〈エリノア・ウェストの迷える青少年のための学校〉、そこはとても奇妙な学校だった。入学してくるのは、妖精界やお菓子の国へ行って戻ってきた、“不思議の国のアリス”のような、“オズの魔法使いのドロシー”や“ナルニア国物語のペベンシーきょうだい”のような少年少女ばかり。そのなかでも戻ってはきたものの、もう一度彼らの“不思議の国”に帰りたいと切望している子供たちばかりなのだ。ここは、そんな少年少女が現実と折り合っていく術を教える学校だった。

 死者の殿堂に行ってきた少女ナンシーも、そんなひとりだった。両親のもとに帰ってはきたが、彼女の心はいまだ死者の王と女王のもとにある。だが、両親はそんな彼女の気持ちを理解してくれず、見当違いの気遣いやはげましで彼女の心を傷つけていたのだ。
 彼女を救えるのはエリノアの学校だけ。
 ところが死者の世界に行ってきたナンシーの存在に触発されたかのように、不気味な事件が学校を襲うように……。

“不思議の国のアリスたち”のその後を描いた、ヒューゴー、ネビュラ、ローカス賞受賞のファンタジー3部作開幕。

第2巻『トランクの中に行った双子』2018年12月刊行
第3巻『砂糖の空から落ちてきた少女(仮)』2019年3月刊行予定