ディクテ・スヴェンソン四十歳、新聞記者。夫と別れ人生をやり直すために、学生時代を過ごした町オーフスに新居を購入し、ティーンエイジャーのひとり娘ローセとふたり暮らしをはじめた。
 彼女の離婚・新居購入祝い兼誕生祝いに集まってくれた、親友イーダ・マリーとアネとともにオープンカフェで盛り上がるディクテ。そのテーブルのすぐ脇を流れる川に青いプラスチックの桶が浮かんでいた。その中に入っていたのは、タオルにくるまれた赤ん坊。経済担当にもかかわらず、たまたま赤ん坊を発見したばかりに編集長から記事を書くように言われたディクテは、気が進まないながら渋々事件を調べ始める。

 一方親友のひとりアネが勤める病院では、新生児の額に悪戯書きをされる事件が発生。さらにもうひとりの親友イーダ・マリーの生まれたばかりの赤ん坊が病室から誘拐されてしまう。
 ディクテはいつのまにか赤ん坊をめぐる事件に振り回される羽目に……。

 友情に泣き、仕事に悩み、年下のカメラマンに心ときめかせ、ティーンの娘との関係に戸惑う、ディクテはどこにでもいる普通の女性。
 北欧デンマークを舞台にしたライトミステリ。

(2015年2月5日)




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