【日本の皆さまへ】

 日本の読者の皆さんが、ケイティ・チャンドラーと彼女の冒険をとても愛してくださっていることを、大変うれしく思います。4作目以降、出版の機会がなかなか得られずにいたなか、日本のファンの皆さんのために特別にこの最新作をお届けできることになったのは、わたしにとってこのうえない喜びです。
〈(株)魔法製作所〉シリーズは、会社勤めをしていたときのわたし自身の経験から生まれました。わたしはかつて、ハイテク業界で働いたことがあり、そのとき、クライアントたちのやっていることの多くがほとんど魔法のように思えて、“魔法をつくる会社”というアイデアがひらめいたのです。
 一方で、以前から、チャンスに満ちた――もちろんロマンスのチャンスも含めて――マジカルな場所として、地方出身者の視点から見た大都会の物語を書いてみたい、という思いがありました。
 本作では、株式会社マジック・スペル&イリュージョンの世界へ帰り、登場人物たちのキャラクターやバックグラウンドをさらに掘り下げて描くことができました。
 日本の読者の皆さんに楽しんでいただけることを心から祈っています!

シャンナ・スウェンドソン




 この二年ほどの間、さまざまな任務を全うしてきた。魔法の戦いに挑み、スパイを捜し、陰謀の黒幕と対決し、魔法界のマフィアに潜入した。だが、そのいずれにおいても、このミッションほど緊張したことはない。
 愛するオーウェンとの結婚式のために、ウェディングドレスのセールで、最高の一着を手に入れるのだ。着用する機会が著しく限られた一着のドレスにかなりの金額を費やすのは、わたしの性格上ものすごく抵抗があるが、母のドレスは流行遅れだし、いまからオーダーする時間はないし、ファッション業界で働く友人のジェンマが教えてくれたこのセールが最後のチャンスなのだ。
 人間、非人間両方の友人たちの協力を得て作戦開始。気に入ったドレスを何着か確保し、試着、順調に進んでいたのだが、なんとセール会場で魔法を使ったいざこざが発生。大勢の人々が魔法を目撃してしまう。
 その後も人が集まるところで何度も魔法騒ぎが起きる。誰かがわざと魔法を人目にさらそうとしている? 
 (株)魔法製作所の警備部の一員として危機感を覚えたケイティは、またしてもオーウェンの反対を押し切り調査を始めるが……。

 大人気シリーズ、ついにグランドフィナーレ!





 ……あれやこれやはあったものの、ものすごくハンサムだけど赤面症の大魔法使い、愛しのオーウェンと晴れて婚約したケイティ。結婚式の準備に心弾む毎日だ。
 そんな折も折、魔法界のマフィアと言われる謎の組織コレジウムのメンバーが、ケイティに接触してきた。
 コレジウムは以前からMSIの取乗っ取りを企てていたが、伝説の大魔法使いマーリンがMSIトップに返り咲いたことで、その目論見を挫かれたらしい(実はケイティもそれに一役買っている)。とはいえコレジウムの息のかかった社員はいまだMSI内部に多数いるはず、このままにしておくわけにはいかない。マーリンは一計を案じ、コレジウムに逆スパイを送り込むことに。
 となれば適任なのはケイティしかいない。結婚目前で潜入捜査? 当然オーウェンは反対するが……。
 どうなるケイティ。どうなる(株)MSI?



『魔法使いにキスを』(2014年3月刊)

 免疫者(イミューン)のはずなのに、〈月の石〉を破壊したときの衝撃でどういうわけか魔法を使えるようになってしまったケイティ。本業のマーケティングが暇なため、同じく衝撃のあまり魔力が戻ったボーイフレンドのオーウェンと人事部長のロッドに、魔法の使い方を教わる毎日だ。
 そんなある日、ケイティはアシスタントのエルフ、パーディタの様子がおかしいことに気づく。〈魔法使いがエルフを抑圧している〉というビラが配られ、(株)MSIに勤めるエルフたちが動揺しているらしい。
 そしてそうこうしているうちに周囲ではエルフたちが次々と姿を消しはじめる。いったい何が進行しているのか? ひそかに調査に乗り出したケイティとオーウェン。
 だがやがてふたりの身にも魔の手が伸びる……。大人気シリーズ、第七巻登場。




『魔法無用のマジカルミッション』(2012年9月刊)

 魔法界を、そして世界を征服せんとする大陰謀を阻止したケイティとオーウェン。でも、その平和はかりそめのものでしかなかった……

 (株)MSIのマーケティング部長ケイティは退屈していた。魔法の悪用を企てる輩にめでたく勝利をおさめたのはいいが、ライヴァル会社がなくなってしまったいま、競争相手のいない市場でのマーケティングなど、サルでもできる。
 そんな矢先、魔力を持つ者が読むと正気を失うという『蜻蛉の古写本』の解読にいそしんでいたオーウェンが、とんでもないことに気づいた。権力への渇望を生み出し、他者を支配する力を与える危険な石〈月の目〉が、この世界に再びあらわれたらしいというのだ。
 それも、こともあろうにニューヨークのティファニーに。
 仕事の名目でティファニーに行けるチャンスに燃えない女性なんている? いやいや、放っておけば、世界中が大混乱に陥ってしまうとばかり、ケイティはオーウェンとともに追跡を開始する。

 ところがティファニーには、それを身につけた者を、事実上不死身にするというエルフのブローチ〈アーンホルドの結び目〉を捜す、エルフの一行が先回りしていた……。どうやら、〈月の目〉と〈アーンホルドの結び目〉はくっついてしまったらしいのだ。

究極の権力と不死身の体をもたらすブローチをめぐり、おなじみ(株)MSIの面々、エルフロード、謎の魔法使い集団入り乱れての大追跡!

