『サイズ14でもでぶじゃない』

 わたしヘザー・ウェルズ。元アイドル歌手で、今は学生寮の副寮母。クリスマスのホリデイシーズンについたお肉のおかげで、服のサイズが14に突入しちゃったけど、サイズ14だって、まだまだアメリカ女性の平均のうちよね。それに、ビキニのシーズンまで、まだまだ時間はたーっぷりあるじゃない!
 それはともかく、前の学期のできごとのせいで、〈死の寄宿舎〉なんていう不名誉な呼び名を頂戴しちゃった我がフィッシャー寮で、またしてもとんでもない事件が発生。
 寮のカフェテリアの厨房の○○○のなかに××が!!! 
 捜査にきた刑事さんったら、まるでわたしが事件に首をつっこみたがってるみたいに言うけど、そんなわけないでしょ……多分。

 大人しくしているという約束もなんのその、ヘザーは事件を放っておけず、憧れの大家さんで探偵のクーパー、元婚約者の大カンチガイ男ジョーダンや、問題児の寮生ギャヴィンを引き連れて、あぶなっかしくも強引に調査をはじめる。
『プリンセス・ダイアリー』の著者の、オトナのための過激なミステリ第2弾。


『サイズ12はでぶじゃない』


 わたしヘザー・ウェルズ28歳。服のサイズは12。サイズ12はね、でぶじゃないの。アメリカ女性の平均なんだから!
 今でこそ学生寮の副寮母だけど、実はもとポップ歌手でティーンのアイドル。
 海よりも深いわけがあって、元カレ(人気歌手のジョーダン)のお兄さんで探偵のクーパーの家に居候中。クーパーってこう言っちゃなんだけど、ジョーダンなんかよりもずっとずっと素敵なの。
 クーパーの好みは痩せてて頭のいい女性だってわかってはいるんだけど、やっぱりおいしいものはやめられない。
 それは置いておいて、わたしが働いてる寮のエレベーターから女子学生が転落死したのが事件のはじまり。
 流行のエレベーター・サーフィンをしてたらしいんだけど、おとなしくて真面目な女の子がそんなことする? 
 でも、事件はそれだけでは終わらなかった。第2の犠牲者は出るし、わたしの頭にも植木鉢が落ちてくるし……(運良くわたしじゃなくて、居合わせたジョーダンの頭に当たっちゃったけど)

『プリンセス・ダイアリー』でおなじみメグ・キャボットのオトナのための可愛いミステリ3部作開幕。

(2010年6月7日/2011年2月7日)

 


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