ようやく秋めいた気候になりましたね。「読書の秋」にふさわしい内容でたっぷりの、
「ミステリーズ!vol.91」のラインナップをお届けいたします。

今年も早いもので、新人賞の季節となりました。第28回鮎川哲也賞、第15回ミステリーズ!新人賞の選評を、それぞれ掲載しております。今年は2014年以来の、両賞受賞者が出ためでたい年となりました。鮎川哲也賞の川澄浩平さん『探偵は教室にいない』、ミステリーズ!新人賞の齊藤飛鳥さん『屍実盛(かばねさねもり)』、それぞれのチャームポイントが良く分かるかと思います。
また、『屍実盛』も合わせて掲載しております。平清盛の異母弟であり、平家一門の異分子でもあった平頼盛が探偵役を務める、歴史ミステリです。貴族が衰えを見せ、武士が台頭し始めた平安時代末期ならではの、時代の空気感と謎解きをお楽しみください。

新連載は、太田忠司さんによる『遺品博物館』。古今東西の遺品を収集する学芸員が出会う人々とは? 『奇談蒐集家』『優しい幽霊たちの遁走曲』の名手が贈る、ミステリアスな物語をご堪能ください。
また、読切りは大倉崇裕さん〈福家警部補〉シリーズ、丸山正樹さん〈手話通訳士・荒井尚人の事件簿〉シリーズの最新作を掲載しております。それぞれの主人公たちの活躍を、お見逃し無く。

そして、「ミステリーズ!」創刊号~7号まで開催していた、人気企画が帰ってきます!懸賞付き犯人当て小説企画が本号よりスタート。記念すべき第1弾は、『グラスバードは還らない』が好評発売中の市川憂人さんです。〈マリア&漣〉シリーズより、初短編として「赤鉛筆は要らない【問題編】」をお贈りします。
ご応募は、ハガキや封書の他、応募フォームでもお受け付けします(刊行日よりオープン)。正統派のフーダニットに、ぜひチャレンジしてみてください。

充実した読書体験をお約束する、本書をどうぞよろしくお願いいたします。