セレブな新妻とその仲間たち、IT企業に潜入捜査?
『何か文句があるかしら』に続く、痛快ミステリ第2弾


 『何か文句があるかしら』で、サンフランシスコを舞台に、やや危なっかしい探偵活動と、新婚夫婦ならではの甘々ぶりを見せつけてくれた、チャーリーとジャックのフェアファックス夫妻が帰ってきました。

 前回、自らと自らの劇団に降りかかった災難に立ち向かった新妻チャーリーは、本書では頼もしき友人たち(前作にも登場した、アイリーン・ブレンダ・サイモンといった個性の強い面々)とともに、いまをときめくIT企業〈ザクダン〉に潜入捜査を敢行します。それもこれも、愛する夫ジャックを助け、ブレンダの友人の仇を取るため。やることなすこと派手なので、まったくもって「内助の功」ではありませんが、決してひまをもてあましたセレブによる“探偵ごっこ”ではないのです。

 とはいえ、彼女たち素人探偵団の活動を描くデュマスの筆は軽快そのもの。前作同様、楽しい読書を保証いたします。個人的にお気に入りなふたり、チャーリーの困った叔父ハリーと、武骨だけど有能なボディガードのフランクが再登場するのも、うれしいポイントでした。
 セレブな新婚夫婦とその仲間たちの活躍を描く痛快なミステリ『上手に人を殺すには』は、8月21日発売予定です。

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 新居で最愛の旦那様ジャックとの甘い生活を満喫するつもりが、またもや人死にに出鼻をくじかれるわたし。
 夫の会社の取引先である、IT企業CEOの婚約者が変死を遂げたのだ。被害女性は偶然にも、わが親友ブレンダの同級生だった。チャーリーは事件を探るため、渋る夫を説き伏せて、友人たちとくだんのIT企業に潜入捜査を敢行する──
 セレブな新婚夫婦およびその仲間たちの華麗なる?活躍、シリーズ第2弾。

(2010年8月5日)

 

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