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    <title>ここだけのあとがき｜Webミステリーズ！</title>
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    <updated>2011-11-07T07:34:36Z</updated>
    <subtitle>ミステリ・ＳＦ・ファンタジー・ホラーの専門出版社・東京創元社が配信する月刊Webマガジン</subtitle>


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    <title>秋梨惟喬『憧れの少年探偵団』［2011年11月］</title>
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    <published>2011-11-07T02:45:39Z</published>
    <updated>2011-11-07T07:34:36Z</updated>

    <summary>  　今時、大人向けの文庫で、なんと少年探偵団の登場です。 　発端は第二回創元推理短編賞（1995年）まで遡ります。この回は受賞作こそなかったものの、ただ落としてしまうには残念な作品がある、ということ...</summary>
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        <name>東京創元社</name>
        
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        <![CDATA[<div style="FLOAT: right; WIDTH: 150px"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488413132"><font style="FONT-SIZE: 1.25em"><img height="194" alt="憧れの少年探偵団" hspace="8" src="http://www.tsogen.co.jp/img/cover_image_m/41313.jpg" width="138" vspace="8" border="1" /></font> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" src="http://www.webmysteries.jp/images/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" /></div></a></div>


　今時、大人向けの文庫で、なんと少年探偵団の登場です。<br>
　発端は第二回創元推理短編賞（1995年）まで遡ります。この回は受賞作こそなかったものの、ただ落としてしまうには残念な作品がある、ということで六編を集めて出版されたのが<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488400514" target="_blank">『推理短編六佳撰』</a>、そこに拙作「憧れの少年探偵団」（那伽井聖名義）が収録されました。それから16年。今回大人の事情もあって、シリーズ化の運びとなりました。<br><br>

　短編「憧れの少年探偵団」は、シリーズ化を前提とした作品ではありませんでした。そもそも少年探偵団物を書きたいという気持ちすらなかったのです。少年探偵団を出したのは、この作品の柱の一つである怪人二十面相解釈を論じるのに必要だったからにすぎません。<br>
　ですから探偵団メンバーのキャラクターも深く考えて創ったものではなかったのです。お気づきかもしれませんが、少年探偵団の構成は藤子不二雄さんの漫画のパターンです。月岡君がドラえもん（エイリアン）、時雄君がのび太（一般人）、未菜美がしずかちゃん（ヒロイン）、勝川君がジャイアン（ガキ大将）、司馬君はスネ夫ではなくて、彼だけ『オバケのＱ太郎』からハカセ（頭でっかち）。少年探偵団という形があればよかっただけなのです。本当に必要だったのは、名探偵の月岡君と語り手の時雄君、物語を引っ張る未来美の三人。ですから勝川君は月岡君を肩に乗せる役割しかありませんし、司馬君に至っては台詞もほとんどなく、完全に数合わせキャラです。<br>
　そのため今回の作業は、改めてメンバーの基本設定を作って、キャラクターに命を吹き込むところから始まりました。<br>
　そして月岡君を除く四人が語り手になって自分や探偵団について語る、という構成を思いつきました。これが意外な効果を発揮、四人それぞれが、まあ喋る喋る、思い込みあり勘違いあり、意外な人物評あり思わぬ内面あり、無邪気でありながら意外に苦労人な彼らの人物像が、勝手にできあがっていきました。これをトリックやプロットに乗せることで、作者自身にも先が読めない、なかなか楽しいシリーズになりました。<br><br>

　そして今回もうひとつ新たに創ったのが、桃霞（とうか）という架空の都市です。短編「憧れの少年探偵団」は、中央線沿いの街（杉並区か三鷹市、武蔵野市）を想定していましたが、具体的な舞台設定はありませんでした。<br>
　桃霞市は東京都の西部に位置しています。川沿いの河岸段丘の街は青梅や秋川、モノレールが走っている大きな街は立川や多摩センター、石灰の積み出し駅は奥多摩、といった東京西部の街のイメージが融合して誕生しました。起伏があって、多摩川が流れる、緑豊かな大都市です。<br>
　唐突ですが、漫画家・竹本泉さんの作品に、聖林檎楽園学園シリーズがあります。<br>
　現在『アップルパラダイス』、『あかねこの悪魔』、「ブックスパラダイス」短編群、聖林檎楽園学園で起こるとんでもなく奇妙な出来事を追いかける美少女たちが、とんでもなく奇妙な真相（？）にたどりつく――きわめて大雑把にいえばそういう内容の連作です。その恐ろしいほどの奇想には圧倒されっぱなしですが、一方でＳＦ者でもある竹本さんはそこに生真面目な辻褄合わせを仕掛け、結果ミステリ的な面白さを醸し出しているのです。作者はネタに詰まった時には、このシリーズを引っ張り出して気分転換をはかっていたりします。<br>
　舞台である聖林檎楽園学園は広大な敷地を持っていて、学園内やその周囲には、温泉、炭鉱、大理石採掘場、ギリシア古代遺跡、砂漠とオアシスとピラミッド、マヤの遺跡、トレビの泉、青銅の灯台、流氷や幽霊船が来る入り江等々、とにかく何でもあります。というか、ネタで必要になれば、何でも創ってしまえる舞台なのです――ああそうですね、西岸良平さんの『鎌倉ものがたり』の舞台の“鎌倉”も同じ匂いがします。<br>
　今のアニメや漫画、ゲームは――ガンダム以来特にそうなったと思うのですが――前もって詳細な設定を作り、その中でストーリーを展開していく、というのが主流です。確かにそれも間違いなく面白いのです。ただ、やっぱり続きすぎると飽きてくる。ガンダムやボトムズばかり見ていると、急にゲッターロボが見たくなるのですね。<br>
　作者もそんな舞台がほしかったのです。後先をあまり考えないで好き勝手に何でも配置できてしまう空間が。それが桃霞市なのです。ですから今後、作品上の都合や作者の趣味で桃霞にはいろいろな施設ができていくことでしょう。さすがにピラミッドはできないと思いますが――いや、酒井勝軍的な日本ピラミッドなら可能性があるか。そういう都市ですから、本書の記述をもとに、桃霞の地図を作ることはやめてくださいね。絶対に矛盾が出てきます。出てこなければ、今後あえて矛盾させます。<br>
　実はもうすでに妙なものができ始めています。桃霞市にはＪＲと私鉄が乗り入れ、モノレールが循環し、新旧二路線のケーブルカーが走り、石灰石運搬用の専用鉄道も残っていそうですし、かつては路面電車があって――鉄道ファンである作者の業が働いているのでした。<br>
　今後桃霞で何が起こるか、正直作者にもわかっていません。桃霞少年探偵団も作者の思惑など無視して好き勝手やっていきそうです。探偵団だけではありません、狩野雪世も池野優雅も、亮さんも曾我も、或いは勝川のじいちゃんも狩野の親父さんも、何やら企んでいるような気配があります。乞うご期待です。<br>
　では一応作品解説を。<br><br>

<div align="center"><font color="brown">＊</font></div><br>

「クリスマスダンス」は短編「憧れの少年探偵団」の改題です。基本ラインは同じですが、かなり直しています。初めは校正程度の手直しで済ませようと思っていたのですが、進めていくうちにこうなってしまいました。“こうなって”の内容が知りたい方は読み比べてみてください。作者の十数年の成長が見えるかもしれません……いや、見えないか。見えることにしましょう。<br>
　もともとこの短編を書くきっかけになったのは、北村想さんの『怪人二十面相・伝』と黄金髑髏の会の『少年探偵団読本』という二冊の本でした。前者では明智小五郎が非常に嫌なやつに描かれていて、後者では文代夫人が明智のもとを去って二十面相に走ったという説を掲載しています。作者はこの非常に説得力のある二つの説を、心情的に認めたくなくて、このような作品になったのでした。<br>
　ちなみにこの一編のみ小学五年生編です。といっても、これ以外の五年生編がこの先書かれることはないでしょう。なぜこのような扱いにしたのかは、次項へ。<br>
「桃霞少年探偵団対清流戦隊」から、六年生編に突入です。新作四編をあえて六年生としたのは、作者自身が十六年を経て昔と同じ感覚で書ける自信がなかったからです。もし「クリスマスダンス」とあとの四編との間に違和感があるとしたら、それは彼らが六年生になって、少し成長したからだと思ってください。たった四か月ですが、彼らの年ごろには十分な長さだと思います。<br>
　ちなみにこの作品で一番力が入ったのは清流戦隊の舞台部分だったりします。<br>
「ルナティックを捕まえろ」は勝川章編ですが、作者のお気に入りは勝川君のじいちゃん。勝川君のキャラクターもそこからできてきたのです。いかしたじいさん好きは、もろこしシリーズから変わっていません。そのくせじいちゃんの名前がまだ決まっていないのですが。謎の銀牌を密かに持っている、ということはありません――たぶん。<br>
「不愉快な誘拐」は司馬遷太郎編。探偵団の中で一番意外な転がり方をしたキャラクターが司馬君です。もともと人数合わせでしかなかった彼をどう膨らませるか、相当苦労するかと思いきや、一番スムーズにできあがっていきました。内面が作者に似ているからかもしれません。狩野雪世の存在も大きかったですね。<br>
「異次元ケーブルカーの秘密」の語り手は鳥居未菜美。その意外な内面が描かれます。いきなり設定をかき回してきた新署長・鳥羽は、現在執筆中の長編の重要人物です。初めの予定ではその話がここに収録されるはずだったのです。ところが書き始めてみると非常に長くなりそうだったので、これは改めて長編とし、その設定を活かして別の短編――つまり「異次元ケーブルカーの秘密」――を書くことにしました。ですからこの一編は、次の長編のプロローグ的な面もあります。<br>
　などと言いつつ、とにかくケーブルカーで一本書きたかった、それに尽きるのも事実なのでした。
<br><br>
<div align="center"><font color="brown">＊</font></div>
<br>
　プチ情報をひとつ。<br>
　メインの登場人物の名字は絵師から採っています。歌川・勝川・鳥居・狩野は江戸・明治に隆盛を極めた浮世絵や日本画の流派。他にも司馬江漢・伊藤若冲・鈴木春信・小林清親・曾我蕭白・鳥羽僧正・円山応挙・谷文晁・尾形光琳等々。<br>
　ちなみに名探偵月岡芳人は、幕末から明治にかけて血みどろの無惨絵で名を成し、最期は狂死したとされる月岡芳年から。小林少年の名前である芳雄にもつながっていて、この命名センスは自画自賛したいところです。<br>
<br>

</br>
<div align=right>（2011年11月7日）</div> 
 
<hr color="gray" size="1"> 
<font color="navy">■ <b>秋梨惟喬</b>（あきなし・これたか）</font><br />1962年8月17日岐阜県生まれ。広島大学文学部史学科（東洋史学）卒業。1993年「落研の殺人」が鮎川哲也編『本格推理2』に、1995年「憧れの少年探偵団」が北村薫・宮部みゆき選『推理短編六佳撰』に収録される（ともに那伽井聖名義）。2006年、秋梨名義による「殺三狼」で第3回ミステリーズ！新人賞を受賞。<br /><br /> 
 
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    </content>
</entry>

<entry>
    <title>『ガラスのターゲット』刊行記念特別掌編　安萬純一「日常の謎殺人事件」［2011年7月］</title>
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    <id>tag:www.webmysteries.jp,2011://6.1115</id>

    <published>2011-07-05T11:01:30Z</published>
    <updated>2011-07-05T05:06:40Z</updated>

    <summary>  ■『ガラスのターゲット』刊行記念特別掲載 安萬純一「日常の謎殺人事件」 「今度は日常の謎でいこう」 「はっ、アマンさんがですか」 「そうだよ。いつも血みどろだったり体が吹き飛んだりばかりじゃ、読者...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
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        <![CDATA[<div style="FLOAT: right; WIDTH: 150px"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488024796"><font style="FONT-SIZE: 1.25em"><img height="194" alt="ガラスのターゲット" hspace="8" src="http://www.tsogen.co.jp/img/cover_image_m/2479.jpg" width="138" vspace="8" border="1" /></font> 
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■『ガラスのターゲット』刊行記念特別掲載<br>
<strong><big>安萬純一「日常の謎殺人事件」</big></strong><br><br><br>

