東京創元社では品切れ中の文庫作品を対象として、毎年"復刊フェア"を開催しています。
ここから紹介するのが、2019年9月下旬よりおこなわれる本年度フェアの復刊作品全10点です。ご購入の参考にどうぞ。

※書店・ネット書店を問わず、実際に購入できるのは9月下旬以降となります。

復刊フェア開催店舗一覧はこちらです(開催時期は書店によって異なります)。

幽霊が多すぎる
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ポール・ギャリコ/山田蘭訳
『幽霊が多すぎる』

パラダイン男爵家を脅かす怪現象の数々──ポルターガイスト、うろつく尼僧の亡霊、外から鍵をかけた部屋で夜ごとひとりでに曲を奏でるハープ。さらに悪いことに、客人が幽霊に襲われた! 騒動を鎮めるため駆けつけた心霊探偵ヒーロー氏の活躍やいかに? 『スノーグース』などで知られる心やさしきストーリーテラー、ギャリコ唯一の長編本格ミステリ、本邦初訳。解説=我孫子武丸


クロフツ短編集1
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F・W・クロフツ/向後英一訳
『クロフツ短編集1』
《新カバー!》
英国本格派の雄クロフツが満を持して発表した、アリバイ破りの名手フレンチ警部のめざましい業績を綴る21の短編を収めた作品集。「いずれも殺人事件であって、しかも、犯人は必ずまちがいをして、そのためにつかまっている。そのまちがいに、読者が事前に気がつけば読者の勝ち、気がつかなかったら、筆者の勝ちというわけである」(まえがきより)と、読者に挑戦状を叩きつける。


フレンチ警部最大の事件
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F・W・クロフツ/井上勇訳
『クロフツ短編集2』
《新カバー!》
1巻に引き続き、本邦初訳作品多数を含むF・W・クロフツの短編を収めたファン必携の作品集。アリバイ破りの名手にして、丹念な捜査と推理が持ち味のフレンチ警部のかがやかしい功績を描く。絵画購入依頼が意外な展開を見せる「グルーズの絵」、アンソロジーに書き下ろした“完全犯罪”に実在の元警視が挑んだ解決編が付属する「小包」など、多彩な作風が楽しめる全8編を収録。


見知らぬ者の墓
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マーガレット・ミラー/榊優子訳
『見知らぬ者の墓』
《新カバー!》
墓碑は断崖の突端に立っていた。銘板には、なぜか自分の名前が刻まれている。没年月日は四年もまえ──。不思議な夢だった。そのあまりに生々しい感触に不安をおぼえたデイジーは、偶然知りあった私立探偵ピニャータの助けを借りて、この“失われた一日”を再現してみることにしたが……。アメリカ女流随一の鬼才が、繊細かつ精緻な心理描写を駆使して描きあげた傑作長編の登場。解説=柿沼瑛子


夜鳥
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モーリス・ルヴェル/田中早苗訳
『夜鳥』

フランスのポオと呼ばれ、ヴィリエ・ド・リラダン、モーパッサンの系譜に列なる作風をもって仏英読書人を魅了した、鬼才ルヴェル。恐怖と残酷、謎や意外性に満ち、ペーソスと人情味を湛える作品群は、戦前〈新青年〉等に訳載されて時の探偵文壇を熱狂させ、揺籃期にあった国内の創作活動に多大な影響を与えたといわれる。31篇収録。エッセイ=田中早苗・小酒井不木・甲賀三郎・江戸川乱歩・夢野久作/解説=牧眞司


だれもがポオを愛していた
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平石貴樹
『だれもがポオを愛していた』

エドガー・アラン・ポオ終焉の地、米国ボルティモアの郊外で日系人兄妹の住む館が爆破され、沼中に潰えた。テレビ局にかかった予告電話の通り「アッシャー家の崩壊」さながらに始まった事件は、ほどなく「ベレニス」、「黒猫」の見立てに発展、捜査は混迷を呈していく……。オーギュスト・デュパン直系の名探偵がクイーンばりの論理で謎を解く、オールタイムベスト級本格ミステリ。解説=有栖川有栖


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黒い玉
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トーマス・オーウェン/加藤尚宏訳
『黒い玉』

夕暮れどきの宿で、彼がつけた明かりに驚いたかのように椅子の下へ跳び込んだそれは、かぼそい息づかいと黄楊(つげ)の匂いを感じさせる奇妙な〈黒い玉〉。その正体を探ろうと、そこを覗き込んだ彼を待ち受けるのは、底知れぬ恐怖とおぞましい運命だった――。ベルギーを代表する幻想派作家、トーマス・オーウェンが描くありふれた日常に潜む深い闇。怖い話、気味の悪い話など14の物語を収録する。解説=風間賢二


スピリット・リング
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ロイス・マクマスター・ビジョルド/鍛治靖子訳
『スピリット・リング』
《新カバー!》
魔法の素質は本物でも、女の子ゆえに魔術の道に進ませてもらえず、かといって持参金不足で結婚もできずに悩む、年頃のフィアメッタ。父親は大魔術師にして公爵に仕える金細工師。だがその父はいまや息絶え、その強力な霊は邪悪な者のもつ“死霊の指輪(スピリット・リング)”に囚われようとしていた! 黒魔術から父を守るため、炎の乙女が立ち上がる。時代はルネサンス、恋と冒険の歴史ファンタジイ。訳者あとがき=鍛治靖子


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レッド・プラネット
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ロバート・A・ハインライン/山田順子訳
『レッド・プラネット』

火星開発を司る〈カンパニー〉は、入植者たちの実情を無視した強引な植民計画を立案した。実施されれば、多数の死者が出ることはまちがいない。計画を知ったジムとフランクは、これをを阻止せんと奔走し入植者たちの決起を促(うなが)す。だがカンパニーの対応は素早く、彼らは学校の建物に追い込まれ、包囲されてしまった! 局面打開の方法はあるか? 巨匠ハインラインの初期名作登場。解説=高橋良平


地球の静止する日
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R・ブラッドベリ、T・スタージョン他/中村融編訳
『地球の静止する日 SF映画原作傑作選』
《新カバー!》
綺羅星のごとき名作SF映画の数々の中から、知られざる原作短編を精選して贈る、日本独自編集によるアンソロジー。古典として愛されている表題映画の原作に加え、ブラッドベリが近年初めて公開した短編、スタージョンの手になる原作として伝説的に語られてきた中編などの本邦初訳作を収録。また、やはり初訳のハインラインの中編には、著者自身が撮影の舞台裏を明かした顛末記を付した。序文=中村融/解説=添野知生


※書店・ネット書店を問わず、実際に購入できるのは9月下旬以降となります。


(2019年9月6日/2019年9月25日)