ひょんなことから妖怪の子預かり屋を命じられた健気な少年弥助と育ての親で怪しい過去をもつ青年千弥、そして弥助のもとを訪れる妖怪たちが織りなす、可愛くて、愉快で、ちょっぴり怖い、ハートウォーミングなお江戸妖怪ファンタジイも6月刊行の第10巻で第1シーズンが終了。いったいどんな大団円をむかえるのか? そして未読の方はぜひ1巻からお読みください!



 近頃千弥の様子がおかしい。もともと弥助に対しては過保護だったが、さすがに最近は度が過ぎる。それだけではないのだ、ぼうっとすることも多く、物忘れも激しい。弥助は心配するが、千弥は何でもないの一点張り。互いを思いやる心がすれ違い、弥助は千弥と初めて激しい喧嘩をしてしまう。実は、千弥は月夜公に執着する女妖、紅珠の魔手から弥助を救うために、妖怪の誓いを破って力の源である目玉を取り戻したのだった。ほんの一時ですぐに返したのだが、それでも誓いを破ったことに変わりはない。千弥は誓い破りの報いを受けねばならないのだ。妖怪奉行である月夜公にもどうしようもないことだった。そしてついに……。
 可愛くて、愉快で、ちょっぴり怖い、ハートウォーミングなお江戸妖怪ファンタジイ。大人気シリーズ第1期ついにクライマックス。

 将来医者になりたいと言う娘のみおに、頼もしさを覚える妖怪医者の宗鉄が、“親馬鹿医者”の二つ名を進呈されることになったいきさつとは。「宗鉄の二つ名」
 妖狐に命を狙われ危ういところを助かったものの、なかなか体力が戻らない弥助を心配した兎の妖怪・玉雪は、弥助に食べさせる雪を探すうちに、鈴白山に棲む冬の妖・細雪丸に出会う。そこで玉雪が 聞いた子守歌は……。「玉雪の子守歌」
 鈴白山をさまよう幼い姉妹の亡霊は子供を守る妖怪うぶめに出会う。「うぶめの夜」
 “へちま”とあだ名される貸し道具屋の若旦那と、子どもの誕生を目前にした久蔵が遭った災難とは。「へちまの災難」
 久蔵の嫁になった初音姫の出産を前に、心づくしの祝いの品を贈ろうと奔走する妖たち。津弓の、右京と左京の、王蜜の君の、そして弥助が考えに考えた末に選んだ贈り物とは?「祝いの品」
 全6編を収録。大人気妖怪シリーズ第9巻。


 主人公なのに、ここのところ弥助の出番が少ないとお思いの皆様、大変お待たせいたしました。ようやく弥助が、そして千弥が物語の中心に戻ってきました。
 ただし、今回の弥助はのっけからとんでもないことになっています。
 どうとんでもないか、詳しいことは7巻と8巻をお読みくださいませ。とはいえタイトルでもおわかりのとおり、一言でいえば命を狙われているわけです。
 “弥助命”の千弥が、そんな状況で指をくわえて黙っているはずがない。弥助を長屋に閉じ込め、外との接触を一切断ってしまおうとします。
 自分が狙われていることは重々承知している弥助ですが、さすがにそれでは息が詰まってしまいます。月夜公が太鼓長屋に張った結界から出ないことを条件に、千弥は弥助の妖怪の子預かりを認めるのですが……。

 毎回物語を賑わすゲストキャラクターの妖怪たち。今回も茸の妖怪茸坊、あざみの妖怪化けあざみ、鏡妖怪の長・雲外鏡、犬の土鈴の付喪神・赤狛と多彩です。
 そして毎巻お楽しみの巻末短編では、仲人屋の十郎の過去が明らかになります。何故彼が人間を捨てて妖怪になったのか……。こちらも必読です!


