した登場人物たちのすみかでもあった……。MWA賞最優秀短編賞受賞の表題作ほか、『失われたものたちの本』のスピンオフ短編、『裂かれた地図書』という奇書をめぐる物語などを収録した、「本」にまつわる奇妙な短編集!


■ロイス・マクマスター・ビジョルド『魔術師ペンリック2』(創元推理文庫)
Penric's Mission (2017) by Lois McMaster Bujold/鍛治靖子 訳
自らに乗り移った庶子神の魔デズデモーナの存在にもなじみ、神殿魔術師となっていたペンリックだったが、ある使命を帯びてセドニア国に密かに潜入する。何者かの罠にはまり、いったんは捕らえられるも、魔の力を借りて脱出、そもそも接触するはずだったセドニアのアリセイディア将軍を探すのだが……。異国セドニアでのペンリックの受難と活躍を描く中編3編を収録。ヒューゴー賞シリーズ部門を受賞した好評《五神教》シリーズ最新作。


■ヤンシィー・チュウ『夜の虎』(創元推理文庫)
The Night Tiger (2020) by Yangsze Choo/圷香織 訳
ダンスホールで働くジーリンは、ダンス中に客の男のポケットに入っていたあるものを、偶然抜き取ってしまう。ガラス容器に入れられた、干からびた人間の指。なんとか返そうとジーリンは男の行方を捜すが、男は死亡していた。どうやらその指はパトゥ・ガジャ病院の看護婦から手に入れたお守りらしい。ジーリンは血のつながらないきょうだいのシンの手引きで病院に潜り込むのだが……。英国植民地のマラヤを舞台にした、東洋幻想譚。


■キャサリン・アーデン『クマとサヨナキドリ』(創元推理文庫)
The Bear and The Nightingale (2017) by Katherine Arden/金原瑞人・野沢佳織 訳
冬に閉ざされた国、モスクワ大公国、その北部の村に、領主ピョートルの一家が大きな農場を営んで暮らしていた。次女ワーシャは家でおとなしくしているよりも、森を駆けまわるほうが好きという、活発な女の子だった。ある日ワーシャは森で迷い、無気味な二人の男に出会う。その場は怖くなって逃げたワーシャだったが、この出会いが彼女の運命を、さらには大公国の運命を大きく変えることになるのだった。《冬の王》三部作第一弾。



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【お年玉プレゼント!】

東京創元社からのお年玉として、公式キャラクター「くらり」のオリジナルグッズをご用意しました。以下のものをまとめたセットを、抽選で5名様にプレゼントします!

・くらり特製シール(〈ミステリーズ!〉vol.100付録と同一のもの)
・くらり付箋
・くらりアクリルキーホルダー(全身バージョン)
・創元推理文庫創刊60周年フェア特製しおりコンプリートセット(全5種類)


newyear2021


※セットに「くらり」ぬいぐるみと牛のお面は含まれません


応募方法は東京創元社の公式Twitterアカウント(@tokyosogensha)をフォローし、下記のツイート(以下をクリック)をリツイートするだけ!



※応募締切は1月7日(木)昼12時です!
※該当ツイートをリツイートしてくださった方の中から、「5名様」を抽選で選ばせていただきます。
※ご当選者のみに、1月13日(水)昼12時までにTwitterのダイレクトメッセージ機能を使ってご連絡差し上げます。賞品をお送りするため、ご住所とご本名をお伺いいたします。ご了承のほど、お願い申し上げます。

(2021年1月1日)