どうも営業部のFです。この営業部日誌では毎月、出版社営業部員がどんなことをしているのかご紹介してまいりましたが、そろそろネタ切れな気がしてきました。いや、まだあるんですよ。ただ、画像とセットで公開することを考えると、比較的映えるものがなくなってきた気がするというだけです。日報などの報告書とか載せてもね。出版社営業に限ったものではないですし。
うーん、どうしようかなと思ったのですが、意外にも文庫のフェアについてはご紹介していなかったようです。昨年は創元推理文庫創刊60周年ということで、60周年フェアについてはご紹介していましたが、他にも毎年やっている定番のフェアがあるのです。
本日の営業部日誌では文庫フェアについて2つご紹介しますね。

まず、現在弊社が年間で必ず行っているフェアは1つだけです。毎年9月に行っている、創元ファン必見のフェア、そう「復刊フェア」です。長らく入手困難だった名作10点を一挙に復刊させるという人気フェアです。書店さんの一等地であるフェア台よりも弊社の棚前でこそ売れまくるという、なんとも創元らしい(?)フェアです。まあ、ジャンル小説を読まないお客様には知らない銘柄ばかりですからね。創元ファン特化型のフェアと言えるでしょう。
こちらは毎年ツイッターなどでも復刊希望銘柄を募集していますね。ご存じの方も多いでしょう。


今年の分はもう締め切ってしまいましたが、毎年行っているフェアですので、来年以降もぜひチェックしてみてくださいね。ちなみに復刊フェアは開催店舗も公開しています。公開はフェア開催の直前になりますが、お近くのお店で開催するか確認するのにご活用ください。



先ほど「復刊フェア」は毎年9月に行っていると申し上げましたが、複数の作品を扱う商材は、当然ながら事前に置く場所の確保が必要となります。つまりただフェアを組むわけでは足りなくて、書店さんの協力が不可欠なのです。
「復刊フェア」は例外ですが(笑)、基本的にはお店の一等地にオススメの書籍を置いてもらいたいものですよね。みなさんも書店さんに足を運ばれた際、フェア台が頻繁に変わる様をご覧になっていると思います。ある時は手帳が、またある時は年賀状関連グッズが、「〇〇文庫の100冊」みたいなフェアも夏ごろ並んでいますね。書店さんは年間スケジュールとして、この時期にはこのフェアを置くなど予定を立てています。弊社のように毎年大型のフェアを行っていない出版社ですと、すでに定番化している他社さんのフェアをどかして別の企画を組み込むのは容易ではありません。そこで弊社ではその状況を逆手にとって、急に棚が空いて次の企画まで埋めるものがないというときにいつでも出荷できますよというフェアを作りました。それがこちら。


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「読まずに死ねるか! フェア」

まあ、フェア名はどう受けってもらっても構いません。弊社がやっている特殊な大型フェアです。
この記事を書店員さんが読んでいることを祈りつつご紹介させていただきますと、
  • ご注文から3日後には搬入可能!
  • 点数は50点各5冊がデフォルトですが、点数・冊数ともに増減可能!
  • 全点にミニPOPがついてくる!
という他社さんとは一風変わった特色があります。特に3つ目。全点ミニPOP!

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贔屓目にみても、弊社のPOPって面白いと思うのです。馴染みのない海外の作家さんとか国内でも新人の作家さんのPOPが多いので、「ベストセラーシリーズ最新刊」ではなく、内容について書かれていて、読んでいて楽しくなります! あと、大量にPOPがついているだけで普段と全く違う見栄えになるのも楽しいポイントです。画像は未来屋書店岡山店さんが一昨年行った様子です。なんだか賑やかな雰囲気ではないでしょうか。ちょっとこのお店は他とは違うな、みたいな。

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先ほど申し上げた通り、いつでも出来るというのがこちらのフェアの魅力。開催時期をお店で決めてもらうため、毎年この時期にという決まった期間はございません。ゲリラ的に開催されています。もしかしたら創元ファンの中でもご存じの方はまだ少ないかもしれません。なので、個人的には、フェアを発見した方は、ツイッターで見つけたと画像をアップして報告をすると、何か良いことが起きるという噂を流布したいところです。そうなるといいな。

以上弊社が行っている文庫フェアのご紹介でした。
その他にも担当しているエリアのお店から5点~10点程度のオリジナルフェアを依頼されることが多々ございます。最近Fが企画したものだと「特殊な世界のミステリ」フェアというものがあります。小林泰三『アリス殺し』(「不思議の国」×ミステリ)とか米澤穂信『折れた竜骨』(剣と魔法×ミステリ)とか特殊設定のミステリでまとめたフェアをやりましたね。こういった組み合わせは考えると楽しいですよ。みなさんもオリジナルフェアを作ってみてはいかがでしょうか。「♯私が考えた最強のフェア」とかどうでしょう。そんなことを考えながら今日もFは励んでいます。

昨今の新型コロナウィルスの影響で外出する機会自体が減っているかもしれません。いつも以上にご自宅で過ごす時間の多くなった方々にとって、弊社の作品が気分転換の助けになれば嬉しいなと思います。それではまた次回!


アリス殺し (創元推理文庫)
小林 泰三
東京創元社
2019-04-24


折れた竜骨 上 (創元推理文庫)
米澤 穂信
東京創元社
2013-07-12


折れた竜骨 下 (創元推理文庫)
米澤 穂信
東京創元社
2013-07-12