「今度は日常の謎でいこう」<br>
「はっ、アマンさんがですか」<br>
「そうだよ。いつも血みどろだったり体が吹き飛んだりばかりじゃ、読者が限定されてしまうからね。日常の謎は人気だし。ただね、やっぱりただの日常の謎じゃ変わりばえがしないから、ちょっと捻ってみようとは思うけどね」<br>
「捻るって、どんなふうにです」<br>
「ほら、よく日常の謎の作品が批判される理由として、出てくるのが善人ばかりというのがあるだろう」<br>
「ああ、そうですね」<br>
「怪しげな行動が、実はある人のためを思ってのことだったというパターンが多いね。たとえば、ＡちゃんがテストのときにＢちゃんの筆箱を隠したのは、Ｂちゃんにカンニングをさせないためだったとか、時間に几帳面なＣさんが待ち合わせにわざと遅れたのは、親友のＤさんが計画していた銀行強盗を未然に防いで、Ｄさんを犯罪者にしないためだったとか、真面目なＥさんが授業中に教科書を逆さに持って、しかも扇子のようにあおいでいたのは、無能な教師に、いかにだめな授業をしているか自覚させ、クラスのみんなのために有能な先生と取り替えようとしていたためだったからとか、ね」<br>
「……ちっ、ちょっと待ってくださいよ。アマンさんって、どんな日常の謎を読んできたんです？　特に最初のやつ、筆箱ごと隠されちゃったら、Ｂちゃんはテストそのものができないじゃないですか。０点でしょう。二つめのも銀行強盗って日常の謎ですか？　それに最後のＥさん、どちらかというと善人というより怖い人ですよね」<br>
「ふむ。まあともかく、登場人物が善人ばかりだと、読んでいる方が気恥ずかしくなってしまうというわけなんだな。これはたとえて言えば、ケーキ・バイキングでセンベイが欲しくなるみたいなものだね。ふかふかのクッションばかりに腰掛けているとセンベイ布団が恋しくなるみたいな。つまり甘さと辛さのハーモニーが大切だってことなんだろう。でも、ついでに言うけど、ポテトチップをチョコレートにつけこんだやつは、あれはあまり食べたくないな」<br>
「ああ。あれは僕も好きじゃないです。ところで、捻りの意味がまだですけど」<br>
「僕が考えた捻りってのはね、一見善人ばかりと見えた登場人物たちが、最後には実は全員悪人だったという展開のことなんだ」<br>
「はぁ？　なんか、よくあるパターンを逆さにしただけじゃないですか」<br>
「まぁ砕けた言い方をするとそういうことだな。だが、片方の上履きを隠しただけの子が、実は殺人者だったらすごいだろ。本を一ページ置きに読んでいる変な奴と思った相手が爆弾製造者だったら。最終的には登場人物みんなが誰かを殺そうとしていたことが知れる。このさい種明かしをしてしまうと、そのターゲットはあなた。つまり読者を殺そうとしていたという恐るべき話なんだ」<br>
「……はぁ。しかし、殺人とかがバンバン出てきちゃうと、日常の謎じゃなくなっちゃうんじゃないですか。アマンさんの普段の話と変わらないでしょう」<br>
「ニュースには毎日、殺人事件が出ている。もはや殺人は日常さ。爆弾で三十人吹き飛ばそうが、人体をぶっつぶそうが、日常の謎といえば言える。要は作者が言い切ってしまうかどうかだろうね」<br>
「……開き直ってますね。で、タイトルはどうするんです」<br>
「タイトルはずばり『日常の謎殺人事件』だよ。まあ、タイトルはいつもボツるから、どうなるかは判らないがね」<br>
「はぁ、タイトルがですか。……そういう騙され方っていうのは、日常の謎ファンは好まないんじゃないですかねえ」<br>
「読者一人一人の好みまで斟酌してられないよ。はっはっ」<br>

</br>
<div align=right>（2011年7月5日）</div> 
 
<hr color="gray" size="1"> 
<font color="navy">■ <b>安萬純一</b>（あまん・じゅんいち）</font><br />1964年東京都生まれ。東京歯科大卒。2010年、<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488024642" target="_blank">『ボディ・メッセージ』</a>で第20回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。<br /><br /> 
 
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    </content>
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<entry>
    <title>フェルディナント・フォン・シーラッハ／酒寄進一訳『犯罪』　ここだけの訳者あとがき【後編】（1/2）［2011年7月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/afterword/sakayori1107-1.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2011://6.1125</id>

    <published>2011-07-05T06:51:21Z</published>
    <updated>2011-07-06T06:09:52Z</updated>

    <summary>弁護士が数々の“異様な犯罪”を語る、 欧米読書界を驚嘆せしめた傑作！ （11年6月刊『犯罪』） 酒寄進一　shinichi SAKAYORI  ■『犯罪』特製リーフレットのダウンロードはこちらから ■...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="440 ここだけのあとがき" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[<big>弁護士が数々の“異様な犯罪”を語る、<br>
欧米読書界を驚嘆せしめた傑作！</big><br />
（11年6月刊『犯罪』） <br /><br /><font color="brown"><b><font style="FONT-SIZE: 1.25em">酒寄進一</font></b>　shinichi SAKAYORI</font> 
<hr color="gray" size="1">
<br>
■『犯罪』特製リーフレットのダウンロードは<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/bookstore/download/3706310524.pdf">こちら</a>から<br>
■<a href="http://www.webmysteries.jp/afterword/sakayori1106-1.html">ここだけの訳者あとがき【前編】</a><br><br>


<p>　</p>
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 150px"><font size="3"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488013363"><img height="198" alt="犯罪" hspace="12" src="http://www.tsogen.co.jp/img/cover_image_m/1336.jpg" width="138" vspace="10" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" src="http://www.tsogen.co.jp/img/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" /></div></a></font></div>
<p>
<b>　シーラッハさんと一緒にブレックファースト</b><br><br>

　先回の「ここだけのあとがき」を入稿した日の夜、シーラッハさんからメールが届いた。<br><br>

<blockquote>
　親愛なる酒寄様<br>
　ひとつお願いがあります。このあいだ会ったときに、あなたが東京からベルリンに飛んだときの話をされていましたね。機長が飛行中、乗客に日本で災害が起きたと機内放送したということでしたが、正確なデータ（便名など）を教えてもらえませんか。それから、機長がなにをどのように語ったかも教えてもらえるとありがたいです。私はそのすべてを、これから書こうと思っている物語に使いたいと思いまして。でもご心配なく。その物語はもちろん、あなたについてではありませんから。<br>
　　よろしくお願いします。<br></blockquote>
<br>
　メールはこんな文面だった。私はすぐに返事を書いた。<br><br>

<blockquote>
　　親愛なるシーラッハ様<br>
　　なんという偶然でしょう。私もメールを送ろうとしていたところでした。<br>
　　ご質問について。<br>
　　私の飛行機はフィンエアーでした。ですので、ヘルシンキで乗り換えています。<br>
　　AY074便　出発12時00分　成田　　　　　到着15時20分　ヘルシンキ<br>
　　AY917便　出発17時30分　ヘルシンキ　　到着18時26分　ベルリン（ただし、到着はおよそ40分遅れる）<br>
　　そのときは、こんな感じでした。通常通り、着陸前に機長は現地時間と天候などを伝えてくれました。それから少し間があいて、最後にこういいました。「日本で地震がありました。正確なことはわかりません」<br>
　　ただそれだけ。<br>
　　あのときは本当に不安でした。ふつうの地震ならわざわざこんな機内放送をするはずがありませんから。<br>
　　着陸後、私は他の日本人乗客とともに税関を抜けました。そこに日本大使館のスタッフが待っていました。彼はYahooのニュースページをたくさんコピーして私たちに配っていました。そのページは記念として今でも持っています。もし必要なら探しましょう。<br></blockquote>
<br>

　すでにおわかりの通り、僕は今回の東日本大震災が起こった３月１１日、地震の起こる二時間ほど前に成田を発った。ベルリンでいつも借りているアパートには１６インチぐらいのテレビしかなく、そのニュースとインターネットの情報だけで帰国する２２日（しかしヘルシンキで乗り継ぎがうまくいかず、実際に帰ったのは２３日）まで、けっこう不安な日々を過ごすことになった。滞在中は、世界中から招かれたドイツ語翻訳者３３人とともに、ドイツの作家や編集者や評論家と様々なディスカッションをしたが、気持ちは絶えず日本へ飛んでいた。ニュース映像のほとんどは、あの津波の映像のくり返しで、わかることといったら刻一刻と変わる福島から関東にいたる風の動き。東京に放射能がいってるじゃないか、とそればかりが目に入った。<br><br>

　そのうちにドイツ大使館は大阪に拠点を移すし、ルフトハンザの日本便は欠航になるし、知り合いのドイツ人は北海道に疎開するし、北海道の知人からは北海道へ疎開するときはいってくださいとメールが来るし、僕ははたして日本に帰れるだろうかと不安だった。<br>
　そんな怒濤のようなベルリン滞在中、心のオアシスになったのがシーラッハさんだった。<br><br>

　シーラッハさんとは帰国間際の２０日に再びあのイタリアレストランで再会した。今回は一緒にブレックファーストをしましょう、ということで待ち合わせ時間は午前１１時。特に殺人事件も起こらず、無事にレストランに辿りつく。入口を入ると、すぐにオーナーが飛んできた。「シーラッハさんは少し散歩に出ています」といって、一番奥のテーブルに僕を案内してくれた。見ると、白いテーブルクロスをかけたテーブルにはナイフとフォークとお皿のセットが三つ。僕は、あれっと思った。しばらく座って待っていると、シーラッハさんが奥さんと連れだってやってきた。ドイツ女性には珍しいくらいシャイな感じの美しい奥さんだった。<br><br>

　なんだかものすごく古風なおつきあいの段取りを踏まされているな、と僕は思った。次はきっとランチのお誘いで、ひょっとしたら自宅かもしれない。<br>
　開口一番、シーラッハさんが話題にしたのは、もちろん大震災のことだった。といっても僕にはシーラッハさん以上の情報はなかった。一緒になって大変なことだ、弱った、と嘆くほかなかった。<br><br>

　『犯罪』をすでに読んだ方ならおわかりだろうが、物語のなかで「日本」が絡む作品がある。第二短編集Schuld（『罪』（仮）、２０１２年小社より刊行予定）でも京都の禅寺に修行に入り、その後某自動車会社の重役にのぼりつめるドイツ人が登場する話がある。シーラッハさんはかなりの日本びいきなのだ。食事中に奥さんがぽろっといった。「以前夫と一緒に日本語を勉強したことがあるんです」と。しかもシーラッハさんの愛読書は三島由紀夫の作品群。翻訳者会議で大量の本をもらい、持ち帰るのに難儀していた僕にシーラッハさんがプレゼントしてくれたのは、ある日本人写真家の分厚くて重い大判の写真集だった。「私がもっとも愛する写真家の写真集です」と、シーラッハさんはいうのだが……。<br><br>

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    </content>
</entry>

<entry>
    <title>山口芳宏『蒼志馬博士の不可思議な犯罪』［2011年6月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/afterword/yamaguchi1106.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2011://6.1087</id>

    <published>2011-06-06T11:26:36Z</published>
    <updated>2011-06-17T23:20:55Z</updated>

    <summary>ここだけのあとがき 探偵のライバルはもちろん博士、マッドサイエンティストでしょう （11年6月刊『蒼志馬博士の不可思議な犯罪』） 山口芳宏　yoshihiro YAMAGUCHI  　   　この作品...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="440 ここだけのあとがき" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[<big><strong>ここだけのあとがき</strong><br>
探偵のライバルはもちろん博士、<br>マッドサイエンティストでしょう</big><br />
（11年6月刊『蒼志馬博士の不可思議な犯罪』） <br /><br /><font color="brown"><b><font style="FONT-SIZE: 1.25em">山口芳宏</font></b>　yoshihiro YAMAGUCHI</font> 
<hr color="gray" size="1">

<p>　</p>
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 150px"><font size="3"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488416133"><img height="198" alt="蒼志馬博士の不可思議な犯罪" hspace="12" src="http://www.tsogen.co.jp/img/cover_image_m/41613.jpg" width="138" vspace="10" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" src="http://www.tsogen.co.jp/img/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" /></div></a></font></div>
<p>
　この作品では、本にも「あとがき」を書きましたが、ここではそこに書けなかったことを……（本物の「あとがき」は、本をご購入してお読みください）。<br>
　さて、本作ができた経緯を簡単に書きますと――最初、担当編集さんの要望は、「できれば探偵の荒城や真野原が活躍する話で、昭和20年代の港町・横浜の情景が浮かぶようなものを」とのことでした。<br>
　この依頼は望むところでしたが、しかし当時の横浜を舞台にしただけではおもしろくありません。そこでいろいろと考えたあげく、日本軍の秘密研究をモチーフにすることとしました。<br>
　となると、探偵のライバルはもちろん博士、マッドサイエンティストでしょう。ミステリ界には、「目羅博士」（江戸川乱歩）、<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062753480/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4062753480" target="_blank">『増加博士と目減卿』<a/>（二階堂黎人）、<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062645602/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4062645602" target="_blank">『冷たい密室と博士たち』</a>（森博嗣）――など数々の「博士ミステリ」があるので、目指すはそこです。<br>
　これらの要素に当時のＧＨＱや日本政府を絡ませ、「陰謀」渦巻く娯楽小説を書こうと考えました。<br><br>

