ホラー・ジャパネスクと怪談実話の興隆で幕を開けた平成の怪奇小説シーンは、やがて多くの人気作家や異色作家を巻きこみながら、幻想と怪奇と恐怖の絢爛たる坩堝を形成してゆく……。平成の三十余年間に生み出された名作佳品を、全三巻に精選収録する最新のアンソロジーが実現。アンソロジスト東雅夫編、最高の作家たちによる、至高の怪奇小説傑作の数々をご賞味あれ!

 第二巻には平成十年に発表された小川洋子「匂いの収集」から平成十九年に発表された山白朝子「鳥とファフロツキーズ現象について」の18編を収録。
 秋の夜長に是非怪奇小説の粋をお楽しみください。
収録作品
匂いの収集        小川洋子
一文物語集(244~255)   飯田茂実
空に浮かぶ棺       鈴木光司
グノーシス心中      牧野 修
水牛群          津原泰水
厠牡丹          福澤徹三
海馬           川上弘美
乞食柱          岩井志麻子
トカビの夜        朱川湊人
蛇と虹          恩田 陸
お狐様の話        浅田次郎
水神           森見登美彦
帰去来の井戸       光原百合
六山の夜         綾辻行人
歌舞伎          我妻俊樹
軍馬の帰還        勝山海百合
芙蓉蟹          田辺青蛙
鳥とファフロツキーズ
 現象について      山白朝子

 編者解説        東 雅夫


 第一巻は、平成元年に発表された吉本ばなな「ある体験」を皮切りに、平成十年に発表された宮部みゆき「布団部屋」までの15作を収録。


収録作品
ある体験    吉本ばなな
墓碑銘〈新宿〉 菊地秀行
光 堂     赤江瀑
角の家     日影丈吉
お供え     吉田知子
命 日     小池真理子
正月女     坂東眞砂子
百物語     北村薫
文月の使者   皆川博子
千日手     松浦寿輝
家ーー魔象   霜島ケイ
静かな黄昏の国 篠田節子
抱き合い心中  夢枕獏
すみだ川    加門七海
布団部屋    宮部みゆき

 編者解説   東雅夫

3巻は11月刊行予定です。お楽しみにお待ちください。