ここだけのあとがき

2010.02.05

深水黎一郎『五声のリチェルカーレ』[2010年2月]

ここだけのあとがき
メフィスト賞受賞の気鋭が贈る文庫オリジナル!
再読必至の技巧派本格ミステリ。
(10年1月刊『五声のリチェルカーレ』)

深水黎一郎 reiichiro FUKAMI

 

 はじめまして、深水黎一郎です。

 このたび創元推理文庫から、拙作『五声のリチェルカーレ』が、文庫書き下ろしという形で上梓されます。

 実は私の小さい頃の一番の愛読書は、創元推理文庫の無料の目録でした。一ヶ月の小遣いが、文庫本を一冊買うのにも足りないという御手許金不如意の小学生時代、お金がたまったら次はどの本を買おうか、毎日毎日、ワクワクしながら目録を隅から隅まで読んで頭を悩ませたものです。

 今回その創元推理文庫に自分の作品が入ることになって、鼻血が出そうです。小さい頃の夢が実現した、と言いたいところですが、その頃の創元推理文庫には日本人作家の作品は一冊もなかったので、それは夢ですらなかったというのが本当のところです。

 さて今回の作品、タイトルかしてちょっと変わっています。リチェルカーレって何? と仰られる方も多いと思います。その意味は作品中でたっぷりと説明されますので、安心して手にお取りください。

(2010年2月)

深水黎一郎(ふかみ・れいいちろう)
1963年山形県生まれ。慶應義塾大学文学研究科後期博士課程終了。ブルゴーニュ大学修士号、パリ大学DEA。2007年、『ウルチモ・トルッコ』で第36回メフィスト賞を受賞し、デビュー。ほかの著作に『エコール・ド・パリ殺人事件』『トスカの接吻』『花窗玻璃』がある。


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