Web東京創元社マガジン

〈Web東京創元社マガジン〉は、ミステリ、SF、ファンタジイ、ホラーの専門出版社・東京創元社が贈るウェブマガジンです。平日はほぼ毎日更新しています。  創刊は2006年3月8日。最初はwww.tsogen.co.jp内に設けられました。創刊時からの看板エッセイが「桜庭一樹読書日記」。桜庭さんの読書通を全国に知らしめ、14年5月までつづくことになった人気連載です。  〈Webミステリーズ!〉という名称はもちろん、そのころ創刊後3年を迎えようとしていた、弊社の隔月刊ミステリ専門誌〈ミステリーズ!〉にちなみます。それのWeb版の意味ですが、内容的に重なり合うことはほとんどありませんでした。  09年4月6日に、東京創元社サイトを5年ぶりに全面リニューアルしたことに伴い、現在のURLを取得し、独立したウェブマガジンとしました。  それまで東京創元社サイトに掲載していた、編集者執筆による無署名の紹介記事「本の話題」も、〈Webミステリーズ!〉のコーナーとして統合しました。また、他社提供のプレゼント品コーナーも設置しました。  創作も数多く掲載、連載し、とくに山本弘さんの代表作となった『MM9―invasion―』『MM9―destruction―』や《BISビブリオバトル部》シリーズ第1部、第2部は〈Webミステリーズ!〉に連載されたものです。  紙版〈ミステリーズ!〉との連動としては、リニューアル号となる09年4月更新号では、湊かなえさんの連載小説の第1回を掲載しました(09年10月末日まで限定公開)。  2009年4月10日/2016年3月7日 編集部

【新年特別企画】2023年 東京創元社 翻訳ミステリ&ノンフィクション ラインナップのご案内


あけましておめでとうございます。

恒例となっております、新年の特別企画。今年も2023年に刊行される東京創元社の刊行物をお知らせします。今回は2日間に分けまして、初日の本日は翻訳ミステリとノンフィクションのラインナップ、あす2日はSFとファンタジイの予定をご案内いたします。

本年も東京創元社は引きつづき、読者の皆さまに良質な作品をご紹介したいと思っております。ご愛読のほど、なにとぞよろしくお願いいたします。

(日本語タイトルは一部を除き仮題です)


【強烈プッシュ作】

The Twist of a Knife
「きみとの契約は終了だ」作家アンソニー・ホロヴィッツは、元刑事の探偵ダニエル・ホーソーンにこう告げた。もうホーソーンのミステリは書かない。いまは、自分が脚本を書いた演劇「マインドゲーム」の公演のことで頭がいっぱいだった。公演初日の夜、サンデー・タイムズの劇評家による酷評レビューがネットにアップされる――特に脚本が駄目だというレビューが。翌朝、その劇評家の刺殺体が発見された。凶器は短剣で、表面にはホロヴィッツの指紋がベタベタとついていた。当然のことながら、殺人容疑で逮捕されるホロヴィッツ。拘置所で孤独と絶望に苛まれる彼には分かっていた。自分を救ってくれるのは、あの男しかいないと。『メインテーマは殺人』『その裁きは死』『殺しへのライン』に続く新たな傑作。ホーソーン&ホロヴィッツシリーズ第4弾!

ホリー・ジャクソン/服部京子訳81hY2EHeA0L
As Good As Dead
ケンブリッジ大学入学を目前に控えた高校生ピップは、友人の兄の失踪事件を解決したことで受けた精神的ダメージを抱えていた。そのうえ不審なメールが何通も届き、首を切られた鳩の死体が家の敷地に捨てられたり、私道にチョークで首のない棒人間の落書きをされたり。調べたところ、5年前の連続殺人事件との類似点に気づく。犯人はすでに逮捕され服役中だが、無実を訴えていた。ピップのストーカーの行為が、この連続殺人の手口と似ているのはなぜなのか。真犯人がいるのか? 事件をさらに調べるピップに、恐ろしい魔の手が忍び寄る――。誰もが度肝を抜かれること必至、ミステリ史上最高に衝撃的な『自由研究には向かない殺人』三部作完結編!

ピーター・スワンソン/務台夏子訳17308
ボストン郊外に越してきた版画家のヘンと夫のロイドは、隣の夫婦マシューとマイラの家に招待された。食事後にマシューの書斎に入ったとき、ヘンは2年半前に起きたダスティン・ミラー殺人事件で、犯人が被害者宅から持ち去ったとされる置き物を目にする。マシューは殺人犯にちがいない。そう思ったヘンは彼について調べ、跡をつけはじめるが……。複数視点で語られる物語は読者を鮮やかに幻惑し、衝撃のラストへとなだれ込む。息もつかせぬ超絶サスペンス!