　誤解を承知で書くと、ぼくは「陰謀論」が大好きです。もちろん全部の陰謀論を信じているわけではないですよ。しかし中には真実（に近いもの）であることがごく稀にありますし、そもそも陰謀論には人間や社会の一面がにじみ出るからです。<br>
　誰が20年前に北朝鮮による拉致の存在を信じたでしょう？　誰がオウム真理教の異常な犯罪行為を信じたでしょう？<br>
　そして実際ＧＨＱ（アメリカ中心の占領軍）が存在した当時――いやＧＨＱがなくなってからもしばらくは、アメリカの情報工作は確かに存在していました。かつて占領下での謀略を描いた<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4167106973/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4167106973" target="_blank">『日本の黒い霧』</a>（松本清張）というノンフィクション作品もありましたね。この作品も当時は一部の人たちから「そんな陰謀めいた話があるわけがない」と馬鹿にされたようですが――いまになってみればどうでしょう。確かに疑問に思える部分もあるものの、近年に公開されたアメリカの機密文書によると、想像されていた以上の暗躍があったことがわかっています。<br>
　実際、本作を書くに当たって資料を読んでいると、「え、アメリカはこんなことまでやってたんだ」と驚くことがしばしばでした（皮肉なことに、近年になってやっと機密文書が公開されて、わかるようになりました。日本軍の秘密研究に関しても、じつは最近になって明らかになった資料が多々あります）。<br><br>

　そして陰謀とは言わないまでも、福島の原発事故における政府対応を見ていても、わかりますよね。政府は決して、すべての情報を即座に公開しません。「パニックになるのが怖いから」「まだ真実だとわかっていないから」という大義名分のもと、情報を出すのを渋ります。<br>
　これらがすべて、意図的に隠蔽したものだとは言いません。しかし人間には、自己防衛本能があります。とっさに「いま情報を出すのが損か得か？」を考え出すと、各々の価値判断で情報公開を遅らせたり、先送りにします。<br>
　しかもいったん先送りにしたら、今度はそれに矛盾がないように、情報を選別したり誇張（または矮小化）するようになります。泥沼です。子どもがいったんウソをつくと、次からはそれに合うようなウソを重ねるのと同じですね。<br>
　そうして選別された情報がマスコミに流れるとどうなるか？　やはり多くの人は、真に受けてしまいます。一種のキャンペーン活動です。<br>
　重ねて言いますが、ほとんどの政府関係者に意図的な（明確な）悪意はないでしょう。しかし各々がその場その場で「損得勘定による判断」や「恐怖による躊躇」を積み重ねていくと、いつの間にか真実がねじ曲がってしまいます。<br>
　これでは「隠している」と言われても、しょうがない。結果として、国民にはそう見えてしまいます。<br><br>

　つまりぼくが何を言いたいのかというと、「政府がいつも真実を語るとは限らないから、国民は各々で判断したほうがいいのではないか」ということです。こればかりは、きちんと自分で調べ、自分の頭で考えるしかない。あるいは、信頼できる人の説に耳を傾けるしかない。<br>
　だから普段から陰謀論を馬鹿にせず、むしろ楽しむくらいの気持ちで、「もしかしたら、裏には何かあるかもしれないなあ」と考えておくのがいいのではないでしょうか。そうした気持ちで、『蒼志馬博士の不可思議な犯罪』に書かれた陰謀を楽しんでもらえると幸いです。<br><br>

　そして最後に。この本の紹介の中には「〈大冒険シリーズ〉番外編」と書かれたものもありますが、ぼく自身はこれこそ〈大冒険シリーズ〉の本編だと思っています（笑）。シリーズでは<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488024390" target="_blank">『豪華客船エリス号の大冒険』</a>に並ぶ重要な位置をしめているのではないかとも考えています（理由は秘密ですが）。<br>
　しかも、この作品は一冊目として読んでも大丈夫なようにつくってあります。担当編集さんがわかりやすい前口上（シリーズあらすじ）をつけてくれましたし、過去作のネタバレもしていないので、ぼくの小説が初めてという方もぜひどうぞ！
<br /><br /></font></p>
<div align="right">（2011年6月）</div>
<hr color="gray" size="1">
<font color="navy">■ <b>山口芳宏</b>（やまぐち・よしひろ）</font><br />
作家。1973年三重県生まれ。横浜国立大学卒。2007年、<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488416119">『雲上都市の大冒険』</a>で第17回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。著作は他に、『豪華客船エリス号の大冒険』<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4061826727/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4061826727" target="_blank">『妖精島の殺人』</a><a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4061827022/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4061827022" target="_blank">『学園島の殺人』</a><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488024567">『100人館の殺人』</a>がある。最新刊は、創元推理文庫『蒼志馬博士の不可思議な犯罪』。
<br /><br />
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    </content>
</entry>

<entry>
    <title>フェルディナント・フォン・シーラッハ／酒寄進一訳『犯罪』　ここだけの訳者あとがき【前編】（1/2）［2011年6月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/afterword/sakayori1106-1.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2011://6.1086</id>

    <published>2011-06-06T11:12:19Z</published>
    <updated>2011-06-06T05:51:32Z</updated>

    <summary>弁護士が数々の“異様な犯罪”を語る、 欧米読書界を驚嘆せしめた傑作！ （11年6月刊『犯罪』） 酒寄進一　shinichi SAKAYORI  　   　シーラッハさんと過ごしたコーヒータイム 「先生...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="440 ここだけのあとがき" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[<big>弁護士が数々の“異様な犯罪”を語る、<br>
欧米読書界を驚嘆せしめた傑作！</big><br />
（11年6月刊『犯罪』） <br /><br /><font color="brown"><b><font style="FONT-SIZE: 1.25em">酒寄進一</font></b>　shinichi SAKAYORI</font> 
<hr color="gray" size="1">

<p>　</p>
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 150px"><font size="3"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488013363"><img height="198" alt="犯罪" hspace="12" src="http://www.tsogen.co.jp/img/cover_image_m/1336.jpg" width="138" vspace="10" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" src="http://www.tsogen.co.jp/img/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" /></div></a></font></div>
<p>
　<b>シーラッハさんと過ごしたコーヒータイム</b><br><br>

「先生、ごめんなさい。地下鉄で事件があって、動きが取れなくなっちゃったんです」<br>
「一人でまたあのあたりへ行っていたのか？　危ないから行っちゃいけないっていっておいたのに」<br>
「まだ明るいうちだから大丈夫だと思ったんです。警官が何人も来て、なんだか人が死んじゃったような」<br><br>

　2010年の11月、学生を7人連れてベルリンにフィールドワークに行っていたとき、一人の女子学生とこんな会話をした。時間は午後の6時頃。ドイツではこの時期すでに日が暮れている。その日はもう見学やイベントの予定はなく、ぼくはシーラッハさんに会う予定の翌日に備えて、彼のインタビュー記事（「ディ・ツァイト紙」2010年3月25日掲載）を読み直そうとしているところだった。<br><br>

　それから二時間ほどしてシーラッハさんからメールがあった。<br>
「急に殺人事件の弁護をすることになり、明日の午前中時間が取れなくなりました」<br>
　そう、デビュー作の連作短編集『犯罪』で2009年にドイツの読書界を震撼させたシーラッハさんの本業は刑事事件専門の弁護士なのだ。しかも元東ドイツ政治局員シャボウスキーや、ドイツのＣＩＡに相当するドイツ連邦情報局の元工作員ユレツコなどの弁護人をつとめるなど、歴史的訴訟に関わったドイツでも屈指の刑事弁護人だ。<br><br>

　そして『犯罪』は、彼が実際に弁護した事件を基にしているというのだから俄然興味をそそられる。第一話「フェーナー氏」を読んで、ぼくもガツンと斧で頭を割られたような衝撃を受けた。知り合いのポルトガル人翻訳家が、先にこの短編集を読んでいて、「鉈で断ち割ったような文体」と評しているが、まさに当を得た表現だ。それぞれの事件の当事者の内面に入って、とことん弁護したからこそ見えてくる人間の闇が、無駄をそぎ落とした文章の行間からふつふつとあふれだしてくる。<br><br>

　もちろん弁護士には守秘義務があるので、短編集で言及される人名も場所も改変されている。第二話「タナタ氏の茶碗」（※）で家宝の茶碗を盗まれたタナタ氏も本当のモデルはもちろん「タナタ」ではない。したがって、のちに東京の美術館に収められたという長治郎の黒い楽焼の茶碗も……。はじめてシーラッハさんに会ったとき、東京の某美術館に実際、黒い茶碗が収蔵されていて、そこから逆にたどると「数百年続く旧家」がある実在する財閥と読めることを伝えると、その偶然の一致にシーラッハさん自身驚いていた。<br><br>

　偶然の一致といえば、すでにみなさんお気づきだろうが、女子学生が遭遇した事件は、シーラッハさんが急遽弁護することになった事件と同一のものだった。そのことを知ったシーラッハさんも驚いて、事件のあらましをすこし話してくれた。これがまた興味深いもので……。もちろんこの地下鉄殺人事件についても、またタナタ氏の本当のモデルについても、ここで明かすことはできない。シーラッハさんは昨年、第二短編集Schuld（『罪』、2012年小社より刊行予定）を発表していて、これからも執筆を続けるというので、もしかしたらこの地下鉄殺人事件もいつか形を変えて物語になるかもしれない。<br><br>

　さて、話を2010年11月にもどそう。待ち合わせがいったんキャンセルになったあと、何回かメールのやりとりをして、なんとかその日の夕方に一時間ほど時間を取ってもらえることになった。これからそのときのことをみなさんにお話ししたい。<br><br>

　シーラッハさんが待ち合わせに指定したのは、ベルリンの繁華街からすこし入った閑静な住宅街に店を構えるイタリアレストラン〈M〉だった。11月だというのに入口の左右に白いテーブルクロスをかけた席がひとつずつあり、黒と赤が基調のおしゃれなドアがそこにあった。ドアを入ると、通路を挟んで左右に五つか六つくらいの席しかない小さなレストランだ。<br><br>

　約束の時間の十分前に着いたぼくは、ちょうど客を送って玄関から出てきたウェイターに声をかけた。<br>
「あの、シーラッハさんと待ち合わせをしているんですが」<br>
「ああ、もう来ていらっしゃいますよ」<br>
　ウェイターが開けたドアを入ると、すぐ右手にある二人がけの席にシーラッハさんはいた。<br><br>

　絶対に聞いておこうと用意していた質問事項は短編集のタイトル順にかなりの数になっていた。持ち時間は一時間、エスプレッソとシーラッハさんお奨めの洋梨のタルトが出てきたところで、ちょうどぼくの自己紹介も済み、本題に入った。<br><br>

　ここでは「フェーナー氏」のなかに出てくる einsam という単語のことだけ触れておこう。上記のインタビュー記事でも、「人になじめない感覚」に関わってシーラッハさんが使っている単語のひとつである。「孤独の」とか「寂しい」という意味の単語だが、フェーナー氏が愛する人と結婚し、ハネムーン中に感じるにしてはずいぶん奇異な感覚だと思い、尋ねてみた。<br><br>

　そのときのシーラッハさんの返事は、インタビュー記事のこんな箇所とほぼそっくりの内容だった。<br>
「私の仕事は一種の救済です。私はいつも人になじめませんでした。家では家族に、そしてもちろん外でも。子どものとき、私は友だちの家にめったに泊まることがありませんでした。自分はその仲間ではないと思ったからです。（中略）ずっとのちになって、刑事弁護人になって数年が過ぎたとき、そういう感覚を味わっているのが自分だけではないとようやくわかったのです。依頼人が弁護人を訪ねるとき、たいていの場合、その人の人格を形成する文化も権利も秩序もすべてが崩壊し、奈落の底の一歩手前にいるものです。彼らが弁護士に普段よりも多くのことを語るのはおそらくそのせいでしょう。彼らの言葉によく耳を傾けていると、多くの人が同じ感情を共有していることがわかります。なじめないという感覚、疎外感はもちろん話すことで減るものではありません。しかし私がひとりぼっちではないということを知ったことで、私はほっとしたのです」<br>
　弁護するということが弁護される人を救うだけでなく、弁護する側をも救っていたというのだ。ぼくは二杯目のエスプレッソを飲み干しながら唸った。<br><br>

