第五の季節

 前人未踏、3年連続三部作すべてでヒューゴー賞長編部門受賞、という偉業を成し遂げた、N・K・ジェミシン《破壊された地球》三部作。その開幕編となる『第五の季節』が、創元SF文庫よりいよいよ6月上旬に刊行されます!
 今年のSF/ファンタジー界いちばんの必読書である本書をより多くの方々にお届けすべく、刊行前にいち早く読みたい! という方々に向けて、ゲラ版先読みキャンペーンを行いました。今回は、いただいた感想の中から、ごく一部をご紹介。皆様、熱い感想をありがとうございます! 

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 あまりのスケールの大きさに頭がクラクラしました。
圧倒的な天変地異の力になんども文明が滅び、また栄えては滅ぼされる…。
破滅の中に、少しの救いがみえるかと思えばその喜びも力の前では奪われてしまう。
それでも己の命を生きている登場人物の今後がとても気になる展開でした。
天変地異の力を持つ者たちさえも地球の力に喰われてしまう。エッスン達の未来は、謎の存在石喰いの正体は…、気づいたら引き込まれてしまっていました。
大きな力の前で絶望するのか、それともその絶望の中から這い上がる力は湧くのか。
それぞれの登場人物の思いが入り混じっていてとても読み応えがありました。
(30代女性の方)

 読み終えてから「はじまる」物語なのだと思いました。最後の10数ページを読んで、ゲラをかかえてごろんごろんしてしまいました。
二度読み必須という言葉がありますが、四度、五度読みどころではないくらいに緻密に練られた設定。
まるで鉱物にあらわれるシラーのように、角度を変えると発見できるストーリーやヒストリーが盛り込まれていて本当に胸が熱くなりました。
(菜月さん)

読み始めてからはその分厚さにもかかわらず一度に読み切った。初めは、頻出する独自の罵倒語(錆び地球、地球火など)の意味がつかめず戸惑ったが、物語が進むにつれ、慣れと物語自体の面白さのためか気にならなくなった。これでまだ三部作の開幕編に過ぎないということに、読了後の今、わくわくしている。早く続刊を読みたい。まだ解明されていない謎、明らかに伏線である部分がどのように回収されていくのかが気になるからだ。まだ全貌が見えていない超大陸スティルネスの全てを早く知りたいと、はやる心が抑えられない。
(りらさん)

三つの視点によるポリフォニーのような進行、剛性の高い、地殻変動中心にしたシステムと、鏤められる鉱物、遺跡の強い印象と相まって、読み始めるとページをめくる手が止まらなくなる。
超古代文明の長い影、人間によって災厄がもたらされ、その影響が文明を蝕んでいく有様、殺し、殺さられることの悲嘆と憎悪はほとんど今の世界の虚像のようでもあり、意思が強く、思いがけない能力や技術を秘め、冷徹であると同時に、世界への深い不信や懐疑を抱き、それでも、未来を諦めない登場人物たちの魅力に心を奪われる、続編が待ち遠しい。
(carbonsumiさん)

圧倒的な力を持つ災厄と向き合わなければいけないのは、今のコロナ禍にも通じるかも。登場人物それぞれが魅力的で、特別な力を持っているだけではなく生きるために抗う姿にわくさくさせられた。
(20代男性の方)

読んでいる最中に周りのことや時間が気にならなくなるくらい
どっぷりはまれる作品にはなかなか出会えないので、
そのような作品に出会えて良かったです。
(30代女性の方)

「錆び地球!」という言葉が頭からはなれません。聞き慣れない単語ばかり出てきますが、気付いたら夢中になって読んでいました。物語は〈季節〉によって繰り返し文明を滅ぼされてきた世界で、地殻を操る特殊能力を持つ3人の「ロガ」にスポットライトを当てて進みます。娘を探して旅をする母親、力を使いこなす訓練を受ける子供、能力を使って仕事をする女性。圧倒的な力を持つ彼らですが、その人生は痛みや苦しみ、差別、監視と常に共にあります。3人の物語が繋がった時はハッとしました。これから一体どういう方向に進んでいくのか。早く続きが読みたいです!
(くるみパンさん)