魔の化生、鬼の跋扈する地、敷島国。なかでも東の果てである果州はとりわけ鬼の勢力が強かった。
そんな果州の豪族の跡取りである鉉太は、幼い頃に母と共に鬼に浚われて以来、鬼の砦に囚われの身となっていた。鬼の妻になることを拒否した母は牢獄に閉じ込められ、鉉太自身は他の囚人と共に鬼の雑役に使われる毎日だった。
そんなある日、密かに島を脱走しようと数人の若者が企てた。鉉太も一緒に連れて行ってくれと頼んだが、足手まといになるとすげなく断られてしまう。そのとき川を流れてきたのは大きな蓮の蕾だった。蓮の蕾を抱えて鬼の砦に戻った鉉太だったが、驚いたことに蕾は女の赤ん坊に変化していた。赤ん坊は蓮華と名づけられ、あっという間に鉉太を「とと」と慕う、美しさと強さを兼ね備えた娘に成長する。だが、蓮華には不思議なことがあった。空に〈明〉の星が昇るたび、泣きわめく赤子に戻ってしまうのだ。
鉉太が囚われて七年後、待ちに待った討伐軍がようやく都から鬼の砦に派遣され、鉉太は蓮華とともに晴れて自由の身になるのだが……。
鬼と人との相克、憎しみの虜になった人々の苦悩と救済を描いた感動のファンタジイ大作。

『ダ・ヴィンチ』年末恒例の「新人賞受賞作メッタ斬り!対談」でも取り上げていただきました。

そんな『星砕きの娘』の著者、松葉屋なつみ先生のインタビューが文藝春秋BOOKSでお読みいただけます。


『星砕きの娘』の創作秘話や、次回作への展望など興味深い話題が満載です。

 また、松葉屋なつみ先生はキクボンのネットラジオ「読んで実木彦」の第3回、第4回のゲストでも出演されています。
「七十四秒の旋律と孤独」で第8回創元SF短編賞を受賞された久永実木彦先生とのトークをお楽しみいただけます。

第3回はこちらから


第4回はこちらからご覧いただけます


こちらも是非お聞きください。作品世界が広がること、間違いなしです。