　裁判制度では当然、弁護する側と弁護される側のあいだにはっきりとした境界線が引かれている。この約束事がじつは虚構でしかないということをまざまざと見せつけられた気がしたからだ。シーラッハさんにいわせると、裁く側と裁かれる側、加害者と被害者のあいだにも、つきつめると何か通底する思いがあり、そこをつきつめるとその境界線は限りなくあいまいになるという。これを小説に置き換えると、書く側と書かれる側、あるいは読む側と読まれる側という話にもなる。どうやら両者が暗黙の了解にしているそうした垣根を取り払ったところで、シーラッハさんは「犯罪」という不条理に新たな光を当てたのだ。ぼくには、シーラッハさんがフランツ・カフカの再来のようにすら思えた。<br><br>

　シーラッハさんはインタビュー記事で、アリストテレスの言葉を引用してこんなことも語っている。
「アリストテレスにすばらしい言葉があります。『すべての学問はつねに驚きからはじまる。物事はあるがままにそこにある』と。あなたには何も変えることなどできないのです。正しいやり方は謙虚に関わることだとわたしは思っています。（中略）悲観的か楽観的か、それは人が何を期待しているかによります。私はもう１６年間刑事弁護人として働いてきました。十分多くの死者を見ました。私はもう何も期待していません。いまが続くことに満足しているのです。私たちはすばらしい時代に生きています。ヨーロッパには戦争もありませんし、おしゃれなイタリアレストランで食事もできます。私たち以前のほとんどの世代よりも恵まれているじゃないですか。とっても良い時代です」<br><br>

　「期待」という言葉は「予断」と言い換えることもできるだろう。「予断」には「物語」がつきものだ。予断を持つ人の「期待の地平」に立った「物語」が。あらかじめ物語を用意せず、物事と真摯に向き合うシーラッハさんの姿勢に、ぼくは感動すら覚えた。<br><br>

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    </content>
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    <title>高橋良平+東京創元社編集部編『東京創元社 文庫解説総目録』　総目録補完計画</title>
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    <id>tag:www.webmysteries.jp,2011://6.1084</id>

    <published>2011-06-06T08:03:38Z</published>
    <updated>2011-06-08T13:23:05Z</updated>

    <summary>ここだけの編者あとがき 文庫約2500点に内容紹介文を付した解説目録。 すべての読書人に贈る必携の書。 編者によるこぼれ話を掲載。 （10年12月刊『東京創元社 文庫解説総目録』） 高橋良平　ryoh...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="440 ここだけのあとがき" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[<font style="FONT-SIZE: 1.5em"><b>ここだけの編者あとがき</b><br />
文庫約2500点に内容紹介文を付した解説目録。<br>
すべての読書人に贈る必携の書。<br>
編者によるこぼれ話を掲載。<br></font>
<font style="FONT-SIZE: 1em">
（10年12月刊『東京創元社 文庫解説総目録』） <br /><br /><font color="brown"><b><font style="FONT-SIZE: 1.50em">高橋良平</font></b>　ryohei TAKAHASHI</font> 
<hr color="gray" size="1">

<p>　</p>
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 150px"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488495114/"><img height="198" alt="東京創元社　文庫解説総目録" hspace="12" src="http://www.tsogen.co.jp/img/cover_image_m/49511.jpg" width="138" vspace="10" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" src="http://www.tsogen.co.jp/img/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" /></div></a></font></div>
<p>
<b>けーかほーこく・１　《創元ブックス》のこと</b><br><br>
　某日、毎月恒例の駅前古本市をひやかしにゆく。初日にのぞいて少々収穫があったので、三日おいて二度目なり。ウォルシュの『暗い窓』、マッギヴァーン『悪徳警官』、アームストロング『悪の仮面』の三長篇を収録した<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000JB4AF6/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B000JB4AF6" target="_blank">《世界名作推理小説体系》第22巻</a>が目にとまる。すでに一冊所蔵しているのだが、今回は箱帯、登場人物表付きの栞、月報（初見）などの付き物も完備とあっては、買わずばなるまい。五百円玉にて購入。<br><br>

　さっそく喫茶店に入ってチェックする。「世界推理小説ベストテン」をメインにした8頁の月報をめくると、「ビッグニュースをお知らせします」の見出しをつけた囲み広告に目が引きつけられる。<br><br>

<blockquote>
〈ポオ、ドイル、チェスタトンを引き合いに出すまでもなく、ミステリーのダイゴ味は短編にあるといわれます。大好評の江戸川乱歩編「世界短編傑作集」（全五巻・創元推理文庫）に続いてお送りしますのは、<br><br>

アメリカ探偵作家クラブ編<br>
現代世界短編小説傑作集（全13巻）<br><br>

このシリーズは世界最高の権威を持つアメリカ探偵作家クラブが中心になり、編纂したアンソロジーで、第一巻（6月刊）はE・A・ポオ賞に輝くスタンリー・エリン「ブレシントン法」を始め、クイーン、バウチャー、M・ギルバート、R・マクドナルド等、現代のミステリー界を背負う代表作家の珠玉短編十七編を収録、美しいカバー付き、コンパクトな新書版で毎月一冊ずつ刊行する予定です。体系、文庫の愛読者のみなさん、乞うご期待！〉</blockquote><br>
</b>
　<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488495114/" target="_blank">『文庫解説総目録』</a>の「資料編」中のインタビュウで、厚木淳さんは覚えてないと発言しているが、どうやら、これが《創元ブックス》の基本計画だったのは間違いない。第一回配本となるブラウンの<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4488605044/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4488605044" target="_blank">『スポンサーから一言』</a>とD・S・デイヴィス編の『アメリカ探偵作家クラブ傑作集１』の二冊が発売されたのが1961年7月、この《体系》は二か月前の5月刊、その間、新書企画が変化したのはなぜか、調査続行の必要あり。<br><br><br>

<b>私が知ってる二、三のこと・１　文庫内双書“ヒーロー・ペーパーバック”のこと</b><br><br>
　四半世紀も前のある日、創元の戸川編集長から架電。「え～と、じつはですねえ、お願いがありまして……」と切り出された用件は、鏡明さん執筆記事の転載許諾だった。<br><br>

　そのころ、地下鉄の東銀座駅を出て旧・東劇＆松竹本社ビルの先、築地一丁目に電通本社があり、その裏の喫茶店で鏡さんと打ち合わせや原稿の受け渡しをしていた。同じ電通マンでも、上司だった石上三登志さんの行きつけの喫茶店は別だったし、佐久間さん（黒丸尚）はマガジンハウス近くの“花の木”をよく利用していたものだ。ともかく、なんの用事だったか覚えていないが、アレコレと喫茶店で長話をしているうち、鏡さんの話があまりに面白く、「それ、書きません？」と原稿依頼する結果に――。<br><br>

　編集していたのはＳＦビジュアル誌を標榜する月刊誌だけど、ＳＦファンが喜びそうならなんでもOKの面白主義を言い訳に、鏡さんのお宅に伺って借りた大量のペーパーバックのカバー画を配して構成したのが、「ヒーロー・ペーパーバックの異常宇宙」だった。なぜ“異常宇宙”と題したかといえば、当時、米ペーパーバック界で、シリーズ化を狙ってのアノ手コノ手、パルプ・マガジン時代にも匹敵する千差万別・玉石混交の冒険活劇小説が瀰漫していたからだ。さながら膨張しはじめたミクロコスモスだった。<br><br>

　そんな状況を愉快に考察した鏡さんの原稿は改稿され、“ヒーロー・ペーパーバック”の元祖であるペンドルトンの《死刑執行人》シリーズの新刊<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000J781UK/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B000J781UK" target="_blank">『月曜日：還ってきた戦士』</a>（1984年2月刊）の解説に使われた。その後、戸川さんとどんな話が交わされたかは知らないけれど、そこで触れられたシリーズから、鏡明セレクションで文庫内双書“ペーパーバック・ヒーローズ”が生まれたのは自明のこと。なお、『文庫解説総目録』の著者名索引の「※」（注記）に、双書である指摘が抜けている作品があるので、ご注意を。<br><br>

　念のためラインナップを挙げておくと、ジェリー・エイハーンの《サバイバリスト》シリーズ<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4488235018/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4488235018" target="_blank">『ヘルドラド』</a>（1987年4月刊）、ジョン・ワイズマン＆ブライアン・ボイヤーの《ヘッドハンターズ》シリーズ<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4488236014/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4488236014" target="_blank">『麻薬都市』（同年6月刊）、テイバー・エヴァンズの西部劇シリーズ《ロングアーム》『連邦捜査官』（同年10月刊）、ジョン・カッターの《ザ・スペシャリスト》シリーズ<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4488238017/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4488238017" target="_blank">『復讐者の怒り』</a>（同年11月刊）、バリー・サドラーの《カスカ》シリーズ<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4488239013/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4488239013" target="_blank">『永遠の傭兵』</a>（88年1月刊）の五冊で完結（終了？）した。残念ながら続巻が出たのは《サバイバリスト》シリーズのみ、<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4488235026/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4488235026" target="_blank">『殺戮のハイウェイ』</a><a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4488235034/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4488235034" target="_blank">『復讐の罠』</a><a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4488235042/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4488235042" target="_blank">『フロリダ半島壊滅』</a><a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4488235050/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4488235050" target="_blank">『最後の楽園』</a>と刊行された。<br><br>

　なお、「ヒーロー・ペーパーバックの異常宇宙」は、さらに改稿のうえ、『アメリカの夢の機械』（本の雑誌社刊行予定）の一章を構成することになっている。<br><br><br>

<b>私が知っている二、三のこと・２　“ナイトハンター”シリーズのこと</b><br><br>
　その話が持ちあがったのは、“創元ノヴェルズ”の立ち上げ以前だったのは決まっているが、当時、ＳＦ部門の責任編集者で、クーンツの<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4488684025/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4488684025" target="_blank">『人類狩り』</a>やパイパーの<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4488685013/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4488685013" target="_blank">『リトル・ファジー』</a>の《甦れ、センス・オブ・ワンダー》ラインを企画したSさんとの電話でおしゃべり中だったと思う、彼に「“創元ノヴェルズ”用になにか面白そうな作品はない？」と尋かれ、「これなんかどうかな」と推薦したのが“ナイトハンター”シリーズだった。なぜ、そんな無名作家の活劇ホラーを勧めたのか。<br>
<br>
　イギリスのブライトンに、今はもうなくなったアンドロメダ・ブックショップというＳＦ・ファンタジー・ホラーの新旧図書、雑誌まで扱うメイルオーダー書店があり、隔月で送られてくるカタログとにらめっこしては、注文していた。我が家にあるバラード、ムアコック、ワトスンらお気に入り作家の原書は、ここのお世話になったものだ。ジョナサン・キャロルの名を知ったのも、このカタログで、新人作家も常にチェックしていたところ、ロバート・フォールコンという聞いたこともない作家のシリーズの紹介文を読んでビックリ。世界幻想文学大賞に輝く<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4047911976/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4047911976" target="_blank">『ミサゴの森』</a>（角川書店）が既訳だったかどうか、少なくともサンリオSF文庫で<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000J7EKCI/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B000J7EKCI" target="blank">『アースウィンド』</a><a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000J7EK7S/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B000J7EK7S" target="_blank">『リードワールド』</a>の二長篇が紹介済みで、英国新鋭ＳＦ作家として認知されていた。そう、『文庫解説総目録』の著者名索引には記されていないが、ロバート・ホールドストックが別名義で書いていたのだ。好奇心をくすぐられ、さっそく注文して入手。そんな次第で、ペーパバックの裏表紙の内容紹介を読んだだけ、中身に目を通さずに推薦したのは問題だが、勘には自信がある（同じような塩梅でH書房のKさんに“ソーニャ・ブルー”シリーズを勧めたことも）。<br><br>

　もちろん、中身をじっくり吟味して翻訳に踏みきり、このシリーズがけっこうな評判をよんだのは、すべて編集部と訳者の功績である。

<br /><br /></font></p>
<div align="right">（2011年6月6日）</div>
<hr color="gray" size="1">
<font color="navy">■ <b>高橋良平</b>（たかはし・りょうへい）</font><br />
1951年生まれ。出版史研究家、ＳＦ評論家、ＳＦ映画評論家、フリー編集者。主な仕事に<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4488015131/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4488015131" target="_blank">『「科學小説」神髄』</a>（野田昌宏著）<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4893890239/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4893890239" target="_blank">『ジェームズ・キャメロンの映像力学』</a>の編纂などがある。<br /><br />
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    <title>伯方雪日『死闘館　我が血を嗣ぐもの』［2010年6月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/afterword/hakata1006.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2010://6.710</id>