■ピーター・スワンソン/務台夏子訳51cc5wrmSVL
Eight Perfect Murders
雪嵐のある日、ミステリ専門書店の店主マルコムは、FBI 捜査官マルヴィの突然の訪問を受ける。マルコムは10年前に店の公式ブログに、犯罪小説史上もっとも利口で、もっとも巧妙で、もっとも成功確実な殺人を選んだ「8つの完全殺人」リストを掲載していた。ミルン『赤い館の秘密』、クリスティ『ABC殺人事件』、ハイスミス『見知らぬ乗客』、アイルズ『殺意』……。マルヴィによると、このリストの作品の手口に似た殺人事件が続いているという。犯人はこのリストに従って殺しているのでは? マルコムはマルヴィから未解決事件の情報を渡され、リストの作品に結びつくものがないかチェックして欲しいと依頼されるが……。著者のミステリへの愛がふんだんに込められた、謎と企みに満ちためくるめく傑作長編!


【名匠・大家たちの最新作】

ジル・ペイトン・ウォルシュ/猪俣美江子訳apieceofjustice
A Piece of Justice
長い休暇も終盤となった9月の末。ケンブリッジ大学の貧乏学寮セント・アガサ・カレッジの学寮付き保健師イモージェン・クワイは、友人たちとボランティアのキルト制作サークルに参加し、のんびりと日々をすごしていた。近ごろ彼女の家には、〈ウィンダム図書館〉の事件で友好を深めた学生が下宿して、私生活に活気をもたらしてくれている。しかし当の学生は、少々悩ましげだった。「自伝と評伝の関係」をテーマに専任教員の座を目指しているにもかかわらず、当面の学費にもこと欠くありさまだったのだ。そんなおり、数学界のノーベル賞を授与されることになっているカレッジ所属の数学者の伝記の代筆の依頼が舞い込んでくる。しかし、その伝記の歴代の執筆者が失踪していることがわかって……。巨匠セイヤーズのピーター・ウィムジイ卿シリーズを書き継ぐことを託された実力派作家による、『ウィンダム図書館の奇妙な事件』に続くシリーズ第2弾!

フェルディナント・フォン・シーラッハ(ドイツ)/酒寄進一訳61iJuM0MFbS
『珈琲と煙草』(単行本)
孤独感を抱える人物の心理を端正な文章で綴った小説。寄宿学校での出来事や、父の死、ナチの高官でユダヤ人迫害に加担した祖父への言及などの自伝的エッセイ。ある俳句を教えてくれた京都からの留学生をめぐる、著者の死生観が垣間見えるエピソード。ドイツで死刑が廃止される12日前に斬首刑となった男の犯罪実話。弁護士として出会った人々との交流譚。クライスト賞受賞、日本で本屋大賞「翻訳小説部門」第1位に輝いたデビュー作『犯罪』、映画化された『コリーニ事件』、世界各国で2600回以上上演された戯曲『テロ』。これまで社会や人間を深く描写してきた、現代ドイツを代表する作家が多彩な手法で紡ぐ新たな作品世界!

ヘニング・マンケル(スウェーデン)/柳沢由実子訳71XZzHXPovL
『スウェーディッシュ・ブーツ』(単行本)
人との付き合いをさけるように一人孤島に住む、元医師のフレデリック。ある晩ねむっていたところ、家が火事になり、命からがら逃げ出した。すべてを失い呆然とするフレデリックだったが、警察の調べで火事の原因が放火であったことが判明、さらに自分の家に火をつけたとの疑いまでかけられてしまう……。CWAインターナショナルダガー賞を受賞した、北欧の巨匠最後の作品。


シャルロッテ・リンク(ドイツ)/浅井晶子訳link
『探求』
昨年『裏切り』で、父親を惨殺され、孤独でみじめなロンドン警視庁刑事ケイト・リンヴィルに心を摑まれた読者は少なくないはず。父親の家を売るために故郷に帰っていた彼女が挑んだのは、故郷ヨークシャーで起きた少女の連続失踪事件だ。地元警察のケイレブ警部の邪魔にならない範囲で調査を始めた彼女がもいだしたのは……? 著者らしい深い人間ドラマと二転三転するストーリー展開。相変わらずの筆力には脱帽です。乞うご期待。

S・J・ローザン/直良和美訳51xhv5pGcOL._SY346_
The Art of Violence
私立探偵のビル・スミスは、かつて調査依頼を引き受けた男から、自分が連続殺人犯なのか確かめてほしいと頼まれる。男は25年前に殺人を犯したものの釈放され、その後画家として成功を収めたのだが、最近ニューヨークで続けて起きた二件の女性殺害事件は、自分が無意識のうちに手を下したものではないのかと怯えていたのだ。その直後、第三の女性殺害事件が発生。犯人は画家本人なのか、それとも画家の過去を知る関係者の中にいるのか……? 相棒リディアの協力を得て、ビルは美術業界に切り込んでいく。〈リディア・チン&ビル・スミス〉シリーズ最新作!


