本作の主人公である探偵・山浦歩(ふーちゃん)は、事件に悩むと電話で同業の探偵に相談に乗ってもらいます(『月夜の晩に火事がいて』の主人公でもあります)。その相談の相手が、『雪のマズルカ』『猫とアリス』の主人公でもある女探偵・笹野里子。

 この二人が不思議な縁で巡ってきた依頼(?)で、5人の関係者が亡くなった事件の調査を始めます。ふーちゃんの大学時代の同級生・夏日薫が後に名女優になり、その彼女が手がける予定だった舞台『ハムレット』。その公演前の合宿で、夏日薫を含む出演者同士が殺し合うことに! いったい、その日何があったのか? 

 探偵の二人は、笹野里子が懇意にしている警視庁の遠藤警部に、事件の概要を細かく聞くことにするのですが……。笹野里子に想いをよせる遠藤警部は、ふーちゃんの存在が面白いはずはありません。作中に何度か登場するこの三人のやりとりが、個人的には一番のツボです。

 ぜひ読みのがしなきよう、よろしくお願いいたします。

 ちなみに『ハムレット』も簡単に紹介しておきましょう。以下に帯表4の紹介を転載しておきます。

『ハムレット』とは

 ウィリアム・シェイクスピアが1600年頃に書いたとされる戯曲。主要な登場人物全員が死亡する、シェイクスピア四大悲劇の一つであり、世界各地で上演を重ねながら、くり返し映像化もされている。ハムレットとは主人公のデンマーク王子の名で、父王を殺害されたハムレットが、その真犯人である叔父・クローディアスへの復讐を果たそうとする姿を描いている。イギリスの画家・ミレーの描いた「オフィーリア」は、ハムレットの恋人をモチーフにしており、タイトルは彼女の名前からつけられている。