    <published>2010-06-07T06:02:00Z</published>
    <updated>2010-11-23T09:01:28Z</updated>

    <summary>ここだけのあとがき ニュージーランドの山奥、嵐と火山で閉ざされた日本家屋。 格闘家一族をめぐる不可解な連続殺人。 新鋭が満を持して放つ初長編。  （10年6月刊『死闘館　我が血を嗣ぐもの』） 伯方雪日...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="440 ここだけのあとがき" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[<font style="FONT-SIZE: 1.25em"><b>ここだけのあとがき</b><br /></font>
ニュージーランドの山奥、嵐と火山で閉ざされた日本家屋。<br />
格闘家一族をめぐる不可解な連続殺人。<br />
新鋭が満を持して放つ初長編。 <br />
（10年6月刊『死闘館　我が血を嗣ぐもの』） <br /><br /><font color="brown"><b><font style="FONT-SIZE: 1.25em">伯方雪日</font></b>　yukihi HAKATA</font> 
<hr color="gray" size="1">

<p>　</p>
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 150px"><font size="3"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488017637"><img height="198" alt="死闘館" hspace="12" src="http://www.tsogen.co.jp/img/cover_image_m/1763.jpg" width="138" vspace="10" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" src="http://www.tsogen.co.jp/img/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" /></div></a></font></div>
<p>
　「ニュージーランドにある日本屋敷を舞台にした格闘技のお話」……。<br />
<br />
　まるで無茶振りされた三題噺のようであるが、こんな組み合わせで本格ミステリを書こうなんて輩がこの世にいるのだろうか。いるとすればそいつはバカなんじゃないだろうか。<br />
<br />
　……はい、そうです。私がそのバカです。<br />
　皆さん大変ご無沙汰しておりました。<b><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488465018">『誰もわたしを倒せない』</a></b>でデビューし、そのまま忘れ去られていた男、伯方雪日です。<br />
　いや、忘れ去られたのはもちろん自分のせいなんですよ。そりゃそうです。作品を書いてなかったんだから。いや、あの、書いていなかったというわけでもないんですが、極度のスローペースというか、面倒くさがりというか、あのその、書き方がわからなかったというか。<br />
　いや、実際そうなのです。僕は普段某大手書店の文芸書担当としてばたばたと忙しく働いているのですが、何を思ったか突如思いついたネタで短編ミステリを書いてしまい、仕事上のコネで当時の東京創元社さんの社長である戸川安宣さんに読んでいただき、「面白いので続きを書いてください」と持ち上げられ、それでもどう書いていいかわからず、数年かかって捻り出したのが前著<b>『誰もわたしを倒せない』</b>だったのでした。<br />
　これは連作短編集で、最後に収録されている表題作が、生まれて初めて書いたミステリで、戸川さんに読んでいただいたものでした。<br />
　要するにまだまだ素人芸で、しかも賞に応募するような下積みも何もなし状態だったため、一冊搾り出しただけで抜け殻のようになっちゃったのです。<br />
　「次は長編を」というありがたいお言葉をいただいたのですが、「長編ってどーーやって書くの！」という無言の叫びが心の中に渦巻いてました。<br />
　「長編なんてまだ無理だ」と思い込んだ僕は、とにかく短編をもう少し書いて勉強しよう、と何作か短編を書いていました。そこで判明したのが、あまりにもいい加減な僕の書き方。メインのネタだけ考えたら、後はすべて行き当たりばったり。都合によって登場人物を変え、設定を変え、性別を変え、伏線を後から挿入し、ひどいときは犯人を平気で変更してしまう。そんな風に創るものだから、あとで読み返しても自分で「誰が犯人だろう」とかわからなくなってたりします（笑）。<br />
　短編ならそれでどうにかなったのですが、さすがにこのやり方では長編は無理だ、と思いました。編集さんとの打ち合わせで、「もう一度格闘技もの」というのは決めてあったので、それをベースに長編にできるネタは……と考えていたところ、以前に一度考えたバカミスネタが再浮上してきました。<br />
　それは、いわゆる「登場人物が閉じ込められた館もの」で、しかし閉じ込められたのが全員最強の格闘家である、というもの（笑）。せっかくなら同じ一族のほうが横溝っぽくていいぞ、とか悪乗りして、当時隆盛を誇っていたグレイシー柔術の一族をモデルにすることを考えました。舞台はブラジルです。「んー、でもそのまんますぎるなあ」と思ったところで、<b>「誰もわたしを倒せない」</b>に登場させたマオリの格闘家、ダレン・スチュードを思い出し、彼のバックボーンを膨らませることによって架空の格闘家一族を考えてみたのです。舞台をニュージーランドに移し、マオリの神話や風俗を調べるうちに、いろいろ盛り込めるネタが増えてきました。特にダレンの父であり、一代にして「アオテア柔術（架空の格闘技です）」を作り上げた、この物語のキーパーソンでもあるテ・ケレオパに関してはどんどんイメージが膨らみ、作中作的にその若き日のエピソードを盛り込むまで気に入ったキャラクターとなりました。<br />
　また、マオリの伝統武芸と日本の柔術を統合した、という設定から、絵的な面白さも狙って、ニュージーランドに日本屋敷を建てることを決め、こうして三題噺が出揃いました（笑）。<br />
　そんなこんなで、生まれて初めての長編に着手し、短編とは違ってきちんとプロット作りから始め、一年ほどかかって初稿が完成しました。<br />
　僕の悪い癖なのですが、ここで脱力しちゃって、しばらくなにもできなくなっちゃいました。今でもそうなのですが、自分の作品を読み返すのが苦痛なのです。どうにも客観的になれない。気恥ずかしい。<br />
　それでもなんとか気力を奮い起こし、編集さんにいろいろご指摘を受け、改稿に挑みました。百枚ほど書き足してほぼ最終稿に近くなったのは、初稿完成から一年も経った頃でしょうか。編集さんも呆れてしまったのか、しばらく出してもらえるのか不安になる日々が続きました。<br />
　しかしその間に無名作家にとってはあまりにも美味しいアンソロジー<b><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488017354">『蝦蟇倉市事件』</a></b>に参加させてもらい、これがまた書いてから刊行されるまでに数年かかったこともあり、単に待機している新作が多すぎて順番待ちなんだ、と知ってほっとしたのでありました。<br />
　そんなわけで、ようやく刊行の順番がやってきました。<br />
　<b><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488017637">『死闘館　我が血を嗣ぐもの』</a></b>。我ながら面白いものが出来上がったと自負しております。格闘技に興味なくとも大丈夫です（ホントかよ）。ぜひとも、ご一読を。<br /><br /></font></p>
<div align="right">（2010年6月）</div>
<hr color="gray" size="1">
<font color="navy">■ <b>伯方雪日</b>（はかた・ゆきひ）</font><br />
1970年京都府生まれ。京都大学工学部精密工学科卒。書店勤務の傍ら、執筆活動を展開。2003年、短編「必然なる偶然」が『創元推理21』に掲載されデビュー。2004年、連作短編集『誰もわたしを倒せない』を発表。大胆な発想と確固たる構成力が注目を集める。本書は、満を持して放つ長編第一作となる。<br /><br />
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    </content>
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    <title>倉阪鬼一郎『薔薇の家、晩夏の夢』［2010年6月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/afterword/kurasaka1006.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2010://6.709</id>

    <published>2010-06-07T06:01:00Z</published>
    <updated>2010-06-07T02:16:27Z</updated>

    <summary>洋館に住む伯父さんから最後にもらった「宿題」は、 世界の「秘密」の鍵だった――。 薔薇と暗号に満ちた幻想的ミステリ （10年6月刊『薔薇の家、晩夏の夢』） 倉阪鬼一郎　kiichiro KURASAK...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="440 ここだけのあとがき" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[<font style="FONT-SIZE: 1.25em"><b>洋館に住む伯父さんから最後にもらった「宿題」は、<br />
世界の「秘密」の鍵だった――。</b><br /></font>
薔薇と暗号に満ちた幻想的ミステリ<br />
（10年6月刊『薔薇の家、晩夏の夢』） <br /><br /><font color="brown"><b><font style="FONT-SIZE: 1.25em">倉阪鬼一郎</font></b>　kiichiro KURASAKA</font> 
<hr color="gray" size="1">

<p>　</p>
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 150px"><font size="3"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488025359"><img height="198" alt="薔薇の家、晩夏の夢" hspace="12" src="http://www.tsogen.co.jp/img/cover_image_m/2535.jpg" width="138" vspace="10" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" src="http://www.tsogen.co.jp/img/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" /></div></a></font></div>
<p>
　薔薇、という字を見ると心が浮き立つ。<br />
　バラ、ではいけない。ばら、ではなおだめだ。どうあっても、花弁そのものを内包しているように見える「薔薇」でなければならない。<br />
　薔薇の花は好きだ。これはこれはとばかりに多種多様な薔薇が咲き誇っている光景がことに望ましい。と言っても、もっぱらよその家や薔薇園の花を鑑賞するばかりで、実際に作る趣味はまったくない。そういう技術は持ち合わせていないし、とても根が続かないと思う。<br />
　逆に、鑑賞するより作るほうが好きなものもある。その最たるものが暗号だ。<br />
　暗号、という言葉も、見るたびに心が浮き立つ。薔薇ほどではないが、暗号にも香りがあるように感じられる。<br />
　薔薇と暗号、二つの心躍るものを組み合わせ、ふんだんに作中世界に撒き散らしてみたのが今回の新作<b><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488025359">『薔薇の家、晩夏の夢』</a></b>だ。薔薇づくし、暗号づくしの幻想ミステリーをお楽しみいただければ幸いである。<br />
　薔薇と暗号といえば、中井英夫氏の諸作が思い出されるけれども、その代表作の一つに<b><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488070038">『とらんぷ譚』</a></b>がある。まだ十代のころに別名義で<b>「『とらんぷ譚』論」</b>を同人誌に発表し、その縁で作者の知遇を得たという思い出の作品だ。それかあらぬか、<b>『薔薇の家、晩夏の夢』</b>を彩る小道具の一つはトランプになっている。<br />
　作中に登場するこの世に一組しかないトランプには、妖しい女の絵が描かれている。そのほかにも、さまざまな架空の絵が現れる。そのうち油絵をと思いながら諸事情あっていまだ果たしていないのだが、目下ＣＧソフトを使って描いているのはおおむね抽象画だから、いずれ絵筆を執っても人物画は描けそうにない。<br />
　ならば、小説の中で描けばいい。薔薇の家に飾られる、実在しない（実際には描けない）油絵は、作者としては気に入っている。ぜひ絵をイメージしながらお読みいただきたい。<br />
　さて、小説の中にしか存在しない絵画ならではの機能がある。一部の現代アートや騙し絵を除けば、絵は額縁の外へ出ることができない。区切られたフレームの中で静止しているしかないのだ。<br />
　しかし、小説の中の絵は違う。いともたやすくフレームを超え、作品世界を侵犯することができる。たとえばこの作品では……いや、この先は読んでのお楽しみということにしておこう。<br />
　昨年はありがたいことに、バカミスの<b><a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4061826689?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4061826689" target="blank">『三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人』</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=wwwtsogecojp-22&l=as2&o=9&a=4061826689" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" /></b>と物語系の<b><a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4152090243?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4152090243" target="blank">『遠い旋律、草原の光』</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=wwwtsogecojp-22&l=as2&o=9&a=4152090243" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" /></b>がそれぞれの傾向の代表作という評価をしていただいた。これまで幻想（怪奇）ミステリーをいろいろと手がけてきたが、今年はこの<b>『薔薇の家、晩夏の夢』</b>がそちらの系列の代表作になってくれるのではないかと期待している。<br />
　では、すぐそこにある扉を開けて、薔薇と暗号の香りでむせ返るような世界へ。<br /><br /></font></p>
<div align="right">（2010年6月）</div>
<hr color="gray" size="1">
<font color="navy">■ <b>倉阪鬼一郎</b>（くらさか・きいちろう）</font><br />
1960年三重県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。87年に短編集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社勤務等を経て、98年より専業作家となる。ミステリ、ホラー、幻想小説と、その作品分野は多岐にわたり、独特の作風を確立している。著作に『百鬼譚の夜』『赤い額縁』『田舎の事件』『無言劇』などがある。翻訳家、俳人としても活躍。<br /><br />
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    </content>
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<entry>
    <title>スペンサー・クイン／古草秀子訳『ぼくの名はチェット』［2010年5月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/afterword/furukusa1005.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2010://6.664</id>