【期待の新人・新作登場!】

■ジュリー・ヴァスマー/圷香織訳61tNll3hDnL
Whitstable Pearl Mistery
パールは海辺の観光地ウィスタブルで魚介料理のレストランを経営するシングルマザー。街は観光客で賑わい、店も評判がよく繁盛しているが、かつて警察官を志していた彼女にはそれだけでは物足りず、探偵事務所を始めてしまった。そこにもちこまれたのが、金を貸している漁師のことを調べて欲しいという依頼だったが……。風光明媚な港町を舞台にしたシリーズ第1弾。


■アシュリー・ウィーヴァー/辻早苗訳51oezqmujTL
A Peculiar Combination
第二次世界大戦まっただなかのロンドン。エリーは錠前師のおじと、金庫破りをして生活している。だがある日、陸軍のラムゼイ少佐に捕まってしまう。どうやらはめられたようで、投獄を逃れたければ任務に協力しろと突きつけられる。ドイツが手に入れたがっている重要な文書を盗み出すため、ある屋敷に侵入して金庫を解錠しろと言うのだ。人質となったおじを解放するため、少佐に協力するエリー。しかし訪れた金庫のそばには死体があり、文書はすでに持ち去られていた! 凄腕の女性金庫破りと堅物の青年将校。正反対のふたりの波瀾万丈な大活躍!

■エリカ・ルース・ノイバウアー/山田順子訳メナハウス・ホテルの殺人
『メナハウス・ホテルの殺人』※2月刊
若くして寡婦となったジェーンは、叔母の付き添いでカイロにある優雅なメナハウス・ホテルに滞在していた。だが客室で若い女性客が殺害され、第一発見者となったジェーンが、地元警察に疑われる羽目になってしまう。疑いを晴らすべく真犯人を捜そうと奔走するが、さらに死体が増えて……。アガサ賞デビュー長編賞受賞、エジプトの高級ホテルを舞台にした、旅情溢れるミステリ。


■アマンダ・ブロック/吉澤康子訳
『父から娘への7つのおとぎ話』(単行本)※1月刊
レベッカは、父親のレオに20年近く会っていない。父親は幼いころに家を出て行ってしまい、母親に育てられたからだ。ある日、男性記者が取材でレオの行方を尋ねてきた。レオはBBCの子ども番組に出演していた人気俳優だったが、現在どこにいるか見つけられないという。レベッカは大好きだった父の生死すら知らない現状に疑問を持ち、父親が自分のために書いてくれたらしいおとぎ話の本を手がかりに彼を探そうとする。〈収集家と水の精〉〈世界の果てへの船旅〉〈魔女とスフィンクス〉……7つの奇妙な物語が収録された一冊の本が、知らなかった父親の想いを描き出す。切なくも心温まる家族の物語。

■メリーナ・マーケッタ/小林浩子訳51ExvwaMOXL
『ヴァイオレットだけが知っている』※3月刊
ロンドンの警察官ビッシュは、娘の乗ったバスが爆破されたと連絡を受ける。フランスのバス・ツアーに参加した子供たちが大勢巻きこまれたらしい。娘は無事だったが重傷者多数、数人が死亡した。さらに、バスにはかつて23人を殺害した爆弾犯の孫が乗っていたと判明。その17歳の少女ヴァイオレットは、年下の少年と共に姿を消した。少女は事件に関係しているのか? ビッシュは彼女たちの行方を追うが……。多数の受賞歴を持つ著者が放つ謎と緊迫感に満ちた追跡劇!

