無理なく共働きで子育てできるとされる国での移住・子育て・日常生活を綴った、楽しく気軽に読めるエッセイ『スウェーデンの保育園に待機児童はいない――移住して分かった子育てに優しい社会の暮らし』が好評発売中です。

スウェーデンの保育園に待機児童はいない (移住して分かった子育てに優しい社会の暮らし)


今回はその『スウェーデンの保育園に待機児童はいない』から、久山さんが特に皆さんにお伝えしたい部分を抜粋して、5日連続で特別公開します。

第4回は、スウェーデンにはママ友が存在しないということについて。スウェーデンで暮らして何年たってもママ友ができないことに焦った久山さんでしたが、その理由とは?


【ママ友がいない!】

 月に1度は誰かの誕生日会に呼ばれる娘に比べ、わたしのほうはなかなかママ友ができなかった。週末に娘がお友達と遊ぶときに、そこのママにコーヒーをよばれることもあったが、それ以上の付き合いにはならない。ましてやママだけで遊びにいこうなんて話は出たこともない。やはりわたしのスウェーデン語が下手すぎるからだろうか。外国人だから敬遠されているという感じはしないが、単にわたしと話していても面白くないのだろう、そう思っていた。
 日本では社交的なほうで、友達も多かった。東京の保育園に入るとそこは未知の世界だったが、手際のよいママがママ友グループを結成してくれて、いつの間にかそこに所属させてもらっていた。それからは週末に親子で集まったり、定期的にママだけでおしゃれしておいしいものを食べにいったり、それが1歳児の子育てに明け暮れる日々の楽しみだった。今でも帰国するたびに、ママ友グループのみんなが集まってくれ、お互いに近況報告をしている。いちばん辛い時期をともに乗り切った戦友のような存在だ。
 スウェーデンの保育園に入園したときは、慣らし保育が親付き添いで、子供が遊んでいるあいだにそばにいるママやパパたちと話す機会があった。きっとこの1週間でママ友グループが確立されるはずだと考えたわたしは、これが残りの保育園人生を左右するとばかりに、仲良くなれそうなママたちに積極的に話しかけた。家が近ければプライベートで会う口実にもなるだろうと、「どのあたりに住んでるの?」なんて聞いたりもした。しかし連絡先を交換したり、保育園のあと子供を遊ばせようとか、週末集まろうという話には1度もならなかった。
 それから1年経ち、2年経ち……果ては娘が保育園を卒園するころになっても、結局ママ友グループには所属できなかった。これは落ち込む。自分はそれほど魅力のない人間なのか──。