    <published>2010-05-07T05:01:00Z</published>
    <updated>2010-05-07T03:36:32Z</updated>

    <summary>ここだけの訳者あとがき チェットが犬の目、犬の心ですべてを語る、 全世界の犬好きの心を鷲掴みにした傑作ミステリ。   （10年5月刊スペンサー・クイン『ぼくの名はチェット』） 古草秀子　hideko ...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="440 ここだけのあとがき" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[<font style="FONT-SIZE: 1.25em"><b>ここだけの訳者あとがき</b><br /></font>
チェットが犬の目、犬の心ですべてを語る、<br />
全世界の犬好きの心を鷲掴みにした傑作ミステリ。  <br />
（10年5月刊スペンサー・クイン『ぼくの名はチェット』） <br /><br /><font color="brown"><b><font style="FONT-SIZE: 1.25em">古草秀子</font></b>　hideko FURUKUSA</font> 
<hr color="gray" size="1">

<p>　</p>
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 150px"><font size="3"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488013271"><img height="198" alt="ぼくの名はチェット" hspace="12" src="http://www.tsogen.co.jp/img/cover_image_m/1327.jpg" width="138" vspace="10" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" src="http://www.tsogen.co.jp/img/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" /></div></a></font></div>
<p>
　名犬チェットが犬の視点から女子高生失踪事件の顛末を語る、スペンサー・クイン（ピーター・エイブラハムズ）の魅力的な全米ベストセラーを、ぜひともたくさんのみなさんに楽しんでいただきたいと、犬バカの訳者は心から願っております。<br />
　この物語の黄金コンビ、名犬チェットとちょっとサエない私立探偵バーニーは、このうえなく強い絆で結ばれています。チェットは人間の言葉で会話こそしませんが、バーニーが落ち込んでいれば前足をそっと差しのべて慰め、彼が窮地に陥れば命をかけて助け、喜びはともに分かち合います。<br />
　警察犬訓練所で優秀な成績を誇っていたチェットは、卒業を目前にして、猫がからんだ事故とやらのせいで落第して警察犬になれず、今ではバーニーのもとで探偵の相棒をつとめています。かつては陸軍士官学校卒のエリートだったらしいバーニーは、妻に離婚されて最愛の息子も取られてしまい、心も懐具合も寂しい生活を送っています。一人と一匹は、どちらも挫折した過去を持つ身の上というわけです。<br />
　それにしても、もしこの世に犬がいなかったら、人間はどんなに孤独だったでしょうか。犬と一緒に暮らしていると、そのありがたみがつくづく身にしみます。チェットのバーニーへの献身には負けるかもしれませんが、わが家の迷犬ララ・クロフトも、訳者のような出来の悪い飼い主にストレートな愛情を惜しみなく与えてくれます。ちょっと買い物に出かけて帰宅すると、そのたびに猛烈に歓迎してくれるのは、いつもながらうれしいもの。「ああ、あなただけよね。こんなに愛してくれるのは……」と思ってしまいます（猛烈すぎて少々迷惑なときもありますが）。<br />
　チェットは大型犬で、ものすごい食いしん坊という設定なので、拾い食いする場面がしばしば登場します。腐ったバーガーのかけらを食べて吐いたり、ポップコーンが歯に挟まってしまったり。ですが、食い意地が張っているという点では、わが家の迷犬も負けてはいません。じつは使い捨て髭剃りを食べたことがあります！　ホテルのアメニティにあるような、プラスチックの本体に金属の刃がついているあれです。気づいたときには、プラスチックの部分はすべて消え、ぐちゃぐちゃに噛みつぶされた金属部分だけが残っていました。本人（犬）はどうも元気がなく、不安げな情けない顔つき。これは大変だと焦りましたが、しばらくするとゲゲッと吐き戻して、みごとに元気を取り戻しました。驚くべき回復力。それ以来、「迷犬の口が届く範囲にはなにも置くな」というのが、わが家の掟になったのは言うまでもありません。<br />
　考えてみれば、人間の言葉をしゃべらないのは、犬が愛される存在である理由のひとつなのでしょう。迷犬ララ・クロフトは毎日、午後四時半になると、たとえこちらがどんなに忙しかろうがお構いなしに、ご飯をくれとヒーヒー声でうるさく催促します。もしこれが、「ご飯まだ？　ご飯まだ？　えっ、まだなの？」と人間の言葉でくりかえし要求されたなら、腹がたつかもしれませんが、彼女のヒーヒー声の呼びかけには、「あらっ、ごめんなさいね」と反応してしまいます。<br />
　ところで、チェットがどんな犬種なのかは、今のところはっきりしません。どうやらミックス犬らしいのですが、どの犬種が混じっているのでしょうか？　ウエブ上では読者たちがさまざまな自説を披露していて、これがなかなか面白いのです。たとえば、警察犬候補だったのでシェパードの血が流れているに違いないとか、原書カバーに写っている尻尾の色や形からしてボーダーコリーだろうとか……。ラブラドールだと主張する人もいます。もしかしたらバーニーズが混じっているのかしらとも思えます。あれこれ想像が掻きたてられて、いろいろ興味が尽きません。ちなみに、迷犬ララ・クロフトは白黒はっきりしたボーダーコリーで、散歩中に出会う子供たちから「パンダだ」と指差されたりしますが、原書カバーと瓜二つの尻尾の持ち主なので、この本を最初に一目見たとき、訳者は運命の出会いを感じました。<br />
　この先、チェットが警察犬訓練所を落第した原因はくわしく語られるのか、バーニーがしがない私立探偵に落ちつくまでの過去は明かされるのか、シリーズの展開がとても楽しみです。<br /></font></p>
<div align="right">（2010年5月）</div>
<hr color="gray" size="1">
<font color="navy">■ <b>古草秀子</b>（ふるくさ・ひでこ）</font><br />
青山学院大学文学部英米文学科卒業。ロンドン大学アジア・アフリカ研究院（SOAS）を経て、ロンドン大学経済学院（LSE）大学院にて国際政治学を学ぶ。訳書にＪ・バーンズ<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488016395">『イングランド・イングランド』</a>、Ｊ・グローガン『マーリー』、マッソン『犬の愛に嘘はない』他多数。<br /><br />
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    </content>
</entry>

<entry>
    <title>加藤実秋『Ｄカラーバケーション　インディゴの夜』［2010年5月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/afterword/kato1005.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2010://6.663</id>

    <published>2010-05-07T05:00:00Z</published>
    <updated>2010-05-07T07:53:12Z</updated>

    <summary>謎づくしの「あの人」の素顔が明らかに！？ ますます冴えと、キレを見せる〈インディゴの夜シリーズ〉第四弾。  （10年4月刊『Ｄカラーバケーション　インディゴの夜』） 加藤実秋　miaki KATO  ...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="440 ここだけのあとがき" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[<font style="FONT-SIZE: 1.25em"><b>謎づくしの「あの人」の素顔が明らかに！？</b><br /></font>
ますます冴えと、キレを見せる〈インディゴの夜シリーズ〉第四弾。 <br />
（10年4月刊『Ｄカラーバケーション　インディゴの夜』） <br /><br /><font color="brown"><b><font style="FONT-SIZE: 1.25em">加藤実秋</font></b>　miaki KATO</font> 
<hr color="gray" size="1">

<p>　</p>
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 150px"><font size="3"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488024574"><img height="198" alt="Ｄカラーバケーション" hspace="12" src="http://www.tsogen.co.jp/img/cover_image_m/2457.jpg" width="138" vspace="10" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" src="http://www.tsogen.co.jp/img/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" /></div></a></font></div>
<p>
「インディゴの夜」シリーズ、高校野球風に言うなら「２年ぶり四度（作）目」の新作です。<br />
　連作スタイルを続けていると、書きながら「次はこの人にスポットを当てよう」「こんなモチーフの話も書きたい」と次作への宿題のようなものが生まれます。今作も同様で、<b><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488468033">『ホワイトクロウ』</a></b>執筆中にアイデアが浮かび、担当編集者にも相談し、「いま<b>〈ミステリーズ！〉</b>で連載している<b>『こちら万来軒（×）探偵事務所』</b>が終わったら、続けて取りかかりましょう」と話していた矢先に<b><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488468019">『インディゴの夜』</a></b>のテレビドラマ・舞台化が決定し、急遽！　大突貫！　で書き下ろしをすることになりました。……いや～、キツかったっす。各社の担当編集者に頭を下げて昨年下半期に着手予定だった仕事を延期、<b>『こちら万来軒（×）～』</b>も休載し、必死で、大晦日も元旦も休みなしで書き続けました。結果、白髪が増え、いや～な感じに痩せ、おまけに人間ドックに入ったら「肺に結核の治癒痕がある」とか言われる始末。<br />
　しみったれた話はこれぐらいにして、以下、各エピソードについての解説です。<br />
<br />
●<b>「７ｄａｙｓ活劇」</b><br />
　三十年来の筋金入りオカルトマニアにつき、インディゴで怪談・都市伝説絡みの話を書くのは念願でした。風営法が改正され、店の営業形態をどうするかも思案どころでしたが、ニューフェイスを登場させることで上手く移行できたか？　という感じです。<br />
　執筆時、舞台となる公園を取材しましたが、近隣一帯の様変わりぶりにびっくり。「TRANS CONTINENTS」はどこ？　「CHIPIE」のブティックってなくなっちゃったの？　としばし呆然。<br /><br />
●<b>「サクラサンライズ」</b><br />
「インディゴで<b>『○○○の○○』</b>をやりたい！」もこれまた数年来の念願でした。作中に登場する1970～80年代の歌謡曲は、昭和40年代生まれの同輩諸氏には「おお！」と思っていただけるかと。<br />
　クライマックスシーンの舞台となる麻布近辺は、ドラマ版・インディゴのプロデューサーに会食でお連れいただき、初めて足を踏み入れました。街並みもお店のつくりもオサレワールド全開、感化されてすぐ書いちゃうのが田舎者の哀しい性（さが）です。<br /><br />
●<b>「一剋」</b><br />
　冒頭にも書きましたが、インディゴシリーズでは「各レギュラーキャラクターに一度はスポットを当てる」をマイルールにしています。そこで満を持して登場したのが豆柴こと柴田克一刑事。読者には全然人気ない、というより印象の薄いキャラですが、作者的には結構お気に入りです。生みの親である脚本家・高山直也さんのご了承を得て、ドラマオリジナルキャラの某人物も登場させています。<br /><br />
●<b>「Ｄカラーバケーション」</b><br />
　豆柴刑事とは反対に、読者人気ダントツナンバーワンなのがclub indigoマネージャー・憂夜。自分で考えておいてなんですが、シリーズが進めば進むほど「ミステリアス」の迷宮にはまっていくキャラです。生い立ちから、indigoに辿り着くまでのディープでデンジャラスでオリエンタルな（一部誇張）経歴は私の中ではがっちりできあがっていて、いずれ大公開！　そして驚愕の結末！！（多分）を迎えますが、とりあえずさわりだけでも、と書きました。<br />
　ドラマファンで、憂夜＝加藤和樹さんのイメージで読まれた方は戸惑われる部分もあるかと思いますが、著者の憂夜のイメージモデルはまったく別の某アジア系スターだったりします。そのあたり想像を膨らませると、小説は小説で楽しんでいただけるのではないでしょうか。<br />
<br />
　前述のマイルールに従い、この作品を書いたことで、また次作に向けての宿題ができました。レギュラーキャラの中で唯一ピックアップされてない、オールインワンマニアのあの人とか、「劇団おとしあな」の公演告知ポスターにちらっと出てきたイベントとか、板前顔の彼とか。加えて、「インディゴで長編を読みたい」というご意見もいただいていて、創作意欲を刺激されます。できるだけ早く、より面白いものをお届けできるよう、精一杯がんばりますので今後もclub indigoの面々にお付き合いいただければ幸いです。<br /></font></p>
<div align="right">（2010年5月）</div>
<hr color="gray" size="1">
<font color="navy">■ <b>加藤実秋</b>（かとう・みあき）</font><br />1966年東京都生まれ。2003年、「インディゴの夜」で第10回創元推理短編賞を受賞しデビュー。スタイリッシュな描写と、エンターテインメント性を打ち出した作風で注目される。著作は<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488468019">『インディゴの夜』</a><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488468026">『インディゴの夜　チョコレートビースト』</a>『モップガール』<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488468033">『インディゴの夜　ホワイトクロウ』</a>『ヨコハマB-side』『チャンネルファンタズモ』がある。〈インディゴの夜〉シリーズはドラマ化されて好評を博した。本書は〈インディゴの夜〉シリーズ待望の第４弾である。
<br /><br />
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    </content>
</entry>