■ディアンナ・レイバーン/西谷かおり訳611STYY6PqL
Killers of a Certain Age
2018年暮れ。60歳のビリーたち4人の女性は、40年間の暗殺家業から引退しようとしていた。第2次大戦直後に発足した暗殺者集団〈美術館〉は、当初はナチの残党を、その後は独裁者や悪質な犯罪者を標的としてきた。ところが、引退を記念してクルーズ旅行に出かけたところ、〈美術館〉が彼女たちを裏切り者と見なし、暗殺指令を出したことが判明。生き延びるには、指令を出した理事たちを消すしかない。もはや若くはない肉体と、輝かしくもほろ苦い思い出を抱え、ビリーたちは殺すか殺されるかの危険な作戦を練り始める――。MWA賞、アガサ賞候補作の著者が贈るスリリングなサスペンス・ミステリ!


【人気シリーズ最新刊】

マーティ・ウィンゲイト/藤井美佐子訳muderisamust
『殺人は展示する』
わたしはイングランドの美しい古都バースにある初版本協会の新米キュレーター。協会の知名度を向上させ、会員を増やす催しの第一弾として、毎週火曜日の夜に文芸サロンがいよいよ始まる。それと併行して協会の設立者レディ・ファウリングの生涯をテーマにした展覧会の企画も進めているが、頼りにしていたエキスビション・マネージャーが死体で発見される。レディがドロシー・L・セイヤーズから贈られたという、ディテクション・クラブ会員作家全員のサインが入った『殺人は広告する』の初版本が、図書室から消えていることに原因があるのか……? 本を愛する人々に贈る、ミステリ・シリーズ第2弾!

エル・コシマノ/辻早苗訳41GNwvWf8KL
Finlay Donovan Knocks 'Em Dead(サスペンス作家が人をうまく殺すには2)
元夫のスティーヴンの首に、10万ドルの懸賞金が懸けられた!? ――作家のフィンレイは、相変わらず2児の子育てに奮闘しつつ、遅れている小説の執筆に集中しようとしていた。だがスティーヴンの暗殺依頼の件が気になって仕方がない。最低最悪の夫だったにしても、子供たちの父親が殺されるのは望んでいない。フィンレイはベビーシッターで同居人のヴェロと一緒に暗殺を阻止しようと奔走するが……。次から次へと予想外の出来事が降りかかる、読み出したら止まらない、どこに連れていかれるかわからないジェットコースター・サスペンス第2弾!

ジャナ・デリオン/島村浩子訳71hJoIMYK5L
Soldiers of Fortune(ワニの町へ来たスパイ6)
シンフルの町のバイユー(濁った川)沿いにあるボート小屋が不審火で焼失する。誰もが密造酒の製造所だと思いこみ、見て見ぬふりをしていたその小屋の跡地から、現場検証で覚醒剤の痕跡が見つかる。酒ならともかくクスリは大問題。町が違法薬物取引の拠点となるのを防ぐべく、町の婦人会会長アイダ・ベルと親友のガーティは、頼れる年下の友人フォーチュンを巻きこんで活動を開始するのだが……。わけあって人口数百人の町で身分を偽り暮らすCIAスパイ・フォーチュンとその友人兼トラブルメーカーのおばあちゃんコンビが無双の活躍を繰り広げる痛快ミステリ〈ワニ町〉シリーズ第6弾!

ピーター・トレメイン/田村美佐子訳ourladyofdarkness
『昏き聖母』(上下)※3月刊
巡礼の旅に出ていたフィデルマは、サクソン人の修道士エイダルフが殺人罪で捕らえられたとの知らせに、急ぎラーハン王国に向かった。ラーハンはフィデルマの兄が治めるモアンとはもめ事の絶えない隣国。どうやらエイダルフは12歳の少女に対する暴行と殺人の容疑で捕まったらしい。処刑は翌朝だと告げられたフィデルマは、なんとか処刑を延期すべく事件の捜査を始めるが……。


C・J・ボックス/野口百合子訳51UQ4rbfSLL
Off the Grid(猟区管理官ジョー・ピケット・シリーズ)
ワイオミング州の猟区管理官ジョー・ピケットの盟友ネイト・ロマノウスキのもとへ、連邦政府組織の男が人質を取って現れた。彼らは政府に追われているネイトの前科を消すことと引き換えに、ある任務を依頼した。ワイオミング南部の砂漠地帯で大規模テロを計画している、駐米サウジアラビア大使の息子の様子を探り出してほしい。ネイトは引き受けざるを得なかったが、この件に裏がないはずがなかった。一方、ジョーは、ネイトが失踪したとの情報を聞き、砂漠地帯へと向かう。不毛の土地を舞台に繰り広げられるシリーズ屈指のアクション巨編!

