みなさまこんにちは。東京創元社翻訳班Sです。
今年の4月、江戸川乱歩編『世界推理短編傑作集』(全5巻)のリニューアルが完了しました。そこで全収録作の魅力をもっと伝えたいと思い、Twitter企画をおこなうことになりました。ぜひ『世界推理短編傑作集』のうち好きな短編3作を選んで投票していただきたく、お願い申し上げます! 全5巻すべてを読んでいない方でもお気軽に投票していただければ幸いです。また、旧版の『世界短編傑作集』(全5巻)で読んだよ~という方も歓迎いたします。
【投票のやりかた】
*江戸川乱歩編『世界推理短編傑作集』(全5巻)の全収録作のなかで、好きな3作を選び、twitterでハッシュタグ( #世界推理短編 )をつけてつぶやいてください。ハッシュタグがない投票は結果に反映されませんので、ご注意ください。
※この記事の文末に、全収録作リストを掲載しております。ご活用ください※
*投票の際、選んだ理由などのコメントを記載される場合は、どうか未読の方へのご配慮をお願いいたします。
*投票されたツイートは、togetterのまとめページや〈Webミステリーズ!〉に掲載させていただく場合がございます。
*全5巻すべてを読了済みでなくても結構です。お気軽にご投票いただけますと幸いです。
【投票締切】
*2019年9月30日まで
【結果発表】
*集計後〈Webミステリーズ!〉で発表させていただきます。
* * *
みなさまの投票をお待ちしております!!
とはいえ、『世界推理短編傑作集』はかの江戸川乱歩が選んだ傑作・名作ぞろいのミステリ・アンソロジーです。もはや「傑作だけ収録されている」といっても過言ではない!!! 3作だけなんてとてもじゃないけど選べない!! という声が聞こえてきそうです。そこで選ぶ楽しみ(苦しみ?)をいろんな人に味わってもらおうと思い、リニューアル担当のミステリ研究家・戸川安宣氏と、東京創元社社員にも3作を選んで投票してもらいました!
その結果がこちらになります!
【戸川安宣氏の選んだ3作】
1「医師とその妻と時計」アンナ・キャサリン・グリーン 井上一夫訳
2「赤い絹の肩かけ」モーリス・ルブラン 井上勇訳
3「十五人の殺人者たち」ベン・ヘクト 橋本福夫訳
(コメント)
今回原文と照らしながら精読して新しい発見のあった作品を選びました。発表当時、世の関心を集めていた話題を作品に活した1、凄い作家だと再認識させられた2、そして大好きな作家の好編3。順番は発表年代順です。
【東京創元社社員の投票結果】
1位 「銀の仮面」ヒュー・ウォルポール 中村能三訳
「二壜のソース」ロード・ダンセイニ 宇野利泰訳
2位 「ボーダーライン事件」マージェリー・アリンガム 猪俣美江子訳
「十五人の殺人者たち」ベン・ヘクト 橋本福夫訳
「信・望・愛」アーヴィン・S・コッブ 田中小実昌訳
「赤い絹の肩かけ」モーリス・ルブラン 井上勇訳
「盗まれた手紙」エドガー・アラン・ポオ 丸谷才一訳
「夜鶯荘」アガサ・クリスティ 中村能三訳
「妖魔の森の家」カーター・ディクスン 宇野利泰訳
「クリスマスに帰る」ジョン・コリアー 宇野利泰訳
どうですかこの2位が8作あるという驚きの結果!
そして以下が投票時のコメントの抜粋です。
(コメント)
- 「二壜のソース」「クリスマスに帰る」「十五人の殺人者たち」。どれも「ミステリを書く」ということは「人間を書く」ということだと思わせてくれる逸品ばかりでした。
- 「赤い絹の肩かけ」「信・望・愛」「十五人の殺人者たち」。痛快だったり戦慄したり心温まったり。バラエティに富んだ後味も魅力です。
- 「赤い絹の肩かけ」「銀の仮面」「ボーダーライン事件」。肩かけのみを手がかりに推理していく過程がエキサイティングで、キャラクター小説としても抜群に面白いルブラン、いわゆる〈奇妙な味〉風もの中では極めつけの不気味さが読後に残りつづけたウォルポール、単なる推理クイズという印象が新訳版で読んで小説としての奥行きにひっくり返ったアリンガムの三作を選びました。悩んだ悩んだ。
- 「ダブリン事件」は深町先生の新訳がほんとうに素晴らしかったです。
- 読んだときのインパクトが強かったものを挙げます。強烈な不可能性がしっかり手順を踏んで解体されていく「十三号独房の問題」、みんなが選んでいるので外したかったけど何回読んでもトラウマに残る「銀の仮面」、謎解きも真相も非常に近代的で、この無情さも含め冒頭に相応しい「ボーダーライン事件」。
このような感じで投票してくださったみなさんのコメントも記事に掲載させていただき、これから『世界推理短編傑作集』を読んでみたいという方へ魅力をお伝えできればと考えております。
みなさまの投票をお待ちしております! どうぞよろしくお願いいたします!