<entry>
    <title>山口芳宏『100人館の殺人』［2010年4月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/afterword/yamaguchi1004.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2010://6.629</id>

    <published>2010-04-05T06:00:00Z</published>
    <updated>2010-04-05T02:50:46Z</updated>

    <summary> ここだけのあとがき 容疑者はなんと100人!?　鮎川賞作家が贈る、驚愕の長編ミステリ （10年3月刊『100人館の殺人』） 山口芳宏　yoshihiro YAMAGUCHI  　   　『100人館...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="440 ここだけのあとがき" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[ <font style="FONT-SIZE: 1.25em"><b>ここだけのあとがき</b><br /></font>
容疑者はなんと100人!?　鮎川賞作家が贈る、驚愕の長編ミステリ<br />
（10年3月刊『100人館の殺人』） <br /><br /><font color="brown"><b><font style="FONT-SIZE: 1.25em">山口芳宏</font></b>　yoshihiro YAMAGUCHI</font> 
<hr color="gray" size="1">

<p>　</p>
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 150px"><font size="3"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488024567"><img height="198" alt="100人館の殺人" hspace="12" src="http://www.tsogen.co.jp/img/cover_image_m/2456.jpg" width="138" vspace="10" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" src="http://www.tsogen.co.jp/img/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" /></div></a></font></div>
<p>
　<b><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488024567">『100人館の殺人』</a></b>は一見軽い内容のユーモア探偵小説ですが、生まれるまではかなりの紆余曲折がありました。<br />
<br />
●こぼれ話その１<br />
　時々ぼくは雑談で、知り合いに小説のネタを話すことがあるのですが、多くの人にいちばん反応がよかったのが、この<b>『100人館の殺人』</b>でした。「名探偵が意気盛んに館に行ったら、容疑者が100人いて途方にくれた」というシンプルなネタに、インパクトがあったのでしょうか。ぼくのような新人にとって、タイトルや筋のインパクトは非常に重要です。じゃないと、手を取ってもらえませんからね。<br />
　担当編集さんに話しても反応がよかったので、これを大切な第３作目として書くことにしました。滑り出しは順調です。<br />
　ちなみにネタ帳には<b>『1000人館の殺人』</b>と書いてあったのですが、さすがに1000人はたいへんそうなのでやめました。<br />
<br />
●こぼれ話その２<br />
　最初は、容疑者１人あたり１～２ページを費やして、それを100人分――そして最後に解決するという筋で行こうと思っていました。ところが途中まで書いてみたものの、どうもうまくいかない。筋としては成り立つのですが、読者にとってどうしても平坦で退屈な展開になってしまうのです。そりゃ、どんなに個性的な容疑者を配置しても、100人となると飽きてきますよね。<br />
　こうなることは最初からわかっていたのですが――それでも20人ごとに劇的な展開変化があればなんとかなるかな――と考えていました。しかしどんなに起伏を大きくしても、やっぱり退屈。「延々と聞き取り」となると、サスペンス色、ドキドキ感が出ないのです。<br />
（秘術を尽くせば、60人くらいまでならなんとかなりそうでしたが）<br />
　さあ、どうするか。ここで考えに考えて、結局いまの形にしました。つまり、最終的には「起伏があって、おもしろくて、ドキドキすればいいだろう」という原点にもどったのです。――と書くと簡単ですが、ここまでかなりの労力が必要となりました。<br />
<br />
●こぼれ話その３<br />
　実際の執筆は、「100人の容疑者というシチュエーション」「不可解な物理的殺人トリック」の２つのネタをベースに、ユーモアサスペンスの衣を着せることにしました。ユーモアサスペンスというと、なんといっても赤川次郎さん、年代を超えて読者に愛されている巨匠です。<br />
（一般人に「どの作家が好きですか」とアンケートを取ると、年代問わず上位に入るという巨人です。現在の10代にも根強い人気らしい）<br />
　もちろんぼくもむかしからの大ファン。しかし、そのまま赤川さんの作風を真似そうとしても絶対に無理ですし、単なる劣化コピーになってしまいます。<br />
　そこでぼくは、海外ドラマを研究することにしました。<b>『LOST』『24』『ギャラクティカ』</b>――どれも抜群におもしろい。共通するのは「少々無理でも劇的な展開」「部分的に過激」ということでした。<br />
　そうして研究・検討の結果、「少々過激なユーモアサスペンス（伝統的なユーモアサスペンスと比べて）」を目指すことにしました。それが現代的で、読者にとってもいいと思ったのです。<br />
　過激にすれば一部読者からの反発も予想されましたが――それはもう仕方ないと割り切ることにしました。思えば、赤川次郎さんの作風も、ぼくが読み始めた27年前の時点ではずいぶん過激だった印象があります。ユーモア風味の物語なのに「えっ、この人が死ぬの？」「この人が犯人？」というふうに驚き、それがおもしろくて刺激的でした。<br />
　以上のことを念頭に置きつつ、具体的には本格ミステリファンも大好きな（ぼくも大好きな）ネタもどんどん投入し、詰め込みました。もちろん身もだえしながら、です。<br />
<br />
　　　　　　　　　　　　　　＊　　　＊　　　＊<br />
<br />
　というふうに、いままで書いた中では一番苦労した小説でした。<br />
　簡単にいうと、「軽く読めてワクワクする娯楽小説」「読んでいる数時間が最高に楽しいエンタテインメント」を目指しました。楽しんで綺麗に忘れられる探偵小説です。ミステリファンにとってどうかは予想もつきませんが――現在の自分としては、最高の娯楽探偵小説に仕上げたつもりです！<br />
<br />
　20年後くらいに「そういえば、むかしそんな小説があったなあ。楽しかった。内容は覚えてないけど』となるのが理想です。「こんな小説あったよ！」と友人に自慢できるような小説ですので、よろしくお願いします。<br /></font></p>
<div align="right">（2010年4月）</div>
<hr color="gray" size="1">
<font color="navy">■ <b>山口芳宏</b>（やまぐち・よしひろ）</font><br />1973年三重県生まれ。横浜国立大学卒。ゲームプランナー、シナリオライターとして活躍後、2007年<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488023973">『雲上都市の大冒険』</a>で第17回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。著作はほかに、<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488024390">『豪華客船エリス号の大冒険』</a>『妖精島の殺人　上下』『学園島の殺人』がある。<br /><br />
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    </content>
</entry>

<entry>
    <title>梓崎優『叫びと祈り』［2010年3月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/afterword/shizaki1003.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2010://6.595</id>

    <published>2010-03-05T06:00:00Z</published>
    <updated>2010-03-05T05:22:29Z</updated>

    <summary> ここだけのあとがき 〈旅人〉斉木の彷徨を描く驚異の連作推理。 超大型新人のデビュー！  （10年2月刊『叫びと祈り』） 梓崎優　you SHIZAKI  　   　初めてミステリという世界に触れたの...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="440 ここだけのあとがき" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[ <font style="FONT-SIZE: 1.25em"><b>ここだけのあとがき</b><br /></font>
〈旅人〉斉木の彷徨を描く驚異の連作推理。<br />
超大型新人のデビュー！ <br />
（10年2月刊『叫びと祈り』） <br /><br /><font color="brown"><b><font style="FONT-SIZE: 1.25em">梓崎優</font></b>　you SHIZAKI</font> 
<hr color="gray" size="1">

<p>　</p>
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 150px"><font size="3"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488017590"><img height="198" alt="叫びと祈り" hspace="12" src="http://www.tsogen.co.jp/img/cover_image_m/1759.jpg" width="138" vspace="10" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" src="http://www.tsogen.co.jp/img/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" /></div></a></font></div>
<p>
　初めてミステリという世界に触れたのは、高校生のときでした。学校の文化祭で、推理劇を上演することになったのです。それも、私が脚本担当という。それまで文章といえば読書感想文しか書いたことのなかった私にとって、それは青天の霹靂としか言いようのない出来事でした。仕方がないので、三ヶ月で百冊のミステリを斜め読みし、物語の美味しいところをパズルピースのように拝借し、血と汗と涙でにじんで文字の読めない脚本を提出して怒られたのでした。そうして完成した演劇は文化祭当日、新たな悲劇を生むわけですが――ともかく、私とミステリとの出会いは、強制と苦行と悔恨に満ちた、お世辞にも幸福とは言いがたいものでした。<br />
　ところがどういう運の成せる業か、それから十年を経て、2008年に私は<b>「砂漠を走る船の道」</b>という短編で第五回ミステリーズ！新人賞を受賞させていただくことになりました。ミステリに苦しめられた自分が、まさかミステリの賞をいただけるとは思っていなかったからでしょうか。受賞の報をいただいたとき私は、きっと大誤解ミステリーズ……という最低の駄洒落を思いつき、思いついた自分に深く落ち込み、悲しみのあまり旅に出て編集者様に迷惑をかけ、編集者様の冷たい視線を振り切るために「違うのです、これは取材旅行だったのです」と受賞作すら世に出ていないのに暴言を吐き、言ったからにはあとに引けなくなり――<br />
　こうしてでき上がったのが<b><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488017590">『叫びと祈り』</a></b>です。<br />
<br />
<b>『叫びと祈り』</b>は五編の短編から成りますが、五編五様の場所が舞台となっています。<b>「砂漠を走る船の道」</b>はアフリカ大陸の砂漠を、<b>「白い巨人」</b>はスペイン中部の白い街を、というように。まるで世界周遊旅行のような様相ですが、一編を除いてモデルとなる場所はありません。例外は<b>「白い巨人」</b>で、こちらはスペインの「コンスエグラ」という実在の街をモデルにしています。理由はもちろん編集者様に旅が役に立ったことをアピールするためで、当初はコンスエグラそのものを舞台としていたのですが、諸般の事情から架空の舞台が必要になり、「レエンクエントロ」という街が生まれました。とはいえ、基本的に街の雰囲気は踏襲していますから、契約不履行にはあたりません。ただし、受賞後に放浪した国はスペインではなかった、という事実は伏せられています。<br />
　何の話でしたでしょうか。<br />
　コンスエグラは素晴らしいところです。もし拙作を読んで興味をもたれた方は、是非一度足を運ばれてみてください。きっと、舞台変更の理由と私の苦悩がご理解いただけると思います。<br />
<br />
　本作を上梓するに当たっては、たくさんの方にお世話になりました。拙い物語を世に出す機会を与えてくださった選考委員の皆様、東京創元社の皆様、家族、友人。特に担当編集者のＫ島様には、ここには書ききれないほどお世話になりました。心より謝辞を捧げます。ありがとうございました。<br />
　そして読者の皆様。もし本作を読んで、少しでも心を押されるような瞬間があれば、作者として、これほど幸せなことはありません。<br /></font></p>
<div align="right">（2010年3月）</div>
<hr color="gray" size="1">
<font color="navy">■ <b>梓崎優</b>（しざき・ゆう）</font><br />1983年東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。2008年、短編「砂漠を走る船の道」で第五回ミステリーズ！新人賞を受賞する。同作品は綾辻行人・有栖川有栖・辻真先三選考委員から激賞され、満場一致で受賞が決定した。受賞作を第一話に据え連作化した本書で単行本デビューを果たす。ミステリの技巧とロマンティックな文章力を併せ持つ、注目の大型新人。<br /><br />
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<br />
<a href="http://www.tsogen.co.jp/">推理小説の専門出版社｜東京創元社</a>]]>
        
      
    


    </content>
</entry>

<entry>
    <title>深水黎一郎『五声のリチェルカーレ』［2010年2月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/afterword/fukami1002.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2010://6.564</id>

    <published>2010-02-05T07:00:00Z</published>
    <updated>2011-09-14T09:50:07Z</updated>

    <summary> ここだけのあとがき メフィスト賞受賞の気鋭が贈る文庫オリジナル！ 再読必至の技巧派本格ミステリ。 （10年1月刊『五声のリチェルカーレ』） 深水黎一郎　reiichiro FUKAMI  　   　...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="440 ここだけのあとがき" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[ <font style="FONT-SIZE: 1.25em"><b>ここだけのあとがき</b><br /></font>
メフィスト賞受賞の気鋭が贈る文庫オリジナル！<br />
再読必至の技巧派本格ミステリ。<br />
（10年1月刊『五声のリチェルカーレ』） <br /><br /><font color="brown"><b><font style="FONT-SIZE: 1.25em">深水黎一郎</font></b>　reiichiro FUKAMI</font> 
<hr color="gray" size="1">