 妖怪奉行所は、日夜妖怪たちが入れかわり立ちかわりやってきては、助けを求める場所。妖狐族の大妖、月夜公が奉行をつとめる東の地宮では、烏天狗一族が代々与力、同心から牢番までの一切を担っていた。なかでも飛黒はそんな烏天狗の筆頭であり、月夜公の右腕だ。
 ある日飛黒が双子の息子右京と左京を連れてきた。華蛇族の初音姫の乳母である女房の萩乃は、初めての子を身ごもった初音姫の世話におおわらわで、家に帰ってくることも稀、双子は淋しい思いをしていたのだ。それに加えて双子も将来は奉行所でお役目につく身、今のうちに奉行所の中を見学させておこうというわけだ。
 今日も今日とて夫婦喧嘩の仲裁、淵の主の脱皮の手助けと、てんてこ舞いの烏天狗達。だが、その陰で右京と左京だけでなく、月夜公の最愛の甥、津弓、さらには妖怪の子預かり屋の弥助をも巻き込むとんでもない事件が静かに進行していた。
 コミックも大人気、シリーズ第7弾。

 コミック版『妖怪の子、預かります』をご覧になりたい方は、マッグガーデンのマグコミへ。毎月25日更新! 森野きこり先生の描く、原作の雰囲気そのままの弥助や千弥、妖怪達に会えます。



「我ら猫のあやかしの、人のそばにいたがるものが多いことよ。わらわはこれまで人を恋しいなどと思うたことはないが……。人とはそれほどに良いものなのであろうか」
 猫の眷属を統べる大妖、王蜜の君は気まぐれで名高い。“ならば試してみようではないか”とばかりにやってきたのは、なんと妖怪の子預かり屋を営む、太鼓長屋の弥助のところだった。
 気まぐれな猫族の姫の居候に、弥助べったりの千弥がいい顔をするはずはなく、力の弱い小妖の玉雪に至っては、王蜜の君の存在が怖くて弥助の家に近づけなくなる始末。
 そんななか、弥助の周辺で猫絡みの事件が頻発する。おまけに仔猫を狙う不気味な女が出現するに至って、猫の守り手たる王蜜の君も放っておけず、密かに事件の裏を探り始める。

 今回は(化け)猫だらけ! 大人気お江戸妖怪ファンタジイ第六弾。



「俺の許嫁がさらわれた! 取り返すから、手を貸してくれ」長屋に飛び込んできた久蔵の絶叫に、弥助は仰天した。
 久蔵は弥助たちが住む長屋の大家の息子で、親の手伝いをすることもなく遊び回り、あちこちの女と恋を楽しむ筋金入りの遊び人だったが、最近は許嫁ができたといって、すっかり大人しくなっていたのだ。
 だが、そもそも人さらいなら、八丁堀なり、十手持ちの親分にでも訴えるのが筋ではないか。ところが、久蔵の許嫁初音は妖怪、しかもいいところのおじょうさんだというのだ。
 え? 許嫁が妖怪? 驚きのあまり言葉を失う弥助だったが、これまでになく真剣な面持ちで頼み込む久蔵に、千弥は厄介事が大好物の大妖、妖猫族の姫、王蜜の君を紹介する。
 王蜜の君の手引きで初音がさらわれた先、華蛇族の屋敷に忍び込んだ久蔵だったが……。

 弥助の天敵、遊び人久蔵に降りかかる災難を描く、人気シリーズ第5弾!

 初音に仕える蛙の従者青兵衛、寝言猫のおこね、月夜公に仕える烏天狗の飛黒の三人の妖怪が宴会をひらき、主の愚痴をこぼし合う愉快な短編「従者達、宴を開く」も収録。



 江戸の貧乏長屋、太鼓長屋に養い親の千弥と住む弥助は、小柄で色黒で、子狸を思わせる愛嬌のある、どこにでもいそうな少年。だが、侮るなかれ、弥助は実は妖怪の子を預かる妖怪の子預かり屋という裏の顔(?)を持っているのだ。
 今日も弥助のもとに子供を連れた妖怪が……。

