固有名詞に こっそり遊びが入っています。 | |
綿密な描写力と力強いストーリーテリング。 07年6月刊 『神話の島』 | |
久綱さざれ | |
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『神話の島』は私にとって初のミステリ作品です。もともと伝奇物・ホラー分野でデビューした私ですが、当初から小説構成の工夫として謎解きの要素は意識していました。しかしまさか本当にミステリのお話をいただけるとは、それも、あの東京創元社さんから! これまでとはジャンルが違うということではじめは緊張し、戸惑いもありましたが、半分ほど書いたところで担当さんの「安心しました」というお言葉をいただき、ホッとしたのをよく覚えています。 孤島での疫病サバイバルと日本神話を絡めるという着想自体も、実はホラー用にと温めていたものでした。それを、死体を増やしたり不条理現象を削ったり時間を入れ替えたりしてミステリに組み立て直したのです。 ところで、ここで主役のひとりとして動いている笹礼は、前作『ハーツ』で脇役として登場したのが初出です。『神話の島』では大黒柱の責任と私の筆力不足から、妙に好青年の役回りとなってしまいましたが、本来はもう少し近寄り難い変人でした。いつかそちらの感触の笹礼もお届けできればと思っています。 作品上梓に当たっては、終始厳しくも温かく導いてくださった担当の桂島さん、お世話とご迷惑をおかけした東京創元社の皆さま、そして桂島さんと私とを繋いでくださった学研の木野さんに、心よりの謝辞を捧げます。ありがとうございました。 (2007年7月) | |
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