 日本オリジナル書き下ろし。大人気シリーズセカンド・シーズン開幕。





 すったもんだの末(株)MSIに復職することになったケイティ。
 ところが久々のニューヨークでの出勤の朝、いきなりラッシュの地下鉄内で不審な魔法が使われているのに出くわす。どうやら魔法の悪用を企む一味が操る、ライヴァル会社スペルワークスの仕業らしい。
 魔法の悪用を許してはおけぬと立ち上がった、伝説の大魔法使いマーリン率いる(株)MSIとして、到底見過ごすわけにはいかない。
 だが敵もさるもの、なかなかしっぽをつかませない。(株)MSIの切り札はなんとマーケティング部長に昇進したケイティのカスタマーカンファレンス!
 愛するオーウェンとペット(?)のドラゴンたちの協力も得て、計画は順調に進むかに見えた。だがカンファレンスのさなか、敵の陰謀がオーウェンを襲う。そしてついにオーウェンの出生の秘密が明らかに……

 大人気のロマンチックファンタジー第5弾、日本版オリジナルの書き下ろしで登場!





 ニューヨークから故郷テキサスの田舎町コブに戻って三カ月、ドラゴンや邪悪な魔法使いの襲撃から、さらにいえば、悲惨なブラインドデートからも救出される必要のない日々が続いている。
 あこがれのオーウェンと、互いの気持ちを確かめ合って幸せいっぱい……のはずが、現実は物語のようにうまくはいかないもの、彼の最大の弱点が自分だという、まさしく物語のヒロインのような立場にたたされてしまったケイティ。魔法の悪用を企む一味との対決の足手まといになるまいと身を引いたのだ。
 ところが魔法とは縁のないはずのコブの町で、へんてこな魔法のにおいのする事件が発生、さすがに放っておけず、(株)MSIに助けを求めたが……

 母、父、3人の兄に兄嫁たち、甥っ子姪っ子、さらには祖母まで加わった、大家族が起こす狂騒をさばきつつの大奮闘、果たしてその結末は? そして気になるオーウェンとの恋の行方は?

 お待たせしました、好評シリーズ第4弾。





 すったもんだの末に、あこがれの彼と晴れて両思いになったケイティ。
 ところが、気合いを入れてのぞんだはじめての正式なデートの朝、待ち合わせ場所のカフェに現れたのは、お世辞にも有能そうに見えない、怪しいフェアリーゴットマザー。よりによって、これまでの生涯で一番手助けの必要のない瞬間に「本物の恋を見つける手助けをしてあげる」とは。
 手をつくしてなんとかお引き取り願ったものの、肝心の彼との初デートは緊急事態でお流れに……。早くもなんだか前途多難な空模様だ。
 一方、魔法の悪用を企む一味が派手な広告戦略に打って出たことから、対策を講じる羽目になった(株)MSI側。魔法に対する免疫をもつイミューンのケイティが、またしても危険な任務に就くことになってしまう。
 だが、それがはじまったばかりの二人の仲に、早くも亀裂を生むことになろうとは……。

 おしゃれでロマンチックなファンタジー。好評シリーズ第3弾。





 ケイティ・チャンドラー26歳。ニューヨークに出てきて1年あまり。やっと自分の能力をいかせる職場にめぐりあい、どうやら彼氏のいない生活からも卒業の気配。一見順風満帆のようだが、やはり人生そううまくはいかないもの。
 なんと社内でスパイ事件が発生、会社の雰囲気は最悪でとても仕事どころではない。そこで魔法に免疫のあるケイティがスパイ事件の調査を任され、ただでさえ目が回るほど忙しいさなか、感謝祭のお休みにテキサスからパパとママがやってくるという。
 つきあい始めたばかりの、会社の顧問弁護士でイミューン仲間イーサンの協力で、なんとか無事乗り切れると思った矢先、ママが変なものが見えると言い出したのだ。どうやらママもイミューンだったらしい。どうする、ケイティ!
 恋に仕事にと、パワー全開の第2巻。





 ニューヨークは変わった街だとさんざん聞かされてはいたが、これほどとは思わなかった。背中に妖精の羽をつけた若い女性や耳のとがったエルフ(?)、教会の屋根にいたりいなかったりするガーゴイル……。いまだに毎日が驚きの連続だ。でも、ニューヨーカーたちは振り返りもしない。変なのはこの街? それともわたし?
 相変わらずボーイフレンドはできないし(実はハイスクール以来、ちゃんと男性とおつきあいしたことがない)、会社の女上司は二重人格とくる。週末ごとのブラインドデートにも、ヒステリー上司の言うなりになるのにもいい加減もううんざりだ。かといって、このまますごすごと故郷に戻るわけにもいかない。
 ところがそんなある日、思いもかけず素晴らしい転職の話が舞い込んできた。え? こんな平凡このうえないわたしに、ヘッドハンティング? でもちょっと待って、うまい話には必ず裏がある。本当にこの話、大丈夫なの……


(2007年2月5日/2020年1月16日)


 

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