<p>　</p>
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 150px"><font size="3"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488404116"><img height="196" alt="五声のリチェルカーレ" hspace="12" src="http://www.tsogen.co.jp/img/cover_image_m/40411.jpg" width="140" vspace="10" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" src="http://www.tsogen.co.jp/img/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" /></div></a></font></div>
<p>
　はじめまして、深水黎一郎です。<br />
<br />
　このたび創元推理文庫から、拙作<b><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488404116">『五声のリチェルカーレ』</a></b>が、文庫書き下ろしという形で上梓されます。<br />
<br />
　実は私の小さい頃の一番の愛読書は、創元推理文庫の無料の目録でした。一ヶ月の小遣いが、文庫本を一冊買うのにも足りないという御手許金不如意の小学生時代、お金がたまったら次はどの本を買おうか、毎日毎日、ワクワクしながら目録を隅から隅まで読んで頭を悩ませたものです。<br />
<br />
　今回その創元推理文庫に自分の作品が入ることになって、鼻血が出そうです。小さい頃の夢が実現した、と言いたいところですが、その頃の創元推理文庫には日本人作家の作品は一冊もなかったので、それは夢ですらなかったというのが本当のところです。<br />
<br />
　さて今回の作品、タイトルかしてちょっと変わっています。リチェルカーレって何？　と仰られる方も多いと思います。その意味は作品中でたっぷりと説明されますので、安心して手にお取りください。<br /></font></p>
<div align="right">（2010年2月）</div>
<hr color="gray" size="1">
<font color="navy">■ <b>深水黎一郎</b>（ふかみ・れいいちろう）</font><br />1963年山形県生まれ。慶應義塾大学文学研究科後期博士課程終了。ブルゴーニュ大学修士号、パリ大学DEA。2007年、『ウルチモ・トルッコ』で第36回メフィスト賞を受賞し、デビュー。ほかの著作に『エコール・ド・パリ殺人事件』『トスカの接吻』『花窗玻璃』がある。<br /><br />
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    </content>
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    <title>保科昌彦『ウィズ・ユー』［2009年12月］</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.webmysteries.jp/afterword/hoshina0912.html" />
    <id>tag:www.webmysteries.jp,2009://6.473</id>

    <published>2009-12-07T07:00:00Z</published>
    <updated>2009-12-15T09:29:12Z</updated>

    <summary> あとがき初心者による「あとがき」 依頼は、何とゲーム中の誘拐事件!?　著者初の私立探偵ミステリ。 （09年12月刊『ウィズ・ユー』） 保科昌彦　masahiko HOSHINA  　   「次はユー...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="440 ここだけのあとがき" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[ <font style="FONT-SIZE: 1.25em"><b>あとがき初心者による「あとがき」</b><br /></font>
依頼は、何とゲーム中の誘拐事件!?　著者初の私立探偵ミステリ。<br />
（09年12月刊『ウィズ・ユー』） <br /><br /><font color="brown"><b><font style="FONT-SIZE: 1.25em">保科昌彦</font></b>　masahiko HOSHINA</font> 
<hr color="gray" size="1">

<p>　</p>
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 150px"><font size="3"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488017606"><img height="196" alt="ウィズ・ユー" hspace="12" src="http://www.tsogen.co.jp/img/cover_image_m/1760.jpg" width="140" vspace="10" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" src="http://www.tsogen.co.jp/img/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" /></div></a></font></div>
<p>
「次はユーモア・ミステリを書いてみたいんです」僕がそう告げると、東京創元社の担当編集者氏は一瞬、虚をつかれたような顔になりました。<br />
　というのも僕は日本ホラー小説大賞の長編賞をいただいてデビューして以来、ホラーやサスペンスばかり書いてきたからです。「あいつは江戸川乱歩みたいに、ローソクだけをともした暗ーい部屋で小説を書いてるんじゃないか」と周りの人間も噂するほどで、担当編集者氏が驚かれたのも無理はありません。<br />
「まあ、とりあえずやってみましょうか」ということで書き始め、様々な方々にお力添えをいただいて出来上がったのが今回の作品です。内容に関しましては、「おもしろいので、とにかく一度読んでみてください」というのが正直なところです。以上、終わり──というわけにもいきませんので、蛇足的脚注のようなものを少しお喋りさせていただければと思います。<br />
　あ、ついでに申し上げておきますと、自作についてのあとがきを書くのもこれが初めてだったりします。<br />
<br />
<b>〈ウィズ・ユー〉</b>（本文14ページ11行目）…本作の舞台となる仮想空間です。インターネット上に架空の街が構築されていて、プレイヤーはその中で会社を経営したり子育てをしたりと、思い思いの時間を過ごします。モデルとなったのはもちろん〈セカンド・○○○〉ですが、本家よりもリアル志向だという設定です。〈ウィズ・ユー〉のキャラクターである四歳の女の子が誘拐され、その“父親”が事務所を訪ねてくるところから物語は始まります。<br />
<b>Ｕ円</b>（本文22ページ5行目）…〈ウィズ・ユー〉の中で流通している仮想通貨です。〈セカンド・○○○〉同様、Ｕ円は現実の円と交換することができ、レートは日々上下します。誘拐犯はキャラクターの身代金として五千万Ｕ円という大金を要求してきます。<br />
<b>ピアノ</b>（本文26ページ6行目）…本作を書いていた頃、ドラマ版<b>『のだめカンタービレ』</b>の再放送が始まり、初めて見た僕はすっかりハマッてしまいました。週末の夜更けにはグラス片手に<b>『のだめ』</b>を見ながら泣いたり笑ったりしていることが多く、家人にはかなり気味悪がられました。<br />
<b>探偵業の業務の適正化に関する法律</b>（本文65ページ20行目）…それまで日本の私立探偵には資格・免許の類はなかったのですが、2007年６月にこの法律が施行されたことにより、探偵業は届け出制となりました。本作の主人公が籍をおく若槻調査事務所もこの法律に則って活動しています。米国産ハードボイルドと違って日本の私立探偵には捜査権も銃もなく、主人公たちは知性と粘りと多少の運を武器に誘拐犯に立ち向かっていきます。<br />
<b>ヒッチコック</b>（本文154ページ20行目）…言わずと知れたサスペンス映画の神様です。ヒッチコックはブロンド美女がお好みだったようで、「主演女優を口説こうとして次々と振られた」「ブロンド美女をいたぶって喜んでいる困った御仁だ」などいろいろ言われていますが、グレース・ケリーやティッピー・ヘドレンに惹かれるなというほうが無理な相談ではないでしょうか。<br />
<b>ジョニー・デップの映画</b>（本文223ページ16行目）…これはジョン・バダム監督の<b><a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000RXXY5I?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B000RXXY5I" target="blank">『ニック・オブ・タイム』</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=wwwtsogecojp-22&l=as2&o=9&a=B000RXXY5I" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" /></b>という作品です。Ｊ・デップ演じる主人公は娘を人質に取られ、ある人物を殺害するよう強要されます。この映画はヒッチコックの<b><a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000LXHG0I?ie=UTF8&tag=wwwtsogecojp-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B000LXHG0I" target="blank">『ロープ』</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=wwwtsogecojp-22&l=as2&o=9&a=B000LXHG0I" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" /></b>と同じく、劇中の時間経過と実際の上映時間を同調させており、その手法がより一層緊迫感を高めています。まだ初々しいＪ・デップのスーツ姿が見られますので、ご興味を引かれた方はご覧になってみてください。<br />
<b>犯人</b>　本作の犯人は──それをここで明かすわけには行きませんので、ぜひ一度お手に取ってみてください。</font></p>
<div align="right">（2009年12月）</div>
<hr color="gray" size="1">
<font color="navy">■ <b>保科昌彦</b>（ほしな・まさひこ）</font><br />1963年、香川県生まれ。『相続人』で第10回角川ホラー小説大賞長編賞を受賞。著作に、『相続人』『オリフィス』『ゲスト』など。<br /><br />
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    <title>滝田務雄『田舎の刑事の闘病記』［2009年11月］</title>
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    <id>tag:www.webmysteries.jp,2009://6.434</id>

    <published>2009-11-05T08:08:00Z</published>
    <updated>2009-11-05T06:09:28Z</updated>

    <summary> 前作から一段とパワーダウンした黒川さんを 暖かく見守ってくださいませ。 田舎の刑事たちの奮闘を描く、脱力ミステリ第２弾（09年11月刊『田舎の刑事の闘病記』） 滝田務雄　michio TAKITA ...</summary>
    <author>
        <name>東京創元社</name>
        
    </author>
    
        <category term="440 ここだけのあとがき" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.webmysteries.jp/">


   
      
        <![CDATA[ <font style="FONT-SIZE: 1.25em"><b>前作から一段とパワーダウンした黒川さんを<br />
暖かく見守ってくださいませ。</b><br /></font>
田舎の刑事たちの奮闘を描く、脱力ミステリ第２弾<br />（09年11月刊『田舎の刑事の闘病記』） <br /><br /><font color="brown"><b><font style="FONT-SIZE: 1.25em">滝田務雄</font></b>　michio TAKITA</font> 
<hr color="gray" size="1">

<p>　</p>
<div style="FLOAT: right; WIDTH: 150px"><font size="3"><a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488017545"><img height="196" alt="田舎の刑事の闘病記" hspace="12" src="http://www.tsogen.co.jp/img/cover_image_m/1754.jpg" width="140" vspace="10" border="1" /> 
<div style="TEXT-ALIGN: center"><img height="18" alt="書籍の詳細を見る" src="http://www.tsogen.co.jp/img/shosekishosai.jpg" width="100" border="0" /></div></a></font></div>
<p>
　さあ、田舎の刑事たちの活躍の第二弾が世に出てしまいました。御用とお急ぎでないかたは、どうぞ立ち止まってこの色物をお手に取ってください。御用とお急ぎのかたもついでに立ち止まってお買い上げいただけるのならありがたいです。<br />
　平和な田舎の町に次々と起こる怪事件。町を守るために、黒川鈴木巡査部長をはじめとする登場人物が八面六臂の、いや、どちらかと言えば七転八倒しつつも七転び八起きといった奮戦をしております。<br />
<br />
　さて、王道の主人公というものは、話が進むほどに成長して強くなるもののはずなんですが、うちの黒川さんには、新しい話を書くたびになぜか弱くなってゆくという、あのハトヤで有名だった「三段逆スライド方式」が導入されております。私としてはそんなややこしいシステムを黒川さんのキャラ作りに導入した記憶は無いのですが、いつの間にか導入されていたのですから仕方ありません。<br />
　まあ、弱くなるだけなら別に構わないのですが、人が死なない推理小説を書こうとしてはじめたこの創作も、いつの間にか人の生死にかかわるような凶悪で残忍な事件が起こるようになっています。しかも今回の黒川さんは、黒川さんのくせに夫婦で海外旅行までしているのです。よせばいいのに黒川さんは行動範囲まで広げているのです。<br />
　黒川さんを補うように黒川さん以外の登場人物たちは、着実にパワーアップしているのですが、なんのことはない、そのせいで黒川さんが相対的にますます弱くなっているだけというわけでして。当初の黒川さんは少なくとも部下の白石くんよりは、まだ強かったはずなんですけどね。それでも普通なら周囲の人が強くなっているんですから、みんなでフォローできて黒川さんが弱くなっても、なんの問題もないのですが、この人が探偵役なんですよねえ。困ったことに最後にはこの人が事件を解決しなければならないんです。<br />
　黒川さんだって不安でしょうけど、書いているほうはもっと不安です。しかし「ああ、大丈夫なのかなあ、この人が主役で」などと悩んでいる私を尻目に、黒川鈴木は色物なりに奮起して、毎度事件を解決しております。いや、なかなかどうしてたいしたもんです。<br />
<br />
　というわけで、推理小説をこよなく愛する紳士淑女の皆様、神のごとき寛大な愛で、前作から一段とパワーダウンした黒川さんを暖かく見守ってくださいませ。作者が喜びます。</font></p>
<div align="right">（2009年11月）</div>
<hr color="gray" size="1">
<font color="navy">■ <b>滝田務雄</b>（たきた・みちお）</font><br />1973年福島県生まれ。日本大学芸術学部卒。2006年、短編<a href="http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488499013">「田舎の刑事の趣味とお仕事」</a>で第３回ミステリーズ！新人賞を受賞してデビューする。得難いコメディ・センスの持ち主で、現在は〈田舎の刑事〉シリーズの初長編を執筆する傍ら、新シリーズの準備にも乗り出している。<br /><br />
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