 小さな白い石を四朗と名付け、いつか命が宿って子鼠になる日が来ると信じる三匹の鼠たち、取り憑いた相手に寝言を言わせる寝言猫、銀や鋼の錆を舐めとるさびなめ……。
 なかでも今回弥助が苦労したのが、化けいたちの宗鉄のひとり娘みおだった。

 宗鉄は八歳になる娘を預けたいと連れてきた。山奥で、他人と接することなく暮らしていたのだが、母親が亡くなり男手ひとつではどうにもならなくなったのだ。母親が亡くなる少し前から、父に対してすっかり心を閉ざしてしまっていた。白い仮面をつけ、ひたすら周囲を拒絶するみお。

 だが、弥助のもとに預けられる子妖怪達と接するうちに、みおに変化が……。
 大人気のお江戸妖怪ファンタジー第四弾。



 大変お待たせいたしました、〈妖怪の子預かります〉第3巻では、読者の皆様が一番知りたかった、弥助の大甘の保護者にして盲目の美青年千弥と、狐の妖怪で妖怪奉行所の奉行の因縁がついに明らかになります! 犬猿の仲といった感じのふたりの過去にいったい何があったのか、びっくりすること請けあいです!
 ほかにも、可愛いとファンの多い子妖怪津弓と梅吉が大活躍するエピソードや、妖怪の花見に迷い込んだ久蔵の話、兎の妖怪玉雪の過去など、絶対楽しめる春夏秋冬のエピソード、そして1巻で募集し、2巻で結果を発表した〈妖怪オリジナルキャラクター〉で選出された妖怪が登場する短編「忘れじの花菓子」を収録しています。

 恐ろしい妖怪にどきどきし、可愛い子妖怪たちに心癒され……。弥助と仲間たちが繰り広げる妖怪ワールドを心ゆくまでお楽しみ下さい!

 2017年には4巻、5巻も刊行が決定。こんどはどんな妖怪に会えるのか! 楽しみにおまちください。



 うぶめに気に入られ、正式に妖怪の子預かり屋の助手となった弥助。
 気味の悪い妖怪除けの札に悩まされるあかなめの親子や、母を捜す健気な子猫の妖怪りん、千弥を婿にと望む華蛇族のわがままな姫君初音など……。養い親の千弥の助けも借り、弥助は次々とやってくる妖怪たちの問題を解決していく。
 そんなとき、妖怪の子どもたちが行方不明になるという事件が発生。仲良しの梅の子妖怪梅吉に頼まれ、行方不明の友だちを探しに浅草にいった弥助だったが、子妖怪のはいっこうに見つからない。仕方なく土産に飴細工でもと思っていたところ、声をかけてきたのが自分と同じくらいの歳の娘おあきだった。香具師の娘だというおあきは、いい飴細工師を知っているからと言って、弥助を連れて行くが……。

 妖怪たちと少年の交流を描いた、ちょっと怖くて心温まる、大人気シリーズ第二弾。

 弥助は十二歳。養い親である按摩、千弥と共におんぼろ長屋暮らしをしている。貧乏ながらも平和な毎日を過ごしていたが、ある夜、いきなり恐ろしげな烏天狗にさらわれ、妖怪奉行所につれていかれる。悪夢を見た弥助が鬱憤晴らしに割ってしまった石が、子預かり妖怪うぶめの住まいだったというのだ。妖怪の御奉行である妖狐の月夜公に、「罰として、新たな住まいが見つかりうぶめが戻るまで、うぬが妖怪子預かり屋になれ」と命ぜられる弥助。
 それからというもの、梅の妖怪、どじょうの妖怪、酒好きの鬼、泣き虫の妖狐の若君……と、次々と子どもを預けにやってくる妖怪達に振り回される日々が始まる。
 だが、そんなある日……

 ちょっぴり怖くて、心温まるお江戸妖怪ファンタジー。