どうも、営業部のFです。毎日暑い日が続いて嫌になりますね。元々出不精気味な私は暑い+コロナの影響で例年以上に外出しない毎日を送っています。家か会社かスーパーか、選択肢はその3つだけですね。そんなわけで元々の性質であるにもかかわらず、世間的には模範的な人間になっている気がします。これが相対評価ってやつなのですね。

さて、そんな家から出ない生活を送っていると、はかどります! 読書!
8月新刊辻堂ゆめ『悪女の品格』や9月に発売するホロヴィッツの最新刊『その裁きは死』など自分が拡材製作を担当している作品を始め、自社の刊行物をちょくちょく読んでいるのですが、ここ数ヶ月は特に読む量が増えた気がします。自社の本に詳しくなるのは良いことですよね、なんとなく仕事に繋げられそうな気がしています。そんななか、職業病でしょうか。自社の本を読んでいると、ある数字が頭に浮かんできます。例えば『流浪の月』なら「02802」、『カササギ殺人事件』の上巻なら「26507」、『アリス殺し』なら「42014」、『星を継ぐもの』なら「66301」といったような。なんのことかわかりますか? これは書名コードというもので普段の業務で東京創元社の社員が使用する書籍の番号のことです。メーカーでいうところの型番とか製品番号みたいなものでしょうか。当然書籍にもあります。入力作業のとき、その都度書名をいれるのは手間ですからね。『シャーロック・ホームズの冒険』とか『回想のシャーロック・ホームズ』とか打ち込むのも大変でしょう。

実はこの書名コードは読書好きなみなさんも何気なく見ているところにございます。そう、書籍の裏表紙にある、ISBNの中にあるのです。ここですよ、ここ。

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そもそもISBNというのは、出版社の刊行物につける国際的な共通記号です。全部で13桁あって(以前は10桁でした)、ちゃんと意味があります。最初の「978」はすべての出版物に共通して付けられています。国によっては「979」のところもあるそうですが、日本では「978」のみですね。その次の「4」は日本語の本だよ、という意味です。つまり日頃書店さんで買っている書籍は洋書とかでない限り、「978-4-」から始まっています。その次は出版社記号です。「00」の2桁から始まって現在だと7桁まであるそうです。東京創元社の出版社番号は「488」です。そのため、東京創元社の作品はすべて「978-4-488-」までは共通しているということですね。画像のように単行本も文庫も全部「978-4-488-」で始まっていますね。

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そして最初の話に戻ります。出版社記号の次に記載されているのが書名記号です。これまでのところ13桁の数字のうち7つ分は使いました。最後の1桁は検査コードですので、5つ分の数字が残ります。この5つの数字で東京創元社の商品はすべて管理されているのですね。
先ほどの「02802」とか「26507」とかはここの番号のことを申しておりました。東京創元社で刊行している作品はすべてこの5桁のコードがあるのです。ちょっとお手元にある東京創元社の刊行物をチェックしてみてください。あるでしょ?

ちなみに5桁の数字を見れば、書名がわからなくても、その本のジャンルがわかります。海外ミステリなのか国内ミステリなのかSFなのか。法則があるのです。最初の数字でその作品のジャンルを分類しています。ちなみにちなみに例外もあります。現在流通している商品の中でジャンル分けの法則から外れているものが4点あります(営業部F調べ)。創元推理文庫から2つ。創元SF文庫から2つです。ぜひ探してみてください。答えは3ヶ月後くらいの営業部日誌にちょろっと載せときましょう。

ISBNは出版業界の人たちが商品を管理するために使っているコードではありますが、お探しの本を検索するときにも使えます。書店さんでISBNをお伝えいただければスムーズに探してもらえますよー。ぜひご活用を! それではまた次回!


悪女の品格 (創元推理文庫)
辻堂 ゆめ
東京創元社
2020-08-24


その裁きは死 (創元推理文庫)
アンソニー・ホロヴィッツ
東京創元社
2020-09-10


流浪の月
凪良 ゆう
東京創元社
2019-08-29


カササギ殺人事件 上 (創元推理文庫)
アンソニー・ホロヴィッツ
東京創元社
2018-09-28




星を継ぐもの (創元SF文庫)
ジェイムズ・P・ホーガン
東京創元社
2014-12-12