こんにちは、編集部SF班の(兄)です。毎年恒例の新刊ラインナップ説明会もぶじ終了し、予告した新刊をばりばりつくるぞー、という毎日です。
今回は、ラインナップ説明会でもお話しした3月上旬刊行の新作をご紹介します!




ユーン・ハ・リー『ナインフォックスの覚醒』あらすじ】
数学と暦に基づいて通常の物理法則を超越する科学体系〈暦法〉を駆使し、広大な宙域を支配する星間専制国家〈六連合〉。この国の若き女性軍人にして数学の天才ケル・チェリスは、鉄壁の〈不変氷〉シールドに守られた巨大宇宙都市要塞・尖針砦で起こった反乱の鎮圧を命じられる。ただしそれは、シュオス・ジェダオ――史上最高の戦略家にして、敵味方もろともに百万人以上を虐殺した最悪の反逆人――の精神をその身に宿す、という条件つきだった。
ローカス賞第一長編部門受賞、ヒューゴー賞・ネビュラ賞候補の、新鋭が放つ魔術的本格宇宙SF!



ユーン・ハ・リー『ナインフォックスの覚醒』は、アン・レッキー『叛逆航路』の系譜にも連なる本格宇宙SF。第一の魅力はユニークな主人公ふたりです。ある種のバディものといってもいいかもしれませんが、なにせひとくせもふたくせもある人物たちなので、油断のならないスリリングな関係性が物語のなかで展開されてゆきます。
さらに、東アジア風の文化が繁栄しているというユニークな世界設定も魅力のひとつ。アリエット・ド・ボダール『茶匠と探偵』(竹書房)などもそうですが、エキゾチシズムやオリエンタリズムにとどまらない、21世紀のSFならではの陰影豊かな異世界描写を楽しんでいただければと思います。
装画は加藤直之さん、装幀はワンダーワークス岩郷重力さん、解説は渡邊利道さんです。

なお、本作は三部作の第一部ですが、第二部『レイヴンの奸計』、第三部『レヴナントの銃』も来年中に刊行予定。お楽しみに!