■クイーム・マクドネル/青木悦子訳
The Day That Never Comes(平凡すぎて殺される2)
「平凡すぎる」顔が原因で命を狙われた青年ポールは、8か月後の今、ふたたび人生の危機に直面していた。恋人と幼なじみの元警官と探偵事務所を開いたのだが、仕事がなくて収入が得られない。だが謎の美女が依頼に訪れた。彼女は大型開発詐欺事件の三人の被告人のひとりの愛人で、妻や他の女と関係をもっていないか、一週間調べてほしいと言う。ポールは依頼を引き受け、フィリップ・マーロウものの本を教科書に、調査を開始する。だが詐欺事件の他の被告人が殺害されて……。またしても殺人事件に巻き込まれてしまったポールの命運は!? 大好評のノンストップ・ミステリ続編!

アリスン・モントクレア/山田久美子訳71PKFW16DmL
The Unkept Woman(ロンドン謎解き結婚相談所4)
1946年、戦後ロンドン。〈ライト・ソート結婚相談所〉の経営者のひとりアイリスは、出勤前にバーガンディ色のコートの女に尾行されていると気づく。アイリスは戦時中に情報部に所属し、スパイとして働いていた。その際の活動に関係しているのか? アイリスは共同経営者で貴族のグウェンの家に数日泊めてもらうことにするが……。対照的な女性コンビが仕事と殺人事件の調査に奔走する大人気シリーズ第4弾!


C・A・ラーマー/高橋恭美子訳deathunderthestars
Death under the Stars
映画の野外上映会で事件が。『マーダー・ミステリ・ブッククラブ』『危険な蒸気船オリエント号』に続くクリスティ大好きブッククラブの面々が大活躍のシリーズ第3弾。




【非英語圏の俊英たち】

■アーナルデュル・インドリダソン(アイスランド)/柳沢由実子訳71B+GPzOGwL
Morka Strommar
レイキャヴィクの中心街で半裸の男が錠剤を口に押し込まれ、鋭い刃物で首を裂かれて失血死した状態で発見された。錠剤はデートレイプ・ドラッグとして知られるもので、現場には他に被害者が身につけていた女物のTシャツとショール。レイキャヴィクの犯罪捜査官エリンボルグはショールに残っていた香辛料の香りを頼りに捜査を始める。人気シリーズ第7弾。


■オリヴィエ・トリュック(カナダ)/久山葉子訳
『白夜に沈む死』(上下)※1月刊
石油景気に湧く沿岸の町ハンメルフェスト。町に侵入するトナカイを巡りトナカイ所有者と住人とのトラブルが絶えない。そんななかトナカイ所有者の青年がトナカイの移動中に死亡、数日後同じ場所で市長が死体で見つかる。腑に落ちないものを感じたトナカイ警察のクレメットとニーナだったが……。日の沈まない夏の北極圏、北欧三国にまたがり活躍する特殊警察コンビが事件を追う。『影のない四十日間』に続くシリーズ第2弾!

マウリツィオ・デ・ジョバンニ(イタリア)/直良和美訳Gelo
『P分署捜査班 寒波』※2月刊
十一月の朝、ピッツォファルコーネ署に二重殺人発生の報がはいる。被害者は同じ部屋に住む二十代の兄妹。化学者の兄とモデルの妹、仲の良いふたりを誰がなぜ殺したのか。ロヤコーノ警部とディ・ナルド巡査長補は即時捜査を開始する。いっぽう、中学生が家族に虐待されているらしいとの訴えを受け、ロマーノ巡査長とアラゴーナ一等刑事は学校に赴くのだが……。ナポリの街の事件を解決するため、型破りな刑事たちは悩み、怒り、走る! 『集結』『誘拐』に続く〈21世紀の87分署〉シリーズ第三弾!

レイフ・GW・ペーション(スウェーデン)/久山葉子訳qq61a0dorbvg8vk7fipi
Kan man do tva ganger?
ベックストレームの知り合いの少年がキャンプで見つけた頭蓋骨は、数年前にタイで死亡し火葬された人物のものであることが判明した。だが、この頭蓋骨は火葬されたものではなかった……。人は二度死ぬことができるのか? ベックストレームの推理が冴える!




【名作新訳版・クラシックの逸品】

アガサ・クリスティ/野口百合子訳
 『秘密組織』【名作ミステリ新訳プロジェクト】
第一次世界大戦が終わり、平和が訪れたロンドンで再会した幼馴染みのトミーとタペンス。仕事のないふたりは、〈若き冒険家商会〉を設立し「仕事を求む。内容、場所は不問。高額報酬必須」という広告を出そうと相談していた。たまたまそれを聞いていた男がタペンスに怪しげな仕事を持ちかけ、ふたりは英国の危機に関わる秘密文書争奪戦に巻きこまれて……。男女コンビ“トミー&タペンス”初登場作品が、生き生きとした新訳で登場!

