1989年の『月光ゲーム』の刊行から、今年デビュー30年を迎えた有栖川有栖さん。本書は1999年に現代書林から刊行され、2003年に新潮文庫より刊行されたものの復刊となります。ファンの間では入手しにくい本であったため、今回の復刊を心待ちにしていた方も多いと聞きます。
1892年~1998年に国内外で発表されたミステリから、有栖川さんが選んだ作品紹介に、イラストレーター・磯田和一さんのイラストで40の「密室」が彩られます。加えて、磯田さんが有栖川作品から選んだ『スウェーデン館の謎』をセレクトした全41作品という充実ぶり。画像で紹介しているのは、新潮文庫版のカバーでも使われた『黄色い部屋の謎』のイラストになります。ワクワクしますよね。
ちなみに創元推理文庫からも多くの作品が紹介されました(※一部在庫切れの作品もございます)。
- 「十三号独房の問題」ジャック・フットレル (『世界推理短編傑作集1』所収)
- 『黄色い部屋の謎』ガストン・ルルー
- 「急行列車の謎」F・W・クロフツ (『世界推理短編傑作集2』所収
- 「犬のお告げ」G・K・チェスタトン (『ブラウン神父の不信』所収)
- 「密室の行者」ロナルド・A・ノックス (『世界推理短編傑作集4』所収)
- 『エンジェル家の殺人』ロジャー・スカーレット
- 「妖魔の森の家」カーター・ディクスン (『妖魔の森の家』『世界推理短編傑作集5』所収)
- 「ジェミニー・クリケット事件」クリスチアナ・ブランド (『招かれざる客たちのビュッフェ』所収)
- 「投票ブースの謎」エドワード・D・ホック (『サム・ホーソーンの事件簿Ⅰ』所収)
- 「D坂の殺人事件」江戸川乱歩 (『D坂の殺人事件』所収)
- 「蜘蛛」甲賀三郎 (『日本探偵小説全集1』所収)
- 「完全犯罪」小栗虫太郎 (『日本探偵小説全集6』所収)
- 「燈台鬼」大阪圭吉 (『銀座幽霊』所収)
- 「本陣殺人事件」横溝正史 (『日本探偵小説全集9』所収)
- 「赤い密室」鮎川哲也 (『下り“はつかり”』所収)
- 「ホロボの神」泡坂妻夫 (『亜愛一郎の狼狽』所収)
- 「天外消失事件」折原一 (『七つの棺』所収)