1989年の『月光ゲーム』の刊行から、今年デビュー30年を迎えた有栖川有栖さん。本書は1999年に現代書林から刊行され、2003年に新潮文庫より刊行されたものの復刊となります。ファンの間では入手しにくい本であったため、今回の復刊を心待ちにしていた方も多いと聞きます。

 1892年~1998年に国内外で発表されたミステリから、有栖川さんが選んだ作品紹介に、イラストレーター・磯田和一さんのイラストで40の「密室」が彩られます。加えて、磯田さんが有栖川作品から選んだ『スウェーデン館の謎』をセレクトした全41作品という充実ぶり。画像で紹介しているのは、新潮文庫版のカバーでも使われた『黄色い部屋の謎』のイラストになります。ワクワクしますよね。

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 ちなみに創元推理文庫からも多くの作品が紹介されました(※一部在庫切れの作品もございます)。


 紹介されている作品を読んだことがなくとも、磯田さんの詳細な密室イラストを見るだけでも、非常に楽しいブックガイドになっています。