D・M・ディヴァイン/中村有希訳
Death Is My Bridegroom
ブランチフィールド大学の教師や学生のあいだで騒ぎが持ち上がるとき、中心にいるのはいつだってバーバラ・レッチワースに決まっている。そんな裕福で美人な彼女が誘拐された。目的は身代金か、それとも彼女と交際する教師への嫌がらせか……? ディヴァインのエッセンスが詰まった、最後の未訳長編ついに刊行!

フレドリック・ブラウン/小森収編・越前敏弥、高山真由美他訳
『フレドリック・ブラウン・ミステリ短編集』【名作ミステリ新訳プロジェクト】
『短編ミステリの二百年』全6巻を手がけた小森収編纂の傑作ミステリ短編集! 日本初紹介となるブラウンのデビュー短編ほか本邦初訳作品全3編と、『シカゴ・ブルース』のエド・ハンター・シリーズ短編2作を収録。青年探偵の活躍を描く佳品から、鋭い切れ味が楽しめるショートショートの逸品、抜群のアイディアが冴え渡る〈奇妙な味〉などなど全13編。日本推理作家協会賞&本格ミステリ大賞W受賞、稀代のアンソロジーの編纂者が選りすぐった、短編の名手の傑作をどうぞご賞味あれ!


【必読ノンフィクション】

■エドワード・ドルニック/杉田七重訳
『ヒエログリフを解け』(単行本)※1月刊
1000年以上、誰も読むことができなかった古代エジプトの謎の文字“ヒエログリフ”。ナポレオンのエジプト遠征でそれが刻まれた黒い石板“ロゼッタストーン”が発見され、イギリスとフランスのふたりの天才学者がその解読に乗り出したとき、国の威信をかけた究極の解読レースの幕が上がった。性格も思考方法も正反対のライバルは、“神々の文字”とも呼ばれた謎の言語に、どのように挑んだのか? アメリカ探偵作家クラブ賞受賞作家が、壮大な解読劇を新たな視点から、スリリングかつリーダビリティ溢れる筆致で描く、傑作ノンフィクション!

■キース・トムスン/杉田七重訳borntobehanged
Born to Be Hanged: The Epic Story of the Gentlemen Pirates Who Raided the South Seas, Rescued a Princess, and Stole a Fortune(単行本)
梅毒治療には尿道から水銀を使用し、数か月も風呂に入らず、水と食料が徐々に少なくなっていく恐怖に怯える。そしてもちろん、血で血を洗う死闘も――。17世紀後半、カリブ海でスペインの植民地や商船を襲撃した海賊たちの姿を、彼らの日誌をもとに描く、これがリアル・パイレーツ・オブ・カリビアンの世界! 世界がまだ混沌としており、なんでもありのロマンあふれる時代の空気を見事に表現。ノンフィクションを読む喜び、ここに至れりと思える傑作!

■川出正樹
『ミステリ・ライブラリ・インヴェスティゲーション』
卓抜した編纂のもと選び抜かれたラインナップと、現代性を反映したデザイン――翻訳ミステリ叢書は、戦後勃興した翻訳ミステリブームの一翼を担った。植草甚一の編纂と花森安治の装釘による〈クライム・クラブ〉や瀬戸川猛資の編纂による〈シリーズ百年の物語〉など、綺羅星の光芒を残した数多の翻訳ミステリ叢書は、どのような歴史を紡いだのか。書斎の迷宮に眠る叢書という小宇宙が、著者の研究と調査を経てここに全貌をあらわす。戦後の翻訳ミステリ受容史も概覧する画期的大著。全叢書リストを収録予定。


...and more


【お年玉プレゼント!】

東京創元社からのお年玉として、福袋セットを抽選で5名様にプレゼントします!
(あす公開のSF・ファンタジイと合わせて合計で10名様に当たります)

・くらりクリアファイル 4枚セット(オンラインストアで販売中のAセットBセットを合わせたもの)
クリアファイルAクリアファイルB

・くらり特製シール(〈ミステリーズ!〉vol.100付録と同一のもの)
くらりシール

 応募方法は東京創元社の公式Twitterアカウント(@tokyosogensha)をフォローし、下記のツイート(以下をクリック)をリツイートするだけ!


