2020年初の『ミステリーズ!』をお届けいたします。今年もどうぞよろしくお願いいたします!


 装画は去年に続いて、千海博美さんが描いています。セカンドシーズンのコンセプトは、「古き良き海外ミステリの名作から、イメージを膨らませる」。表紙に描かれているのは、2月のイベント・バレンタインならではのチョコレート。そう、「チョコレート+クラシックミステリ」といえば……? どのような物語が秘められているか、あれこれ想像してみるのも楽しいひとときですね。

 連載では、大崎梢さんの人気シリーズ〈本バスめぐりん。〉の新章がスタートしました! テルさんとウメちゃんの名コンビが、都会を走る移動図書館に乗って訪れた先で、本にまつわる謎を解決します。すべての本好きに贈る、温かなビブリオミステリをどうぞお楽しみください。
 
 また、好評企画「懸賞付き犯人当て小説」が帰ってきました! 第4弾は麻耶雄嵩さん。本誌での作品発表は、『ミステリーズ!vol.04』(2004年春号)の「ヘリオスの神像【問題編】」以来ですので、実に16年ぶり(!)となります。今号の「紅葉の錦【問題編】」では、温泉地で起きた不可解な事件が描かれています。真相解明に、ぜひ挑戦してみては?



 読切りは、豪華五本立て。奥田亜希子さん「白井真澄はしょうがない」、草上仁さん「富士山が見えた」、南雲マサキさん「機械はなぜ祈るか」、西澤保彦さん「ひとり相撲」、笛吹太郎さん「コージーボーイズ、あるいは消えた居酒屋の謎」と、どれもバラエティに富んでいます。

 そして連載最終回を迎えるのが、小林泰三さん『ティンカー・ベル殺し』。ネヴァーランドと現実世界で、凄惨な事件を起こした犯人は? 衝撃の結末を、どうか見届けてください。なお、〈メルヘン殺し〉シリーズ第2弾、『クララ殺し』が今月に文庫化されますので、合わせてお楽しみいただけますと幸いです。


 加えて、今年は東京オリンピック開催の年でもあります。そんな東京を舞台にした『東京ホロウアウト』が3月に刊行されるのを記念した、福田和代さんのスペシャルインタビューも掲載しています。物語に込めた熱い想いが伝わりましたら幸いです。

 充実した内容で贈る本誌を、どうぞよろしくお願いいたします!