※※『世界推理短編傑作集』全収録作リスト※※
『世界推理短編傑作集〈1〉』
- 「盗まれた手紙」エドガー・アラン・ポオ 丸谷才一訳
- 「人を呪わば」ウィルキー・コリンズ 中村能三訳
- 「安全マッチ」アントン・チェーホフ 池田健太郎訳
- 「赤毛組合」アーサー・コナン・ドイル 深町眞理子訳
- 「レントン館盗難事件」アーサー・モリスン 宇野利泰
- 「医師とその妻と時計」アンナ・キャサリン・グリーン 井上一夫訳
- 「ダブリン事件」バロネス・オルツィ 深町眞理子訳
- 「十三号独房の問題」ジャック・フットレル 宇野利泰訳
『世界推理短編傑作集〈2〉』
- 「放心家組合」ロバート・バー 宇野利泰訳
- 「奇妙な跡」バルドゥイン・グロラー 垂野創一郎訳
- 「奇妙な足音」G・K・チェスタトン 中村保男訳
- 「赤い絹の肩かけ」モーリス・ルブラン 井上勇訳
- 「オスカー・ブロズキー事件」オースチン・フリーマン 大久保康雄訳
- 「ギルバート・マレル卿の絵」V・L・ホワイトチャーチ 中村能三訳
- 「ブルックベンド荘の悲劇」アーネスト・ブラマ 井上勇訳
- 「ズームドルフ事件」M・D・ポースト 宇野利泰訳
- 「急行列車内の謎」F・W・クロフツ 橋本福夫訳
『世界推理短編傑作集〈3〉』
- 「三死人」イーデン・フィルポッツ 宇野利泰訳
- 「堕天使の冒険」パーシヴァル・ワイルド 橋本福夫訳
- 「夜鶯荘」アガサ・クリスティ 中村能三訳
- 「茶の葉」E・ジェプスン&R・ユーステス 阿部主計訳
- 「キプロスの蜂」アントニー・ウィン 井上一夫訳
- 「イギリス製濾過器」C・B・ベックホファー・ロバーツ 井上一夫訳
- 「殺人者」アーネスト・ヘミングウェイ 大久保康雄訳
- 「窓のふくろう」G・D・H&M・I・コール 井上勇訳
- 「完全犯罪」ベン・レイ・レドマン 村上啓夫訳
- 「偶然の審判」アントニイ・バークリー 中村能三訳
『世界推理短編傑作集〈4〉』
- 「オッターモール氏の手」トマス・バーク 中村能三訳
- 「信・望・愛」アーヴィン・S・コッブ 田中小実昌訳
- 「密室の行者」ロナルド・A・ノックス 中村能三訳
- 「スペードという男」ダシール・ハメット 田中小実昌訳
- 「二壜のソース」ロード・ダンセイニ 宇野利泰訳
- 「銀の仮面」ヒュー・ウォルポール 中村能三訳
- 「疑惑」ドロシー・L・セイヤーズ 宇野利泰訳
- 「いかれたお茶会の冒険」エラリー・クイーン 中村有希訳
- 「黄色いなめくじ」H・C・ベイリー 宇野利泰訳
『世界推理短編傑作集〈5〉』
- 「ボーダーライン事件」マージェリー・アリンガム 猪俣美江子訳
- 「好打」E・C・ベントリー 井上勇訳
- 「いかさま賭博」レスリー・チャーテリス 宇野利泰訳
- 「クリスマスに帰る」ジョン・コリアー 宇野利泰訳
- 「爪」ウィリアム・アイリッシュ 門野集訳
- 「ある殺人者の肖像」Q・パトリック 橋本福夫訳
- 「十五人の殺人者たち」ベン・ヘクト 橋本福夫訳
- 「危険な連中」フレドリック・ブラウン 大久保康雄訳
- 「証拠のかわりに」レックス・スタウト 田中小実昌訳
- 「妖魔の森の家」カーター・ディクスン 宇野利泰訳
- 「悪夢」デイビッド・C・クック 小西宏訳
- 「黄金の二十」エラリー・クイーン 小西宏訳