2003年6月の創刊から、今号で17周年を迎えました。昨今のコロナウイルスの影響で手探りの状況は続きますが、これからも読者の皆様に小説というエンターテインメントを届けていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします!


まず、近藤史恵さんの〈ビストロ・パ・マル〉シリーズ最新作が登場! 「未来のプラトー・ド・フロマージュ」では、現実と同じ状況下で奮闘する〈ビストロ・パ・マル〉の面々が描かれています。そんなある日、ひとりの少年がおずおずと来店します。テイクアウトを希望する彼は、どうやら何か秘密を抱えているらしく……? 三舟シェフの軽やかな謎解きと、少年へ贈る温かな料理に込められた想いを、どうぞお見逃し無く。

大好評の「懸賞付き犯人当て小説企画」は、いよいよラストの第6弾。本誌初登場の異才・白井智之さんによる、「尻の青い死体【問題編】」をお届けします。ホラー映画の撮影中に起きた、殺人事件の真相は? ちりばめられた手掛かりを元に、ぜひ謎解きに挑戦してください。

また、第5弾・法月綸太郎さんによる「心理的瑕疵あり【解答編】」も掲載。事故物件で連続して起きた、住居者の自殺。現場では、何が起こっていたのか? 名探偵・法月綸太郎の鮮やかな名推理には、唸らされます!

特集は、映画『コリーニ事件』公開記念「今こそ読みたいドイツミステリ!」。6月12日に公開される映画『コリーニ事件』の情報から、酒寄進一さんとマライ・メントラインさんによる対談、作品リストや、強烈な読後感を残す本邦初訳短編、マルクス・ハイツ「ご立派な家」と盛りだくさん。映画と合わせて、どうぞお楽しみください。

その他にも、[祝! 2020年本屋大賞受賞記念]凪良ゆうさんの受賞コメントや、第11回創元SF短編賞選評も掲載しています。バラエティに富んだ本誌を、どうぞよろしくお願いいたします!