※応募締切は1月10日(火)昼12時です!
※該当ツイートをリツイートしてくださった方の中から、「5名様」を抽選で選ばせていただきます。
※非公開アカウントは抽選の対象外となります。
※ご当選者のみに、1月13日(金)昼12時までにTwitterのダイレクトメッセージ機能を使ってご連絡差し上げます。賞品をお送りするため、ご住所とご本名をお伺いいたします。ご了承のほど、お願い申し上げます。

(2023年1月1日)

見習い編集者KMの編集部日記「怪奇小説を読んでるときに雷をドーン!って鳴らしてくるいたずらっ子のピカチュウと暮らしたい」編


こんにちは見習い編集者のKMです。
みなさま、ポケモンマスター目指してますか。絶賛寒波襲来中の日本列島ですが、同時にポケモン新作「スカーレット/バイオレット」の熱気にも包まれています。ポケモンから10年以上離れていた私も、周囲の同年代たちがあまりに楽しそうなので買ってしまいました。

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スイッチも買った。

ボリューミーな出費となりましたが、勤め人の秘技“ショウヨパンチ(意味:賞与のパンチ)”でどうにかしました。これが大人になるということです。クリスマスまでよい子にしていたあの頃とは違います。あーあ。

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さて、久々のポケモンはお外を徘徊するだけでめっちゃ楽しいです。野生のポケモンがたくさんいて、近寄ってきては「何してんの?」という顔で見上げてきます(注:当初はゲーム画面のスクショを載せていましたが、権利的にマズいことに気づいて構図の近いミーアキャットに差し替えました)。たまにヤンキーみたいなポケモンに絡まれてバトルになりますが、それもまた一興です。

もちろん楽しいのは徘徊だけではありません。3つのシナリオからなるストーリーも熱くてエモくてめっちゃ最高でした。とはいえ、内容を子細に語ってはよい子たちの楽しみを奪ってしまうので、代わりに私の可愛い手持ちポケモンたちを紹介します。


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も……


km221228d
も…………


km221228e
萌え~~~~~

(注:当初はゲーム画面のスクショを載せていましたが、権利的にマズいことに気づいて可食部の減っていくブタに差し替えました。)


はい。
このまま3000枚くらいスクショを貼り続けることもできますが、年内に浄化できる煩悩の数を超えそうなのでやめておきます。そう、いまは年の瀬。この日記はクリスマスに書いています。

本日の私はポケモンをして、ふと見ると空き巣が入ったくらい部屋が汚かったので掃除をしてポケモンをして、「RRR」というかなり最高な映画を観てポケモンをしました。夜、せめて最後はクリスマスらしいことを……と縋るように手にとったのがこの本。

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『英国クリスマス幽霊譚傑作集』(チャールズ・ディケンズほか/夏来健次・編訳)です。収録されているのはクリスマスと幽霊にまつわる13編。ひとくくりに「幽霊譚」といっても、各編の切り口が異なるのがとても面白いです。

たとえば「メルローズ・スクエア二番地」という短編の冒頭では、語り手の女性がある邸(やしき)の所有者に非難されています。彼女の行為が邸の評価を下げ、借り手が見つからなくなったというのです。それに対して彼女は、自分の行為を裁判所に釈明するために、邸で遭遇した幽霊のことを語り始める。その陳述がそのまま幽霊譚の形をとるのです。めっちゃわくわくしませんかこの構造。

ほかに特に好きな作品は「胡桃邸(くるみやしき)の幽霊」です。第三章の題が〈手がかりを求めて〉なこともあり、幽霊の生前を尋ね歩く主人公の姿をミステリの探偵に重ねて読みました。心強い読み心地です。なぜ、何が起きたのかが収録作の中では比較的明確に語られるため、幻想世界への入口にぴったりの一編だと思います。

などなど、幽霊譚のバリエーションをたくさん味わえる満足な一冊でした。「クリスマス」「幽霊」というお題を与えられて、自分ならどんな物語を作ろうかと考えながら読むのも楽しいと思います。考えるだけでなく、いっちょ書いてやろうと思われた方はこちらの部屋にお進みください。出口の保証は致しません。

それではみなさま、ポケモンしたり読んだり書いたり、どうぞよいお年をお迎えください。





ねじの回転 -心霊小説傑作選- (創元推理文庫)
ヘンリー・ジェイムズ
東京創元社
2005-04-09


伊藤典夫/『吸血鬼は夜恋をする』編訳者あとがき(全文)



