冷え込む寒さが続き、温かな室内での読書が進む今日この頃。2019年最初の『ミステリーズ!』も、そんな読書を推し進める充実のラインナップでお届けいたします。


新連載は、本誌初登場の真藤順丈さん「塔の国」がスタート! 真藤さんは『宝島』で、第160回直木賞を、第9回山田風太郎賞に続き受賞されました。そんな新直木賞作家の連載作品は、第二次世界大戦時のアメリカを舞台にした長編ミステリ。我が子を捜す母親の旅路で、何が起きるのか? 『宝島』に通じるような壮大な物語を、どうぞご期待ください。

大好評企画・懸賞付き犯人当て小説第3弾は、『館島』でおなじみの東川篤哉さんが登場。「アリバイのある容疑者たち【問題編】」では、ある不思議な強盗事件の謎を描いています。手掛かりを元に、謎解きに挑んでみてはいかがでしょうか? 
第2回の解答編である、米澤穂信さん「伯林あげぱんの謎【実食編】」と、第1回「赤鉛筆は要らない」の市川憂人さんによる講評も、合わせてお楽しみください。

その他、読切りは期待の新人作家が勢揃い。第3回創元SF短編賞日下三蔵賞受賞作「頭山」の、舟里映さん。「おわりの家」『ミステリーズ!vol.89』2018年6月号)に続く、うつくしが丘を舞台にした家族の物語「ままごとの家」の、町田そのこさん。第7回ミステリーズ!新人賞佳作入選作「商人の空誓文」「あれは子どものための歌」『ミステリーズ!vol.59』2013年6月号)に続く、シリーズ第3弾「対岸の火事」の、明神しじまさん。
いずれも、読み応えのある作品です。

また、今号より気鋭のイラストレーター・千海博美さんによる新カバーです! 2019年が小社文庫創刊60周年記念ということで、それにちなんだ文庫の名作をモチーフにした装画を、描き下ろしていただきました。記念すべき第1回については、表紙裏(表4)をご覧になってください。

バラエティに富んだ本書を、どうぞお見逃しなく!