海外の怪奇小説といえば、狼男やゾンビと並んで、やはり花形なのが吸血鬼。吸血鬼もののなかでも最も有名なのがブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』でしょう。

カルパチア山脈の奥、トランシルヴァニアにあるドラキュラ城に招かれた、イギリス人の弁理士ジョナサン・ハーカーが体験した戦慄の出来事が、手記、手紙、日記の形で語れてゆく。
何度も映像化もされ、後の吸血鬼像をかたちづくるもとになった作品です。翻訳は日本における怪奇小説の翻訳の礎を築いた、平井呈一、まさに名著・名訳。

吸血鬼ドラキュラ (創元推理文庫)
ブラム ストーカー
東京創元社
1971-04-18


吸血鬼はドラキュラだけではありません。女性の吸血鬼ものの代表といえば、『吸血鬼カーミラ』。アイルランドの作家、レ・ファニュによる怪奇小説の短編集です。平井呈一訳の名調子が光ります。

吸血鬼カーミラ (創元推理文庫 506-1)
レ・ファニュ
東京創元社
1970-04-15


もうひとつ、平井呈一訳の吸血鬼ものといえば、ジョン・ポリドリの「吸血鬼」。著者はバイロン卿の侍医で、バイロンの案をもとに書き上げたのだとか。こちらは短編集『幽霊島』に収録されています。
日本の怪奇小説もいいけれど、西洋の吸血鬼もので涼しさを味わうのも、いいものでは。

幽霊島 (平井呈一怪談翻訳集成) (創元推理文庫)
A・ブラックウッド他
東京創元社
2019-08-29