 以前から、SFのアンソロジイを一冊つくってみたいと思っていた。
 もしあなたが熱心なSFの読者なら、そんな考えを一度はお持ちになったことがあるにちがいない。なぜなら、小説ジャンルとしては決して大きいほうではないのに、SFほど人によって捉え方の異なる小説もちょっと珍しいからだ。SFの定義が、SFファンを自称する人びとの数だけあるという話は、すこしも大げさではない。そのひとりひとりが、いろんなSF作品を読みながら、感心したりがっかりしたりをくりかえし、もちろん、がっかりするほうが多くて、やがてある日あるとき、こんなことを考えはじめる。――どうして、おもしろいSFばかりを集めた本がすくないのだろう?
 というわけで、この本はぼくの長年の願いが結実したものである。しかしもちろん、内容はごらんのとおりで、これがおれの考えるSFだ、とか、優れたSFはこうあらねばならない、などというかたくるしい本ではない。アンソロジイとは、英和辞典によれば、「同一文学形式による、または同一主題に関する諸作家の選集」だそうだけれども、ここではむしろ、この語のもとになったギリシャ語の意味「花々を集めたもの」のほうがふさわしいだろう。SFを中心とするファンタジイの花畑で、この十年あまりのあいだに見つけ、『Men's Club』をはじめ『SFマガジン』『ミステリ・マガジン』『NOW』などの雑誌のページにはさんでおいた小さな花々を、ひとつにまとめたものである。立ちどまるほどではないが、歩く途中ひょっと目にとまり、見とれる花、つまり、理屈ぬきで楽しんでいただけるような小品を選ぶよう心懸けた。
 この本に収録された作家は、全部で十九人。そのうち十六人は、アメリカの作家である。ブラッドベリ、マシスン、ベスター、テン、ライバー、セント・クレア、ナース、R・F・ヤングの八人は、ご存じの方も多いだろう。いずれもSF界のベテランで、だいたいこの順に紹介も進み、わが国での知名度も高い。ほかも、あまり紹介はされていないが、大部分はSF界の人びとで、特にケラーはアメリカSFの草分けのひとりである。サーバーは、アメリカ・ユーモア文学の大御所。残り三人のうち、コリアとW・ヤングはイギリス人――前者は、「一ドル九十八セント」のなかにも名前が出てくるように、ロード・ダンセイニとならぶファンタジイの大家。クロード・F・シェニスは、フランス人。本職は医師で、余技にSFとミステリを書いている。
「ジュリエット」は一九五九年に発表されたシェニスの処女作だが、おもしろいことに、これとほとんど同じ発想にもとづいた小説が、一九六四年、わが国で書かれている。筒井康隆氏の「お紺昇天」で、短篇小説ではこうした偶然がときとしてあるようだ。といっても、ぼくが「ジュリエット」を英訳で読み、『Men's Club』に訳したのは七〇年の末なので、誤解なきよう。ひとつの題材が、作家の資質と国民性のちがいによってそれぞれどう料理されるか、読みくらべてみるのも一興だろう。

一九七五年三月 


 文庫版への追記

 本書は、およそ半世紀前、ぼくが三十二歳のときに初めて一人で編んだ同名のアンソロジイを増補して文庫化したものである。
 単行本時の出版社は文化出版局。有名な女性誌『装苑』の会社としていまも知られるが、一九七〇年代半ばに四六判ソフトカバーでSF叢書を刊行していた時期があり、もとの単行本版もその一冊だった(全部で九冊出たが、そのうち翻訳作品は、本書の原形版と、浅倉久志編訳の『救命艇の叛乱』の二冊のアンソロジイのみ)。
 翻訳の仕事をはじめた六〇年代初頭から、ぼくは雑誌やアンソロジイで短い作品をさがしては気に入ったものを訳すという作業を、本書の単行本版が出たあとも八〇年ごろまでつづけていた。
 今回、初めて文庫化するにあたって、当時の収録作全作に加えて、『SFマガジン』『奇想天外』(第二期)に訳出していたショートショートから九編を選んで収録した。よりSF味の強い作品を加えられたことで、幅がひろがったのではないかと思う。
 ぼく自身、この頃までのSFとファンタジイにもっとも愛着がある。再読してみて、いまもあまり好みに変わりがないことを、あらためて認識した次第だった。
 このおもしろさが、半世紀を経て、新しい読者に共有してもらえることを願っている。

二〇二二年十二月 


■伊藤典夫(いとう・のりお)
英米文学翻訳家。主な訳書にクラーク『2001年宇宙の旅』、オールディス『地球の長い午後』、ブラッドベリ『華氏451度』、カート・ヴォネガット・ジュニア『猫のゆりかご』、ディレイニー『ノヴァ』ほか多数。


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